寂しいときに寂しいと、悲しいときに悲しいと。
寂しいときに寂しいと、悲しいときに悲しいと感じられる人でありたい。
生きているとどうしようもなく持ってしまう様々な感情たちは、ときにぼくを戸惑わせ、ときにぼく自身を嫌いにさせる。
いっそ感じなければ楽なのにと、蓋をしてしまいたくなる感情もたくさんある。大きすぎて受け止めきれない感情もある。
それでも、ぼくはぼくの感情を手放したくない。
仮にあの喪失を、あの別れを、あの郷愁を、寂しいと感じなくなってしまったら、それは生きる上でとても大切な何かを失っているように思えるから。
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別れに際して、「ちゃんと寂しがる」ということは、ある種の儀式のようなものだと思う。
大人になると、寂しい感情を押し殺して気丈に振る舞うことが必要とされるけれど、寂しいものは寂しいんだ。
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そうやって一つ一つの感情を味わうことは、複雑なことを複雑なまま受け止めることだとも思う。
わかりやすくて見栄えのいい「物語」にしてしまうのではなく、いろいろな出来事が積み重なった結果である今をそのまま受け止め、感じる。
それはぼくにとって、手放したくない体験の一つだなと思う。
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