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社会起業家という人をご存知ですか?

社会問題とは?

社会の欠陥・不合理・矛盾から生ずる諸問題。また、社会に大きな影響を与える問題。

特定の地域や社会で広く共有されている問題のこと。

そもそも社会問題は、全体像を把握しづらく、事前に予測することが困難な現代社会の特有な現象なので、その対処も簡単にいかない。

あるところや地域で起きている社会問題は、違うところや地域でも起きる可能性がある。

特定の人物や組織を罰すれば済む問題ではなく、法律やルールを整備して抑制的な対処も必要でもある。

コロナ禍による、社会経済情勢の急激な変化、新しい生活様式への移行等により、増々、孤立や孤独死、ひきこもり、虐待・家庭内暴力、自殺、生活困窮など厳しい“生活・福祉問題”が特に広がっているような気がする。

また、こうした課題は、既存の制度では対応ができない“制度の狭間”によって簡単に解決できるものではないものが多い。

この社会問題は、他人事で「自分には関係ない」と思っていても、いつ自分に降りかかってくるかわからない問題でもある。

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社会起業家という人をご存知ですか?

社会や地域の課題に新しい発想で取り組み、公的な機関には頼らず、自らの手で解決すべく、新しい仕組みを生み出してその解決にあたる人たちのことだ。

取扱う課題とは、環境や人権、あるいは福祉、教育など“社会問題”。

今ある社会問題を解決するのは、政府や行政などの公共サービス・既存の商品やサービス・仕組みでは大きな変革は期待できないので、これまでにない形態や視点を持つ革新性が必要だろう。

社会起業家は、【ソーシャル・アントレプレナー】【チェンジメーカー】とも呼ばれている。

強いて言うなら、

”NPOのようなビジネスをめざし、ビジネス的成果をめざす”

単に収入を得ることだけを目的として事業を興すのではなく、使命感を持って課題に取り組み、その仕組みも従来にないような斬新なアイデアで、かつ事業として成立させなければならない。


昨今の企業経営は、CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)が問われる場面も多い。

自社の利益を追求するだけでなく、自らの組織活動が社会へ与える影響に責任を持ち、あらゆるステークホルダーにとってプラスになることや、社会が抱える問題やその在り方にまで考えを張り巡らせならなければ生き残っていけない。

今後益々複雑化する社会では、自分たちだけが利益を上げられればいいわけではない。

【社会貢献】とは?

文字通り「社会」に対して何かを行い、その社会の発展や継続に「貢献」することを指す。


CSR活動を強化する企業は、社員を積極的に社会貢献活動に参加させている。

社員にとって、普段接しない人と協力し、様々な意見や価値観があるなかで、メンタリングを進めていく経験はとても貴重で、スキル向上にもつながり「社員に大きな変化をもたらす。」と言う。

しかし社会人が、いざ個人的に社会貢献・ボランティア活動したいと思っても、なかなか時間が取れないもので、休日や平日の仕事終わりに参加するしかない。


では、【ボランティア】と【社会貢献】の違いはなんだろうか?

【ボランティア】

自らの自発的な意志によって行う無償の社会奉仕・問題解決のための活動やそれをする人
例)災害時の被災地で活動する 子どもたちの学習やスポーツの支援をする

【社会貢献】

直接的あるいは営利事業の波及効果として社会の利益につながるような行為・活動をすること

必ずしも「自発的・主体的な意志に基づく」わけではなく「無償ではない間接的な社会貢献」もある。

「営利事業の副次的効果(ビジネスの結果)として社会・他者の役に立つような間接的な活動」も含まれる。



私が接点をもった多くのNPO法人の方々は、自分が行っていることには自信を持っていて、“社会貢献”というやりがいを胸に、目的意識を持って活動しているのは事実。

社会から感謝される仕事や取り組みであることは間違いない。

しかしながら、多くのNPO法人の方々は得意分野に関してはプロフェッショナルだろうが、『マーケティング活動』『経営計画』『マネジメントスキル』などのビジネスを行う上で一般的に必要とされる知識・経験が不足していることが多く、その結果、財政基盤が不安定に成りがちだ。


オンライン講習会の開催においても、プレゼンテーション技法や、マーケティングという観点での検討もスキルも物足りない感じは否めない。

ターゲット選定・告知方法・開催日時設定も、参加者の立場でなく、自分たちの都合の方が多いようだ。

残念ながら、組織運営・経営という観点では“素人”そのものしか思えない方が多すぎる。


社会問題をビジネス化するには、社会をより良くしたいと思う「強い志」が大切で、社会のさまざまな課題に対して当事者意識をもつ必要があるのは当然のこと。

ただ、この“志”や“想い”がどんなに強くても、財政基盤が不安定であると長続きしない。

一人の力では社会課題を解決することは難しく、課題解決の重要性やより良い社会になるイメージをより多くの人たちに伝え、人を巻き込む力が大切。
それには“資金”というものは必要だ。


あらゆる知識やスキルを自分一人で習得していくという“心意気”はいいことだが、時間がかかりすぎて現実的でない。

自分の“志”や“想い”を実現したいのであれば、

【餅屋は餅屋】と【シェアリングエコノミー】という考え方を理解して欲しい。

例えると、社会起業家がオーケストラでいうのコンダクターとなって、メンバーは、「それぞれの専門分野」を更に“深く”“広く”マスターすることに特化して最高のパフォーマンスを目指し、さらに各分野の専門家なども巻き込んで、社会課題を組織・チームとして解決していくべき。


社会から感謝されない仕事は、評価されることは少ない。

報酬も「感謝」が前提となっているといってもいい。

こういった感覚は大抵の人が持っているはずだが、日々の業務に追われて、その感覚が薄れることもある。


社会起業家が行う事業のことは【社会事業】、経営する企業は【社会的企業】と呼ばれている。

【社会事業】の要件は、さまざまな社会課題を市場としてとらえ、その解決を目的とする事業で、

「社会性」「事業性」「革新性」

の3つの要件から成り立っている。


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