分かり合えない時には “シンガポール・プリンシパル”
『シンガポール・プリンシパル』という言葉をご存じだろうか?
私は、有名マーケター:足立 光著【「劇薬」の仕事術】で知った。
シンガポールには、“ツバや痰を吐く”や“鳥への餌やり”などの場合の罰金制度がある。
これはシンガポール生活でのルールにおいて
① 我慢する
② ルールを変える
③ 出て行く
の3つしか選択肢がないという考え方だ。
この『シンガポール・プリンシパル』を知ってから、私の考え方は大幅に変わった。
自分でコントロールできたり、自分のアクションによって変えることができるのならば“熟考”すべき。
どうやっても自分で変えることが出来ないルール等は、上記①②③の選択肢しかないのだから考えこむ必要はない。
【自分にコントロールできないことを、いくら考えても“時間の無駄”でしかない。】
ビジネスの現場においては、
【 お互いに“わかり合えていないこと”を認める 】ことから始めなければならない。
対話を通じて、「価値観や意見が違う」ことがわかることが大切だ。
“他人の意識”は“自分の意識”とは違う。
思っていること、望んでいること、望んでいないことなどは、言葉だけでなく、身振り手振り、表や図を見せるなどしながら相手に伝える努力をする。
声の強弱、顔の表情も、意思伝達の重要な要素だ。
【“言葉”が違う】ことによる“すれ違い”はわかりやすい。
しかし、同じ“言葉”でも、その“言葉”に対する解釈は人によって違う。
この解釈の違いによっての“すれ違い”の方が多く、ヒューマンエラーの原因となっている場合が多い。
“これから創造する仕組み” “新しく提供するサービス” “従来の概念にはない取組”などの【形をもたないもの】に対する認識が最初から一致することなどあり得ない。
この認識の違いを少しでも近づけられる具体的な方法を見つけ出さないければ、新規ビジネス展開は上手くいかない。
リモートワークが主流になると、
「“考え”を言葉にする」
「その言葉の“定義”を明確に共有する」
という作業がますます重要となる。
『この仕事は目的達成に向けての、このプロセスだ。』
『何の為に行っているのか?他にどんな影響がでるのか?』
といった“そもそも論”を言葉で説明しなければならない。
そして、昨今の若者中心に使われている【大丈夫です】に代表される“曖昧”表現は、
言葉の“定義”をしておかないと、詳細を無視して、自分なりの解釈で業務遂行されると取り返しのつかない“ヒューマンエラー”“になりかねない。
“曖昧”では安全性は担保できない。
“当たり前”を疑え
私にとって“当たり前”と思っていたことが、他人にとっての“当たり前”でないことがある。
「え?今、これをやっちゃ絶対ダメでしょう。気が付かなかったの?」
と思うことが、何の悪気なく平然と行われる。
事実発覚後、“言葉”の定義の再確認と“当たり前”の擦り合わせということをやって理解できた。
【その人にはその行為をおかしいと判断できる材料を持ち合わせがなかった】
ということだ。
いくら言って聞かせても、本人は「間違っている」と思っていないので、理解させることは難しく、今後、改善するということは期待できない。
一緒にビジネスを行うには、安心して任せられないし、私が我慢できない。。
『シンガポール・プリンシパル』の考え方に基づいて決断した。
このプロジェクトから、【私が“出て行く”】 という選択肢を選ぶことにした。
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