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チームスポーツで考えるDX推進に大切なこと

昨今は 「デジタル・トランスフォーメーション(DX)はバズワード」と思えるほど 毎日のように見聞きします

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鳴り物入りで国民にインストールを訴えていた 感染接触アプリ というものがありましたが 今は 誰か使っているのでしょうか? 

私は全く使用していません せめて 3回目ワクチン接種証明にでもなるのならまだしも『無用の長物』としか思えませんが、、、

日本型経営企業において DX推進に大切なことを チームスポーツで考えてみます

DXで新規事業をやろう?


デジタルの活用によって クリエイティブなものが 自動的に出てくることはありません

DXによって ルーティン・ワークなどを効率化することによって クリエイティブ業務への時間を創出するということはあるでしょう

「DXで新規事業を!」と言っている企業は 既存事業の改善や高度化の『持続的イノベーション』を指しているのでは?


DXは 魔法の杖 ではありません



野球型組織でDXが進まない傾向と対策


プロ・スポーツの監督は 元選手の場合が多いのです

『名選手 名監督にあらず』という言葉があるように 自分自身がプレーヤーだったので 現場感覚は分かるものの 

名選手だからこそ出来る自分独自のノウハウ(『暗黙知』)を 簡単に若い現役プレーヤーに伝える(『形式知』)のは簡単ではないということを意味しています

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【野球型企業】

「エースで4番バッター兼監督」=「俺はジャイアン!ガキ大将」型企業

中小企業に多い 創業者社長 の言動に全てが左右される企業


『DX』は何かのツール と思っていて 最新鋭機種として『スピードガン』を導入して「これが我が社のDX」と思っているかもしれません(笑)


「●●君 最近ネットでもDXが どうのこうの と見かけるので 何か役立ちそうなツールを見つけてくれ。そしてDX関連本を数冊買ってきて内容をまとめておいてくれ」

他社事例にヒントはあったとしても 他社の”猿真似”したことろで何も解決しません


果たして この段階で 社長に対して物申せる人がいるでしょうか?

社長に対して 社内外問わず「物申す」ことが出来る存在の人がいない限りは DXは簡単に進みません


<社長に最低限理解してもらわなければならないこと>

① DXは既存領域の磨き込みからなので「断捨離」は不可欠
② DXで何を実現したいのか? 『何を使うか』ではなく『何に使うか?』 


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バスケットボール型組織でのリーダーシップ


多くの中小企業が『バスケットボール型』組織と考えらえます


攻守の切り替えが早く 同じ選手が何度も交代することができ 3ポイントラインの外側からのゴールは3点、3ポイントラインの内側からのゴールは2点、フリースローでのゴールは1点 と点数の入り方も違っています

バスケットボールは ゲーム・プレーヤーは5人 ベンチ入りは「NBA」はベンチメンバーが13人、日本の「Bリーグ」では10~12人

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東京オリンピックでの 女性日本代表バスケットボール・チームを思い出してください


「個に依存せず」組織で戦う 


スーパースター的存在がいるのではなく 毎試合毎に「活躍するプレーヤーが変わる」という 快進撃を遂げるチームにはある特徴があったと思います

ここで言えるのは

「個に依存しない」ことが 逆に「個を活かす」ことになって 強いチームを作り上げてきた


【監督】⇔【コーチ】⇔ (【キャプテン】⇔【プレーヤー】)

情報が 迅速かつ正確に伝わっていかなければなりません

変なバイアスは不要です



【キャプテン】=【中間管理職】は


『トランスフォーメーショナル・リーダーシップ』

『明確にビジョンを掲げて自社・自組織の仕事の魅力を部下に伝え、部下を啓蒙し、新しいことを推奨し、部下の学習や成長を重視する』


プレーヤー(ベンチ入り全員)は


『シェアード・リーダーシップ』

メンバー一人ひとりが自律的にリーダーのように振舞う


この動き必要です


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サッカー日本代表で考えるプロジェクトの進め方


今の日本代表メンバーは 欧州クラブチームで活躍しているプレーヤー中心で構成されていたチームで ひとつの目標達成にために “個の力”を集めたチームです

招集されたメンバーは 実力も実績もある”プライド高き”人たちでしょう

こんなメンバーに短期間で 戦略・戦術を理解してもらって プレーヤーに実行してもらうのが 監督の手腕が試されるところです


ビジネス・シーンでは ある目的達成に結成されたプロジェクト・チーム とお考え下さい


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サッカーはバスケットボールと比べると プレー人数も11人と多く 広いピッチで行われ 選手の役割がハッキリしています

