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『アート』とは何か?バンクシーから学ぶ

先日勉強を兼ねてバンクシー展に行って参りました。
個人的な感想として一言にすると『最高』でした。

何が良かったを“設営”と“バンクシー”の二つに分けて述べます。

【設営】
バンクシー展 天才か反逆者か?
というタイトルからバンクシーが何者なのか?という問いを投げかけているのが良い。
展示を楽しむうえで天才なのか?反逆者なのか?を前提に展示を楽しむ事が出来るようにタイトルから工夫されている。
※バンクシー本人の意向で実施されている展示ではありません。

バンクシーが何者かは自分の目で確かめよ。
という設営側のあくまで第三者視点が更によかったです。

展示会は入口を入ると約10分間のオープニングムービーが見れます。
これが感情的に高揚させてくれる仕掛けになっていて、実際作品を見る前に鳥肌が立ってしまいました。
オープニングムービーを見た後、本会場に向かうのですが、会場にはいくつかカテゴリー分けをして作品が展示されていました。

入ってすぐにあるアートスタジオ

バンクシーらしき人間が椅子に腰かけていますが、ここからバンクシーが只者ではない事が伝わってきます。
これだけネットによって情報が民主化されたにも関わらず、バンクシーという覆面アーティストの正体はほぼ謎。

この入口の展示がさらに高揚感を膨らませます。
さらにスマホで聞ける音声ガイドがあり、UIも非常に良かった。
使いやすく、ガイドの声は女性の聞き心地の良い声で作品を見ながら説明を聞けるところが来場者視点で工夫されているのが容易にわかった。
この展示は世界100万人動員という実績がありますが、この時点でその理由が理解出来ました。

展示会場は黒を基調にした会場で、バンクシー感をより感じさせられました。
バンクシーは壁画作品が多く、描かれている場所も議論の題材になる為、描かれている場所を明確にしたうえで壁画まるごと再現している展示方法にも感心しました。

一番の最後の作品は超有名な『風船と少女』が飾られていて最後まで興奮が止みませんでした。

出口付近にはグッズが販売されていて、このグッズの選定もよかった。
デザインなどは好みによると思いますが、種類が厳選されていて選びやすい工夫が施されていました。
大きく打ち出している商品は3つ。
バッグ、Tシャツ、作品集です。
他にも数点ありましたが、この目玉の打ち出し方が計算されていてとても良かった。

そして出口には何やらQRが付いたポスターがあり、
タイトルの天才か反逆者か?のどちらかに投票出来るようになっていました。

これは単にデータを集積する為ではなく、エンタメとしてあなたはバンクシーをどちらだと思いますか?という工夫だと思います。

展示とは作者ないしコレクター側の一方通行なイメージがあるが、この投票によってそれが大きく覆されました。

この設営のキュレーター兼プロデューサーのアレクサンダー・ナチケビア氏の手腕に感銘を受けました。
この方がプロデュースする展示は今後も見てみたいと思いました。

【バンクシー】
彼の作品は言うまでもなく最高でした。
彼の作品は総じて奥行き(視覚的な話じゃないよ)があり、考えさせられます。
そうなんです。
彼の作品はとにかく考えさせられるんです。
少女が爆弾を優しい表情で抱えていたりと作品の佇まいが異様なのです。
ただ、そこには深いメッセージが隠れていて何か大切なものが感じられます。
バンクシー本人から明確な意図がほぼ発信される事もない為、彼の噂話レベルが世界規模になっています。
社会風刺的な強烈な表現の裏に隠されたメッセージがアートとして発信され皆に疑問を投げかけるのです。
問題定義というアートの本質を見事に表現しております。

彼はアーティストでありながらエンターテイナーとしても世界に大きな影響を及ぼしているように感じました。

ここまでの衝撃は私は今後の活動にも大きく影響するのは確実です。
そして私がこの展示で出した答えはこれ。

『バンクシーは天才である』

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