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光画家 : 清水 卓巳 さん

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「ハイフニスト」という考え方をご存知だろうか?

肩書きをハイフンでつなげた人のことを指す。

例えば「”経営者”ー”写真家”」という具合で、従来の本業と思われているものとは別に、趣味の世界でもいいし、仕事の分野でもいいので、プロフェッショナルなものを持っている人のことである。

この「ハイフニスト」というフレーズは、資生堂名誉会長の福原義春氏が言い出したもので、考え方はシンプルなものである。

「二つのことを人生でやっていくほうが成功する」

「片方がスランプのとき、もう片方が自分を支えてくれる。どのような道であっても極めれば極めるほど同じ場所に行き着く、一体化するからだ。」 

と語っている。

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今回は、正にこの 「ハイフニスト」を実践している”光画家”: 清水卓巳 氏を取り上げる。

お堅い業種の代表的な保険代理店の経営者ではあるが、こだわりも持ったファッショニスタでもある。

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「Don’t Think Just Shoot」 考えるな!とにかく撮りまくれ!!

をモットーに自由に撮影しているロモグラファーだ。

柔らかい語りで【肩に力が入っていない経営論】から、加圧トレーニングでストイックなまでに自分を鍛えまくるという、多くの顔を持っている情報敏感人間だ。

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ロモグラフィー(Lomography)とは、オーストリアの企業ロモグラーフィシェ株式会社の通称であり、同社の登録商標。

またロモカメラで撮られた写真のことも”ロモグラフィー”と呼び、ロモカメラの愛好家を”ロモグラファー”と呼ぶ。

スマホやデジカメで撮影するデジタル写真とは違い、撮り直しや編集ができない一発勝負であることと、できあがりが荒いアナログ感を楽しめるという点。

実際に印刷された写真として1枚だけ残るだけというものである。

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写真は、美しいもの、忘れたくない、その一瞬の出来事や思い出までも切り取ることができる。

うまく撮れなかったときや、思ってたのと違う写真ができあがることは多いと思う。

現在のデジタル社会において、あえてフィルム写真に拘っているのは、

「どう撮ろうかと考えるよりも、思い立ったらとりあえず撮影する。」

「失敗した写真ですら楽しんでしまおう。とにかく難しいことはぬきにして、ひたすら写真を楽しみながら撮ればいい」

という考え方だ。

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清水氏は柔らかい口調で語り出した。

『スマホやデジカメで綺麗な写真を撮れる人は大勢いる。修正もできるし一般大衆ウケされる。ただ、個性がないんだよ。

『親父が有名な写真家で、息子の自分が言うのも可笑しいけど“巨匠”なんだ。親父の影響で写真を始めたんだけど、“自分らしさとこだわり”が必要ってのを見聞きしながら自然に学んでいたんだろうね。』

話してくれるエピソードには、それぞれ内容に重みがあり、共感できる部分が多い。

『会社経営も俺自身の“ビジョン”はあるけど、それを保険会社の担当者に言わなきゃいけないか?
【じゃあ、まずお前のビジョンを語れよ】
って言いたくなるね(笑)』

Colorhythm Risaさんを撮影した作品>

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清水氏の作品は、日本ならではのストリートスナップや、自然や風景をきりとったミュージックPVのワンシーンのようだ。

独特の感性に基づくアナログならではの撮影技法によって独創的な作品を制作している。

特に「多重露光」(重ね撮り)を用いた作品は彼の代名詞的な作風のひとつ。

流し撮りテクニック(低速で速い動きの写真を作り出す方法)によって、モノだけにフォーカスされぼやけた背景になる。このテクニックは、低速シャッタースピードと ”直感” と ”体の動き” が必要だそうだ。

ロモグラフィーアナログ用語集**


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清水氏との会食はいつも時がたつのを忘れてしまうほど、お洒落で楽しい時間だ。(昨今は、zoomでオンライン飲み会を開催している。)

「【個性を大切に】【自由に】って言いながら、実は異端、異質、目立つ存在を認めない傾向が世の中に溢れてない?」

「若い頃、ファッション関係の仕事してたからなぁ?”こだわり”って絶対に必要だと思うな。」

「【 思いっきり働いて、一生懸命に遊ぶ 】って感じでいいんじゃない?」


「これからは、飲み会ってオンラインでいいよね。でも、意外と”飲みすぎ”ちゃうんだよ(笑)」


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清水氏の作品を観ると

”こうじゃなきゃいけない”ということはない。

という思いになる。

デジタル化の時代に、アナログの良さに拘りながら、双方の”良い部分”をバランスよく使っていこう!というメッセージが込められている気がする。


同じ価値基準の人たちだけで、同じ解釈をして、進んでいくのではなく、
「こういう見方もあるんじゃないの?」と言う人がいてこそ、組織も社会も活性化していくものだ。

これからの時代は、清水氏のような、個性をもった「ハイフニスト」が主流になって社会を引っ張っていって欲しいと思う。

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本当のプロフェッショナルは、その分野のことしか分からない人のことではなく、その仕事を通じてトータルに人間性を感じさせる人のことだろう。

清水卓巳 氏 Instagram

 

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