【朝鮮戦争】スウィング・キッズ #映画で学ぶ韓国近現代史

こんにちは。つばきです。

『スウィング・キッズ』を観たのは緊急事態宣言前の3月、シネマート新宿にて。ここから6月に『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』を観るまで映画館いけませんでした。

skメイン

原題:스윙키즈
2018/韓国
監督:カン・ヒョンチョル
上映時間:133分

【あらすじ】

1951年。朝鮮戦争当時、最大規模の巨済(コジェ)捕虜収容所。新しく赴任した所長は収容所の対外的なイメージメイキングのために、戦争捕虜たちによるダンスチーム結成プロジェクトを計画する。収容所で一番のトラブルメーカー ロ・ギス、4か国語も話せる無認可の通訳士 ヤン・パンネ、生き別れた妻を捜すために有名になることを望み、愛に生きる男 カン・ビョンサム、見た目からは想像できないダンスの実力を持った栄養失調の踊り手 シャオパン、そして彼らのリーダーであり元ブロードウェイのタップダンサー ジャクソンまで、紆余曲折の末、一堂に会した彼らの名前はスウィング・キッズ!それぞれ異なる事情を抱えてダンスを踊ることになり、デビュー公演が目前に迫っていた。国籍、言葉、イデオロギー、ダンスの実力、全てがちぐはぐな寄せ集めダンスチームは前途多難でしかないが… (公式サイトより)


理解するためのポイント①朝鮮戦争

南北分断された経緯と朝鮮戦争についても知識が不十分でした。戦争関連作品も見るの苦手なのです。
第二次世界大戦の終戦が1945年8月15日。同年9月、朝鮮の北緯38度線を境界にして米ソ両軍による分割占領策を発表しました。
日本の統治から解放されたにも関わらず、米ソの統治下に入ってしまったのですね。北がソ連、南がアメリカ。南北での政治的思想の違いは明らかです。
1948年、南に大韓民国が、北に朝鮮民主主義人民共和国が樹立されました。
1950年朝鮮戦争が勃発します。国連軍と中国軍も交戦しました。
そして、3年後の1953年に休戦に至りますが、名目上は現在も戦時中です。改めて調べても、朝鮮という国がどういう歴史を辿っているか知るとやりきれない思いになります。

理解するためのポイント②巨済捕虜収容所

戦時中に増えた捕虜を収容するため巨済島に設置されました。戦争捕虜となった捕虜は北朝鮮を支持する親共捕虜と反共捕虜に分かれて流血殺傷事件が頻繁に発生し、1952年、収容所の司令官米軍ドッドゥ准將が捕虜に拉致される事件が起きるなど、冷戦時代の理念対立を縮小した現場のようでありました。

理解するためのポイント③デヴィッド・ボウイの『Modern Love』

カン・ヒョンチョル監督は『サニー 永遠の仲間たち』を撮った方自身の経験したポップカルチャーを作品に反映させているように思います。1974年生まれの46歳(韓国は数え年なので若干違うかもしれない)。思ったより若い。日本の有名人でいうと有吉弘行や草なぎくんと同い年のようです。
デヴィッド・ボウイの『Modern Love』がかかるシーン、感情が高ぶって最高潮にくる、激エモシーンなのですが元ネタ知らなかったです。

『汚れた血』の公開は1986年。レオス・カラックス監督が近未来を舞台に撮ったSF系ノワールと主にメロドラマを絡めた青春映画。思春期の痛みや孤独、そして自由への無限大の渇望を、愛の疾走感の中に刻み付けるように強く描いた作品である。

『汚れた血』の中で主人公が『Modern Love』をバックにとてつもない感情を抱えながら走っていくシーンがちょっと検索すると出てきます。
主役2人の、言葉には説明できない自由への思いを踊りにのせます。そのバックにかかるのが『Modern Love』です。
同じ思いをのせたダンスが別々のところでシンクロしているのって映画ならではでいいシーンでした。


感想

観た直後にすごい作品を観てしまった・・!と思ったものです。EXOのメンバー、D.O.さんの主人公としての存在感、目つき、ダンスの美しさ、迫力に震えました。
パク・ヘスさんも可愛い。(ドラマ『内省的なボス』に出ていた子だ!)
終盤のクリスマスショーでのタップダンスパフォーマンスからの惨劇がショックすぎたのですが、笑えるところもいっぱいあるし、タップダンスのコツコツ鳴る音が心地良いです。
ビートルズの原曲使用が韓国映画で初めて認められた作品ということで、エンディングにかかる『Free As A Bird』は心に染み渡ります。泣かずにはいられません。「ファッキンイデオロギー」ですよ。

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