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なぜDXは失敗するのか

こんにちは、BYARDの武内です。
最近は家事をしているときや移動中(手は塞がっているが、耳は空いている時)によくAudibleで小説を聴いています。

Audibleが聴き放題になったのはわりと最近なのですが、ビジネス書のメインどころはまだまだ聴き放題対象外なものが多い状態です。一方で、小説については、村上春樹や伊坂幸太郎、池井戸潤などの人気作家の作品がそろっており、十分に楽しめます。

最近はビジネス書を読む時間を取るのが精一杯で、小説を読む時間が取れていなかったので、Audibleでそこが埋められるのは満足度が高いです。気になる方はぜひ試してみてください。

さて、今回のnoteは、(本質的な意味での)DXの失敗について書いていきます。

1.名ばかりDX

DX(デジタルトランスフォーメーション)はもはや本来の意味を外れて、単なる「デジタル化」的な意味合いで使われるようになってきました。バズワードの常ですが、あっという間に盛り上がって、都合のいい解釈をされて、どんどん本質から離れてしまうという悲しい状態です。

日本のビジネス現場のデジタル化が遅れていることもあり、「DXしよう!」という掛け声で少しでも前に進むかもしれないと最初は期待していたのですが、結局は「DX」というバズワードでシステムを売り込みたいベンダーと、上から「DXを推進しろ」という雑な指示を受けてなんとか実績を作りたい担当者の利害が一致し、課題解決ではなくシステム導入をゴールにしてしまう事例が多発しています。

ペーパーレス化、テレワーク、クラウド、脱ハンコなど、すべて手段の話であって、デジタル活用によって業務を効率化していくという目的があってこそのプロジェクトのはずが、本質的な課題解決はどうしても時間がかかるので、分かりやすい成果に飛びついてしまうと、結果として「DXに失敗した」ということになってしまうのです。

こちらの本にはそういうダメな事例がたくさんでておりますので、気になる方はぜひ読んでみてください。

2.業務の最適化

「DX推進」が失敗しないための第一歩は、デジタルに最適化したかたちに業務を再構築すること。AIを使って自動化、みたいな分かりやすい一手ではなく、とにかく現状把握を正しく行い、そこから課題を抽出し、デジタル活用も含めた改善策を検討し、最適な状態になるように再構築するのです。

一発逆転のホームランはなく、とにかく地道に進めていくしかありません。

それから多くの人がやってしまいがちなのが、「システム導入」をゴールにしてしまうことです。システム導入や業務の再構築といった対応がいきなり完璧にできるはずもなく、最初からずっと改善を繰り返していくことを当たり前のものとして愚直に向き合うしかありません。

仕事として実施する以上、なんらかの「成果」を求めるという気持ちは分かるのですが、短期的な思考でやると失敗するので、経営陣も含めて、もう少し中長期的に考えて取り組む必要があります。

敗者のゲーム』の第1章の中に出てくるテニスの試合の例で考えると分かりやすいかもしれません。

プロテニスでは、最終結果は勝者の行動によって決まる。プロのテニス・プレーヤーは長いラリーの末、強力で正確なウイニングショットを放ち、敵の手の届かない所へ打ち込んで勝利をつかむ。こうした一流のプレーヤーはめったにミスをしない。一方、アマチュアのテニスは、これとは全く異なる。素晴らしいショットとか、長いラリーはなかなか見られない。ボールはしばしばネットにかかり、ラインの外に出る。ダブル・フォルトも珍しくない。アマチュア・プレーヤーは敵を打ち負かすことはほとんどなく、いつも墓穴を掘って終わる。得点の多くは相手のミスによるものだ。試合に勝つのは、相手の失点が多いからだ。

チャールズ・エリス. 敗者のゲーム[原著第8版] (Japanese Edition)より

成果や評価という観点からどうしてもプロジェクトには、「なにかをしたことによってこういう結果がでた」という風にアピールしたくなる側面があるのですが、中長期的に改善し続けなければいけないものですし、派手なウインニングショットではなく、やるべきことを愚直にやり続けるしかない、という認識がまずは重要だと思います。

3.業務を改善し続けられるBYARD

BYARDというプロダクトは、「業務は改善し続けるもの」という思想を根底に持っています。チェックリストの運用は印をつけることが目的になりがちです。マニュアルは作るだけで大変で、継続的な改善までは手が回りません。では、どうすれば改善し続けられるのか、を掘り下げた結果、カード(業務内容)+業務プロセス(業務の流れ)を表現することができるストリームという形に辿り着きました。

決められたこと愚直にやるだけでは、成果につながるとは限りません。いつでも改善できるプラットフォーム上で業務管理を行うことで、PDCAサイクルを回しながら業務の最適化を自然と行うことができるのです。

BYARDはTODOリストやプロジェクト管理ツールとは思想も目的も全く違うものですので、使いこなせるか不安に感じられる方もいるのですが、優秀なCS担当者が業務の棚卸しや整理、業務の実行から改善まで、しっかりと伴走してくれるのでご安心ください。

素早く、正確に、大量の処理をこなすことができる人が優秀という価値観は、AIによってまもなく過去のものになるでしょう。業務全体を整理したり、改善サイクルをきちんと回せる人材こそが優秀である、という時代がすぐそこまできています。

DX推進の第一歩は業務の最適化から。
ぜひBYARDで、DXの土台をしっかり整えていただけると嬉しいです。

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