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Brownies Worksの分社化のお知らせ

こんにちは、リベロ・コンサルティングの武内です。本日、弊社の事業の1つであるBrownies Worksを2021年4月1日より分社化することを発表しました。このnoteではその背景や分社化して武内はいったいなにをやるのか、ということを共有させていただきます。

1.Brownies Worksの分社化って?

新たに「株式会社Brownies Works」を設立し、そこにリベロ・コンサルティングが所有するBrownies Worksに関するすべて(ブランドや商標、顧客、従業員など)を譲渡する形になります。

Brownies Works社の代表には、リベロの第一号社員でありBrownies Worksをこれまで引っ張ってくれた土屋が就任する形となりました。対外的な広報や営業対応は私が担ってきましたが、案件の運用はこれまでも土屋がすべて対応をしてきていたため、実質的にはほとんど変更はありません。

もともと、Brownies Worksは土屋ありきの事業であり、コンセプトやサービスの輪郭は私が主導して構築したものですが、お客様に対して「バックオフィスをお任せいただく」という部分は土屋が先頭にたって取り仕切ってくれていました。(Brownies Worksの誕生背景などはこちら↓)

リベロ・コンサルティングのコンサルティング事業に次ぐ二本目の柱ということで立ち上げたBrownies Works事業でしたが、バックオフィス運用のパッケージ化を掘り下げていく中で、コンサルティング事業との相乗効果もあまり見込めなくなってきたため、土屋を中心にBrownies Worksをよりよりサービスにしていくために、リベロ・コンサルティングからBrownies Worksを切り出すという決断をいたしました。

2.なんで事業譲渡するの?

Brownies Worksは当初「サブスクリプションビジネスが作りたい」という観点から考案したものでした。使用するツールを限定し、業務フローを決め、バックオフィス全体をパッケージ化して提供する。そうすることで、提供側の運用体制も効率化できるし、ノウハウがたまれば利益率も高くなる。そんなことを考えていました。

クラウド会計や労務系SaaSなど様々なITサービスがバックオフィス領域でもたくさん登場しています。しかし、それらを一つ一つ比較検討するのも大変ですし、かつ、それらをきちんと活用することはバックオフィスの担当者にとっては非常に難易度が高いことです。

特にバックオフィスの人はたくさんの日常業務に追われていて、「改善したいけど、検討する時間も試す時間もない!」という課題があるという仮説を自分自身の経験から持っていたため、設計から運用まで一気通貫で手がければかなりいけるだろう思ってサービス提供を開始しました。

サービスを開始してから1年が経過し、ニーズや課題についてはある程度想定通りでした。バックオフィスのツールが細分化し、かつ、ツールベンダーのサポートや営業担当は実務に詳しくないため、多くの担当者が「バックオフィス業務に精通した人に業務の構築や運用を手伝って欲しい」という要望を持っていました。

一方で、見込みが甘かったのはパッケージ化やBrownies Works内での効率化の部分です。複数のツールを使ってバックオフィスを運用するためには、かなりノウハウとスキルが必要です。それを平準化して分業体制を構築することは難しく、土屋をはじめとしたエキスパートが抱えた業務を手放せず、サービスを拡大するにつれて、どんどんと負担が増えていきました。

また、バックオフィスと一言で言っても、業種・業態やこれまでのバックオフィスの変遷などの様々な要素が絡み合い、私たちが考えていたよりもパッケージ化は遙かに難易度が高い作業でした。

これらのことを踏まえ、Brownies Worksとしてサービスの見直しを検討しました。選択肢は2つです。パッケージ化を諦め、顧客の個別の事情に対応したオーダーメイドのサービスを提供するか、パッケージ化にこだわり、その代わりに提供する企業数や業種・業態を大幅に限定するか。社内での様々な議論を経て到達した結論は、後者でした。

Brownies Worksはたくさんの企業のバックオフィスを構築・運用をするサービスではなく、「IT系スタートアップ」を念頭に社歴が浅くてバックオフィスがまだ出来上がっていない企業が、バックオフィスをきちんと構築・運用する際に丸ごと導入できるパッケージを提供するサービスとして定義し直しました。

これまで積み上げてきたノウハウはそのままに、提供するターゲットを明確に絞り込んだ形です。それによって、幅広く広告などを使って集客することや、イベントなどでサービスの紹介することなどは行わず、リファラルを中心に、合うクライアントにだけ提供していくことに、営業戦略をシフトしました。

つまり、「規模の拡大を追わず、Brownies Worksを必要としてくれている企業にだけサービスを提供する」ということです。バックオフィス系のBPOサービスは「定義された作業を提供する」というものがほとんどの中、ここまで絞り込むのはかなり勇気がいることですが、従業員・クライアント双方が満足度が高いのはこの形だという結論に至りました。

今後はBrownies Worksは内部の体制を強化し、そのサービスに磨きを掛けていくことに注力していきます。そういう方向性になったとき、浮かんだのが「そこでは私の強みよりも、土屋の強みが活きそうだな」ということでした。

私はどちらかというと様々なものを整理して言語したり、図式化したりする抽象的な思考が得意なのですが、土屋はそれとは正反対にとにかく手を動かしていく中で改善を繰り返していく現場たたき上げ系です。Brownies Worksのコンセプトを考えるのは私の仕事でしたが、それがある程度の形になりそこを磨いていくフェーズになると、土屋の方が圧倒的にバリューを発揮します。

そんなこんなでBrownies Worksをよりよいサービスにすること、改善のサイクルを高めていくことを念頭に、土屋を中心としてBrownies Worksをリベロ・コンサルティングから切り離すことにしました。

Brownies Worksのディレクターである土屋と国見のインタビューはこちら↓

3.これから武内は何をするの?

