マーケティングとブランディングの 「本質」 「戦略フレーム」 を解説
今回は、マーケティングとブランディングについてです。
マーケティングの本質は何か、ブランディングとは何をすることか、マーケとブランドの戦略のつくり方 (フレーム) を掘り下げています。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、マーケティングとは何か、ブランディングとは何かです。
マーケティングとブランディングのそれぞれで、
・一言の定義
・成功するためのポイント
・戦略と実行フレーム
マーケティングの考え方や方法は、マーケティングの業務を直接していなくても、ビジネスに役に立つ知識です。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
マーケティング
まずはマーケティングから解説していきます。
解説する内容
・一言の定義 (本質)
・成功するカギ
・戦略フレーム
マーケティングとは (一言で)
最初にですが、マーケティングとは何をすることでしょうか?
私の一言での定義は、マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。
選ばれるとは、買ってもらえる、使ってもらえる、来店してくれる、指名されることです。
マーケティングを売れる仕組みをつくることであるとも言えますが、そのためには選ばれることです。選ばれる理由とは、自分たちの強みであり、消費者や顧客への提供価値です。
では、マーケティングを成功させるためには、何が必要でしょうか?
マーケティングの成功のカギ (KSF)
あえて1つに絞るとすれば、マーケティングの成功のカギは顧客理解です。
マーケティングの一言の本質は、「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 でした。
選ぶという行為の主体者は顧客です。偶然選ばれるのをただ待つのではなく、マーケティングによって意図的に選ばれる確率を高めます。
そのためには、どういうメカニズムで顧客は自分たちを選ぶのか、選んだ行為の背後にあるのは何かを理解します。
顧客理解のためには、次の三段階で深掘りをしていきます。
三段階の顧客理解
・行動、意見などの発言 [目に見える事象]
・ニーズ、不満、不便に感じていること [事象の背後にある構造要因]
・顧客インサイト、価値観 [さらに奥にある本質]
三段階の 「事象 - 構造 - 本質」 の順番で、より深く理解していきます。
人の本質の1つである顧客インサイトとは、「人を動かす隠れた気持ち」 です。普段は本人自身も意識していないですが、そうだと気づかされれば行動につながり、時には習慣すらも変えてしまうような奥にある気持ちのことです。
ここからは、マーケティング戦略をどうつくっていくかをご説明します。
マーケティングの戦略フレーム
マーケティングの戦略をつくり、実行していくためのフレームは次の通りです。
マーケティングの戦略フレーム
・ターゲット顧客の設定
・競合設定、市場環境の理解
・自社の特徴を把握し、選ばれる理由をつくる
・選ばれる確率を高める施策を考え、実行する
[マーケ戦略 1] ターゲット顧客の設定
マーケティングの成功のカギは顧客理解なので、一番最初にやることは 「ターゲット顧客の設定」 です。
誰を顧客にし、絞った顧客を深く理解します。
[マーケ戦略 2] 競合設定、市場環境の理解
次に、ターゲット顧客の目線で、どこが競合になるのか、その競合を束にした結果としてつくられる市場を見定めます。
戦略で大事なのは、どう戦うかの前に 「どこで戦うか」 です。
[マーケ戦略 3] 自社の特徴を把握し、選ばれる理由をつくる
顧客と競合が決まれば、選ばれる理由をつくります。選ばれる理由とは自分たちの強みです。
強みとは、誰が・どこで・何と比べるかによって変わる、相対的なものです。だからこそ、順番は、顧客 → 競合 → 選ばれる理由 (強み) という順番です。
[マーケ戦略 4] 選ばれる確率を高める施策を考え、実行する
選ばれる理由を見い出せたら、実行施策です。戦略は実行してこそ初めて価値があります。
詳しい解説は省略しますが、マーケティングの 4P などから、戦略を具体的なアクションプランである戦術に落とし込みます。
それでは、ここから後半はブランディングについて解説します。
ブランディング
マーケティングと同じ要素で、ブランディングとは (一言で) 、ブランディングの成功のカギ、戦略フレームを順にご説明します。
ブランディングとは (一言で)
ブランディングとは何をすることでしょうか?そもそも、マーケティングの文脈でのブランドとは何でしょうか?
ブランドとは、顧客の好ましい感情が伴った商品やサービスです。
好ましい感情とは、好き・満足感・共感・誇り・憧れなどです。こうした感情移入がされているほど、その商品やサービス、あるいは会社は強いブランド力を持っています。
ブランディングとは、商品・サービスに好ましい感情移入を起こしてもらう働きかけです。
ブランドは顧客の頭の中にあるイメージです。商品やサービス、時には企業自体に対してどんな感情を持つか、価値のイメージを持つかは、相手次第です。
ここに、本質的にブランドを直接管理できない難しさがあるとともに、ブランディングの醍醐味です。
では、ブランディングを成功させるためのポイントは何でしょうか?
ブランディングの成功のカギ (KSF)
ブランディングは感情移入を起こしてもらう働きかけであり、感情を伴ってもらうためにはユーザー体験がカギです。
ブランドがつくられるプロセスを簡単に言うと、
体験 → 感情形成 → 知覚価値 (価値のイメージが頭の中にできる)
人は、五感での体験を通して感情が生まれます。いかにより良い体験をデザインできるか、商品・サービスならではの独自の体験が提供できれば、感情移入が起こり、ブランドになっていきます。
ブランディングの戦略フレーム
ブランディングの戦略をつくる時に使うのは、ブランド設計書です。ブランドピラミッドとも言います。
ブランド設計書 (ピラミッド)
・ブランドコア:ブランドのビジョン・ミッション・価値観
・パーソナリティ:ブランドを人に見立てた時の性格
・ベネフィット:機能的な価値、心理的 (情緒的) な価値
・エビデンス:ベネフィットがなぜ実現できるか
・メッセージ:ブランドのことを端的に伝える表現
以上の要素を埋めていけば、ブランドの方針になる設計書ができあがります。
ブランド設計書に基づき、ユーザーの体験プロセスをつくっていきます。商品やサービスとの接点ごとに、どんな体験をしてもらうか、その体験ごとにどのような感情を生み出すかです。
接点ごとの体験と感情をまとめれば、ブランドのカスタマージャーニーになります。カスタマージャーニーに沿って、各施策をつくり実行します。
まとめ
今回は、マーケティングとブランディングについて解説しました。
それぞれについて、一言の定義 (本質) は何か、成功させるポイント、戦略フレームです。
最後に今回の記事のまとめです。マーケティングやブランディングの考え方、ものの見方は、ビジネスに広く役に立ちます。ぜひ、普段のお仕事での参考にして、使ってみてください。
マーケティングは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 。選ばれる理由とは、自分たちの強みであり顧客への提供価値。
マーケティングの成功のカギは顧客理解。
マーケティングの戦略フレーム
・ターゲット顧客の設定
・競合設定、市場環境の理解
・自社の特徴を把握し、選ばれる理由をつくる
・選ばれる確率を高める施策を考え、実行する
ブランドとは 「顧客の好ましい感情が伴った商品やサービス」 。好ましい感情とは、好き・満足感・共感・誇り・憧れなど。ブランディングは商品・サービスに好ましい感情移入を起こしてもらう働きかけ。
ブランディングの成功のカギはユーザー体験。体験 → 感情移入 → 知覚価値 (頭の中で価値イメージができる) 。
ブランディング戦略のためにブランド設計書をつくる。
ブランド設計書に基づき、ユーザーの体験プロセスと感情移入をまとめると、カスタマージャーニーになる。カスタマージャーニーに沿って、各施策をつくり実行する。
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