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肌感覚 vs データ。そごう・西武に学ぶ、データから意外な真実を探る方法

マーケティングの世界は常に動き、その変化に追いつくことは容易ではありません。データがあふれる現代、本当にデータを最大限に活用できていますか?それとも、無意識のうちに「思い込み」に囚われていないでしょうか?

今回は、そごう・西武の具体的な事例を通じて、私たちが思い込みから抜け出し、データをより有効に活用するための方法を学んでいきましょう。新たな視点から現状を見つめ直し、マーケティングに新たな風を吹き込むチャンスです。では一緒に見ていきましょう!

データで明らかになった来店客の実際

そごう・西武が AI カメラを使用して来店客のデモグラフィックデータを分析し、店舗改装やイベント企画に活用しているという話題です。

一般的に百貨店の利用客は中高年層が多いとされていましたが、そごう・西武での実際のデータでは若年層も十分に来店していることがわかりました。

そごう・西武はこの発見をもとに若年層に向けた施策を実施。例えば、そごう大宮店では地下1階の食品売り場のレイアウトを変更し、子育て世代がベビーカーを押しながらでも買い物しやすいようにしました。

西武池袋本店の「京都名匠会」では、訪れた客の3割近くが30代以下であることがデータから判明し、今後は若年層が楽しめるように商品やサービスを工夫する検討をしていくとのことです。

学べること

では、この事例から学べることを掘り下げていきましょう。

データでの正しい現状認識が施策を変える

そごう・西武の事例が示すのは、私たちの肌感覚とデータの間に存在するギャップです。

百貨店の来店客の年代は中高年が中心であると多くの人に思い込みがありました。そうした既成のイメージは、自然と視野を狭め「30代以下のお客さんは少ない」というフィルターを無意識にかけてしまいます。

実際にそごう・西武が行ったデータ分析からは、この思い込みに大きなズレがあったことが明らかになりました。実際の来店客には中高年層だけではなく、30代などの若年層もしっかりと含まれていたのです。データから得られた新しい現状認識は、店頭施策を変えるきっかけとなりました。

データをもとに施策を実行し、効果を実感する

新たな認識を元に、そごう・西武はお店のレイアウトをお客さんに合わせて変化させるアプローチを試みました。

具体的には、そごう大宮店は地下1階の食品売り場のレイアウトを全面的に変更しました。特に30代以下のお客さん、つまり子育て世代が多いこの層を意識した変更が施されました。ベビーカーを押しながらでも楽に買い物できるような、親子にとって買い物をしやすい店内構造へと変えたのです。

その結果、30代以下の来店者数が増加し、さらに購買にも直結したとのことです。データによって思い込みから解き放たれた施策は、店舗運営を新たな方向に導き、結果を生み出す原動力となりました。

データ活用のポイント

そごう・西武の事例から得られた学びは、広くマーケティングに役立てられます。それは「正しい現状認識をすることによって、的確な戦略を組み立てることができる」ということです。

定量データの活用によって、私たちの仮説や思い込み、そして想定が現実と一致するのか、あるいはそれとは異なるのかを検証することができます。

データを利用する際には、その視点や切り口を明確にすることが重要で、切り口次第でデータが示唆する意味を理解しやすくなります。定量データの数値だけでなく、その背後にある「なぜ」や「何が」を探求することで、ビジネスに対する洞察が得られるのです。

仮説や着眼点があるからこそ、データを活かすことができます。ビジネスに意味を持つ洞察へとつながり、戦略やアクションへと展開されます。

データから得られるインサイトは、私たちが日々遭遇するマーケティングの課題解決に向けて強力な道具です。

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