私が税理士を登録したのが2016年12月でして、取得までに約5年の歳月がかかったこともあり当初は経理領域にこだわってサービス構築やコンサルティング提供をしてきました。

しかし、リベロ・コンサルティングを設立し、経理だけでなく会社全体のシステムや業務フローの再構築を手がけるようになり、さらにはBrownies Worksではバックオフィスに関連する領域全体のパッケージ化についても検討してきました。

これらの経験を経て、自分の中では経理だけでなく会社全体の業務をどうやって効率化し、本当の意味での「DX」にもっていくのか、という部分に興味関心が移りつつあります。

また、起業当初はとにかく食い扶持を稼がないといけないので、プログラミングもできない私にできるのがコンサルティングだったということで、身体ひとつで提供できるコンサルティング事業を中心に行ってきました。

コンサルティング事業そのものは私の気質にもあっており、ありがたいことに様々な方面からもお声かけいただけるのですが、ただひとつ課題があるとすれば「すべてが個別対応である」ということです。1社1社のお客様の課題を整理し、それを解決するためのソリューションを提供するというのも素晴らしいビジネスだと思いますが、それでは起業当初に描いていた「バックオフィスの人達に業務設計という武器を与えたい」という目標を達成するのは無理です。

だからこそのパッケージ化を考えたわけですが、それも個々別々の事情を超えてまでのパッケージ化は難しいという結論に至りました。

Brownies Worksの分社を決めたと同時に抱いていた思いは「バックオフィスの人達の業務をもっと効率化できるようなサービス(システム)を作りたい」というものでした。

Brownies Worksを分社化し、再び1人になり、ゼロからのスタートになります。幸いにも、この思いを後押ししてくれる方々も見つかりました。リベロ・コンサルティングは4月1日からいったん休眠状態となり、別法人を立てての再スタートになる予定です。(詳細はしかるべきタイミングがきたら共有させていただきます)

まだうまく言語化できていませんが、作りたいのはバックオフィスのプロジェクト管理領域を支援するソフトウェアです。ここでいうプロジェクトとは、月次決算を含めて経理の締め処理業務や、採用〜入社までのオンボーディング、勤怠・経費精算・給与計算などの業務など、「複数のタスクや関係者が絡み合う業務」を意味します。

社内外の関係者が多く、複数の業務をまたいだ管理が必要で、繰り返し同じようなプロジェクトが行われる、というのがバックオフィスのプロジェクト管理の特徴です。また、プロジェクトを進める上で、関係者とかなりの量のコミュニケーションが必要になります。

既存のバックオフィスでは、TrelloやAsanaのようなタスク管理ツールを活用するか、Excelなどで業務を管理しているのが一般的でしょう。しかし、それらを使ったとしても、各業務ツールがクラウド化し、細分化していく中で全体を俯瞰しながら管理をし、かつ、そこから改善サイクルを回していくのはかなりの職人芸と言わざるを得ません。私が見てきたバックオフィスがカオスになる根本的な原因は、この「だれも全体が見えていないこと」にあると考えています。

請求書をAIが処理して仕訳や振込データを作成する、銀行データを取り込んで消し込みを自動化する等の最先端のサービスは話題にもなりますし、劇的な改善効果がでそうなイメージがすぐにわきます。もちろん、それも十分に素晴らしいことですが、バックオフィスや会社全体で見るとそれらの個々の改善効果を打ち消してしまうほどに、全体が見えていないこと、またそれによって全体が最適化できないことによるマイナス面が大きいのではないでしょうか。

と、偉そうに自説を披露してみましたが、現時点でこの課題感が正しいのかどうかは全く分かりませんし、プロジェクト管理を最適化すればバックオフィスが本当に効率化するのかどうかは分かりません。

分かりませんが、開発には開発の、営業には営業の、マーケティングにはマーケティングの、それぞれ独特の課題が存在、個々別々のソリューションが必要なように、バックオフィスにも「全体最適」という観点でゼロからその課題や解決策を解き直してみるタイミングなのではないか、という感じがしております。

2020年はとにかく色んなところで叫ばれた「DX」でしたが、ほとんどが個別のシステムによる一領域のデジタライゼーションであり、DXの本来のコンセプトにはほど遠いものです。DXの本質は、システムやテクノロジー単体の進化ではなく、業務全体の最適化にこそあるはずですので、その観点からいけば、個々のシステムが進化すればするほど、全体を俯瞰し、管理し、掌握していくことの重要性は増していく考え、この領域をカバーするシステムが作れないか、ということを思案しています。

まだシステムは陰も形もありません。現時点では「ここに課題がありそうだ」ということを具体化するべく様々なバックオフィスの人にインタビューに協力いただいている段階です。検討を重ねた結果、バックオフィス専用のプロジェクト管理ツールは必要ない、という結論になる可能性もあります。

現時点ではまだなんのお約束もできませんが、とにかくしばらくの間は自分の立てた仮説やバックオフィスの抱える課題に徹底的に向き合っていくつもりです。

だいぶ長くなりましたが、新たなスタートを切るBrownies Worksと、まだ名前もない新規事業を、しばらくは暖かく見守っていただけますと幸いです。

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