前線:FW 中央:MF 最終ライン:DF 

といっても バスケットボールと同じで 全員攻撃であり 全員守備でなければならないのが 現代サッカーです


現在の日本代表のキャプテンは DFの吉田麻也選手

攻撃の起点は「絶対にこの選手」ということはなく 若手からベテランまでが連携して「活躍するプレーヤーが変わる」という状況になっていったのでカタールW杯(2022年)の出場権を獲得できたのでしょう


「終わり良ければ総て良し」ですが アジア予選中には 何度も『森保監督更迭論』がネット上では繰り広げられました


『絶対に負けられない闘い』における監督や選手には それだけの「責任」と「覚悟」が求められます


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ドーハの悲劇~ジョホールバルの歓喜 の中心メンバー 

キング・カズこと”三浦 知良”選手 

日本として初めてW杯に出場する フランスW杯のメンバー最終選考で 落選しましたことがありました


私の個人的見解ですが 

● キング・カズ は岡田監督が描く戦術に上手く当てはまらなかった
● ベンチを温めるだけのキング・カズはチームにいい影響をもたらさない

と考えたので 現場の指揮官として【全体最適】を考えた上で キング・カズが最終的にメンバーから外すという “大決断” をしたんだと思います



チーム・スポーツで学べることは


“仕事の領分の明確化” 
”責任と裁量は常に表裏一体の関係ある”


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ゲームは プレーヤー が行います 

監督やコーチが プレーしているのではありません


プレーヤーは 個の力 を自分で磨き上げることが使命で


監督やコーチは プレーヤーのモチベーションを高めて 最高もパフォーマンスを引き出す 環境作りを行う 

覚悟と決断 そして 責任


痛みを伴わない改革なんて有り得ません


組織としての【全体最適】には 大胆な人事異動も必要なんです



ITリテラシーによる組織内格差


従業員= プレーヤー = Z世代・α世代(1995以降生まれ)

物心ついた時からスマホが当たり前だった(ガラケーを使ったことがない)


中間管理職= キャプテン = Y世代(1980 – 95 年ごろの生まれ)

10代頃からインターネット環境が整い始め、物心ついた時にはすでにインターネット上で買い物をすることが『当たり前』になっていた世代


経営陣(役員)= 監督&コーチ = X世代(1965 – 80 年ごろの生まれ)

“インターネットの一般家庭普及”と共に成長し、財力がつきだした頃にガラケーを手にした世代


オーナー(社長)= ベビーブーム世代(1945 – 64 年ごろの生まれ)

人口急増現象~高度経済成長~バブル経済期真っ只中を生きてきて 固定電話~ポケベル~ガラケーの アナログ・電話依存症世代


同一組織内メンバー間で ITリテラシーの格差が存在しているのは事実です

これは【日本の教育体制】に大きな問題もあって 社内教育・リカレント教育の変革は急務です


<この150年で5回しか行われていない日本の教育改革>

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企業の変革を妨げるものを排除


やって失敗したら責任を問われるが 上司の指示にないことを やらなければ責任は問われない

『決めない』『遅い』『先送り』~前例踏襲主義~時期尚早
『オーバー・アナリシス』~やらないアリバイ作り~自己保身
『官僚主義』~『曖昧さの尊重』~『同調圧力』~『空気という妖怪』

こんな 旧態依然とした体制や人材は必要ありません



DXの真髄は?

新しい働き方 生き方 稼ぎ方 の実現に向けての 既存領域の磨き上げ


覚悟は自分にとっての「不」を受け入れること

【快、便利、好都合、利益、確実】ばかりを選ぼうとするのではなくて 【不快、不便、不都合、不利益、不確実】といったことを受け入れること

覚悟は他者の「不」を取り除くこと



DX推進の秘策は?


社長および経営陣が 本気 になること
中間管理職が キャプテンとして ゲーム・メイクすること
プレーヤー(従業員)のシェアード・リーダーシップ


DXをメインカルチャーにした 大胆な 人事制度変革


そして バスケットボールやサッカーの日本代表チームのように

外部の企業と連携しての オープン・イノベーション・プロジェクト導入


プレー出来るプレーヤーを信じての『権限移譲』

その責任は経営陣がとる 覚悟と決断

そして『責任の所在』が 明確・明瞭になった 見える化


「言うは易く行うは難し」ですが

固定観念・既成概念をぶっ壊し 当たり前を疑う

社長・経営陣・中間管理職の 自己変革 は必要不可欠です





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