#ちぇり怖とーく「湖のキャンプ場」(ちえりちゃんの怖い話雑談に送ったやつ)

私が中学生だった頃、とある湖にキャンプに行った時の話です。

そのキャンプ場では湖岸のキャンプスペースから目の前に湖が広がっていて、釣りをしたり湖で水浴びしたりすることができました。

また、キャンプスペースから少し離れたところに桟橋があって、ボートの貸出や持ち込みで水上バイクに乗ることもできます。

そう、今日のお話は水上バイクの話です。

私はその日湖岸で家族と釣竿を垂らしていました。
結構ニジマスとかがいて上手くいったら釣ったやつを食べることも出来たんですよね。
まぁ釣れないんですけど。

そんな中、遠く湖の真ん中辺りに高い水しぶきが上がりました。

「水上バイク乗ってんだな。」
と父が呟きました。
「そーだね。…でも速過ぎない?」
「事故でも起きんといいけどな…」

などと話しながら水しぶきを見送ります。

釣れない釣りに飽きて水浴びを始めた私でしたが、もうしばらくすると今度は白いモーターボートが、水上バイクと同じ方向に向かっていきました。

「なんかスピーカーで喋ってる」
「事故でもあったのかもしれんぞ」
「まさかさっきの?」
「何も無いといいけど」

母や妹も加わって心配をしていたのですが、その悪い予感は当たってしまいます。

大破した水上バイクが湖岸に引き上げられ、事故を起こした男性がボートに乗り込んでいた救助隊に運ばれていきました。

すれ違いに聞こえた男性の叫び声。

「○○(一緒に乗っていた人)は?!アイツが白い手に引きずり込まれたんだよ!」

その後、ニュースによると一緒に乗っていた方はまだ見つかっていないそうです。



ところで湖は真水なので浮力が海よりも弱いため、事故があってもなかなか遺体が上がってこないらしいのですが、この湖の真ん中には小島があって専用の遊覧船で上陸することができます。

小島には鳥居と小さなお社、そして石碑があります。

石碑には、こう書かれていました。

「恋叶わず身を投げた○○(女性の名前) は、面影の似た男子を今も水底で待っている。
永遠に共にあらんとし、連れ去ろうとする。
憐れな娘の魂を鎮めんが為、この社を建立する。」

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