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“バイアス” “認知的不協和” そして “ファクト(事実)”

昨今のビジネスシーンで【バイアス】という言葉を耳にする機会が増えてきた。

【バイアス】とは?

英単語の『bias』から来ているカタカナ語。

『bias』=傾向・先入観・偏見

カタカナ語として
「先入観、偏見」を意味することで使われていることが多い。

“良い意味”ではあまり使われていない感じだ。

また、【バイアス】は、

「斜めに切った布地」
「トランジスタなどにあらかじめ電流を流しておくこと」

などといった意味もある。


危機管理下でのリーダーは、各種【バイアス】が働いた“情報”では、正しい“決断”ができない。

クライシスマネジメントは、この【バイアス】を排除して、“ファクト(事実)”を冷静に見極める能力が必要だ。

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【認知バイアス】

自分の常識(偏見)・周囲の環境・多数派の意見などによって生み出される認知の偏り。
非合理的・感情的な判断の原因となる認知や“偏り”や“歪み”。

【確証バイアス】


自分の仮説・信念(思い込み)を支持する証拠(材料)ばかりに注意が向かって、自分の仮説・信念を否定する証拠(不都合の真実)を無意識的に無視してしまう認知の偏り。

【正常性バイアス】


深刻な事態でも、それを異常事態と受け止めずに“正常範囲”のことのように軽くとらえる心理。

【後知恵バイアス】

本当な何の予測もしていなかったのに、何か起こったことを事前から予測可能だったと思い込む傾向。

【自己奉仕バイアス】


成功した時は、自分自身の能力で、失敗した時は、自分ではどうしょうもない外的要因によることだと思い込む傾向。

【感情バイアス】


不快な情報を認めず、肯定的な情報ばかり信用する傾向。

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<認知的不協和理論>


自分の持っている価値観と矛盾する “新しい認知(事柄)” と出会った場合に、“不快感”を抱える心理現象。

【すっぱい葡萄の理論】


イソップ童話の『狐と葡萄という物語』を心理学者フロイトが引用した理論。

キツネが、美味しそうな葡萄を見つけ食べようとして跳び上がるが、葡萄は高い所にあり、手が届かない。

何度跳んでも届かないので、

「どうせこんな葡萄は、すっぱくて不味い。誰が食べてやるか。」

と怒りと悔しさで“捨て台詞”を吐いて取るのを諦めるという話。

「手に入らなかったものの魅力を軽減させて自分を納得させること」


【甘いレモンの理論】


【甘いレモンの理論】は【すっぱい葡萄の理論】の真逆の理論と言ってもいいだろう。

ミカンなど甘い果物が手に入らずレモンだけが手に入ったという状況で、

「このレモンは甘い」

と思い込もうとすること。

「手に入ったものの魅力を加重させて自分を納得させること」


思考と行動の矛盾から生じる不快感を解消するため、「辻褄合わせ」をしようとする人間の心理的傾向を説明するのが、認知的不協和理論

例えば、今話題の『日本学術会議』に関しての双方意見の食い違いは、各種【バイアス】と【認知的不協和】が入り混じっていて、そこに“反対すること”が大好きな外野が乱入してくるので収拾がつかない“アリ地獄”化していっている気がする。

登場人物の多くが【学はあるけどバカはバカ】で【地位や権力大好き】なのでタチが悪い。

そして間違っていても

「ごめんなさい。」

と頭を下げることができないから厄介だ。

一旦双方ともに冷静になって、“ファクト(事実)”に基づいて仕切り直ししない限り、簡単には解決するとは思えない。


≪ ボブ・ディランの名言 ≫

When it’s in your position, you’re right. When it’s in my position, I’m right.

君の立場になれば君が正しい。僕の立場になれば僕が正しい。


Though I laid eyes on the one mistaken for a lowest criminal, and noticed that being wrong, we’re the people who look away from there.

最低の犯罪者とは、間違ったものを目にし、それが間違っていることに気付いたにもかかわらず、そこから目を背けてしまう人たちだ。



この“学術会議”に関する議論は、各種【バイアス】や【認知的不協和】といった心理現象を整理する機会になってよかった。

そして、

【 こんな格好悪い大人になりたくない 】

という“ファクト(事実)”を伝えてくれている意義は大きい。


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