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エマニュエル・トッドの『第三次世界大戦はもう始まっている』を読みました

📕仏の人類学者エマニュエル・トッドの最新書(今年6月出版)
『第三次世界大戦はもう始まっている』を読みました。
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非常に重要な視点が書かれている本で、主題を私なりに100字程度で要約すると、下記のようになります。

「ロシアのウクライナ侵攻は、ロシアとウクライナの戦いではなく、ロシアvs英米の代理戦争である。
アメリカとイギリスは、ウクライナ兵に大量の武器と資金を送り、ウクライナ人を「人の盾」にして、ロシアを攻撃させている」

ロシア軍やプーチンは、罪のない多くのウクライナの人々を殺戮しており、彼らが「異常で残酷」だというのは事実ですが、トッド氏は

★アメリカの乳幼児死亡率は、ロシアのそれより高い
★アメリカで、50代の白人男性の自殺率が急激に増加している

など、具体的なデータと数字を挙げ、
「アメリカ社会が、いかに異常か」
=「経済格差が広がり、社会に歪みが生じているのは、アメリカとイギリスの方では?」(ロシアには英米ほどの経済格差はなかったはず)
「今回の戦争が、アメリカとイギリスの異常さを浮き彫りにするという、皮肉なことになっている」
と指摘しています。

(著者が「この本はヨーロッパで出版できない。ヨーロッパ人は感情的に反応するだろう」と言う理由がよくわかりました。

★★★

(この本の内容に、あまり関係ありませんが・・・)
今回私が「トッドさんの本を、久しぶりに読んでみようかな…」と思ったのは、先日(11/13)ブログに感想文を書いたオースティンの文学小説 “Pride and Prejudice”(高慢と偏見)がきっかけでした。

なぜ5人の娘たちが、父親から財産をもらえないのか?
 (父の財産は、遠い親戚の男性のコリンズに渡ります)
19世紀イギリス社会の財産の分与の仕方に疑問を感じ、
「イギリスの家族制度って、どうなってるんだっけ?」と思ったところから




地球上の様々な国々の家族制度を大きく4タイプに分類し、
「ソ連の崩壊」や「トランプの大統領選出」を予測してきた
エマニュエル・トッド氏の本で調べてみようと思いました。

『エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層』
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この一冊を読んでから(私にとっては2回目)、夫が買ってきてくれた『第三次世界大戦はもう始まっている』を読んだので、少しだけ理解が深まったと思います。


興味深かったのは、トッド氏の分析によると
ロシア人とウクライナ人は、外見がよく似ており、地理的にも近い所に住んでいますが、
ロシア人とウクライナ人の家族制度は全く違っており、
ウクライナ人はアングロサクソンに似ていて「絶対核家族」、
ロシア人は中国人などと共通する「外婚制共同体家族」を築くため、根本的な価値観が元々異なる、という指摘です。
(この家族の4タイプ分類について学んだことは、あまりにも膨大になってしまうので、また今度書きます。)

※4タイプ家族分類は、こちらのウェブサイトがわかりやすく分類して表にして下さっています。
http://honkawa2.sakura.ne.jp/0003.html

この本には「日本も核武装すべき」など、かなりセンシティブなことも書かれているので、議論を呼ぶと思いますが、非常に考えさせられる本でした。


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