コミュニケーションは “分かり合えない” がスタートライン! 厄介なのは【ダブルバインド】上司
「分かり合う」とは?
互いに理解しあう、認め合う様 を意味する表現。
“コミュニケーション能力”とは?
「他者と意思疎通を上手に図る能力」
“コミュニケーションスキル”とは?
人と人の間で意思疎通をとる方法・手法・テクニックを理論付けし、検証を行う技術または知識。
“分かり合える”が前提の愚かな組織
サラリーマン時代の話。
会議の冒頭に部長が
「組織運営は、メンバー間の意思疎通が上手くいき、互いによく理解し合えなければならない。」
「“わからなさ”は業務遂行上の“阻害要因”。コミュニケーション能力アップが必要です。」
いつものことながら、何一つ具体的は方法論についての話はなく、ボヤーっとしていて
「で?何をしろと言ってるのか?」
まったく分からない。
組織に問題があることは職場のみんなが感じているが、課長からも具体的な方法論も示されないで、時間だけがすぎていき、メンバーは「誰かがなんとかしてくれるだろう」と勝手に問題を棚上げして、見て見ぬふりになっていく。
組織においての“コミュニケーション能力”は?
「“目標達成”のために他者を巻き込む、変える、動かす力」
と定義した方が分かりやすいだろう。
「きちんと意見が言える」「人の話が聞ける」対話を通じて共に同じ目的地に向かうことだ。
当然のことではあるが、100%“分かり合える”なんて有り得ない。
しかし組織には
「“同調圧力”派 VS “異文化理解”派」
という対立構造が存在する。
組織には「空気を読む」というのが“コミュニケーション能力”の重要な柱のひとつなので?(笑)
「きちんと意見は言わない」「周りに合わせる」という “同調圧力”派 が多数なので “異文化理解”派 は排除される。
コミュニケーションは“分かり合えていない”ことを認めて、新しい関係性構築にむけた“対話”によって、その溝を埋めていかなければならないだが、ここでのコミュニケーションは“分かりあえること”を大前提としているのが大間違い。
益々ややこしくする【ダブルバインド】上司
「命令に従わないと文句を言い、自分で判断できないと文句を言う」
【ダブルバインド】とは?
日本語訳で「二重拘束」。二つの矛盾した命令をすることで、相手の精神にストレスがかかるコミュニケーションの状態。
「自主性を重んじるので自分の判断でやってくれ!いちいち相談に来ることは無い!」
失敗すると?
「なんで事前に相談に来ないんだ。だから失敗するんだ。」
この【ダブルバインド】上司は、自己保身・責任転嫁型の出世大好き“忖度”人間なので、自分がトップに立っている組織(課とかチーム)において、モラルハラスメントやパワーハラスメントを招きやすい。
これで部下は、“諦め”と“迎合”と“損得”によって【見ざる聞かざる言わざる】を演じる。
どう考えても“分かり合えてる”状態とは程遠い。
この状態では“イノベーション”が生まれるはずがない。
「自分の事を分かってもらいたい」は自分勝手?
誰もが本能的に「自分の事を分かってもらいたい」という欲求を持っている。
相手から理解されない言動に、大きく傷付いたり、怒りや憎しみが生じたりしてしまう。
自分にとって親密である家族や恋人や親友ですら、時には“分かり合えない”ことがあって、口論したりケンカになったりする。
「何も言わなくてもお互いの気持ちが分かる」
「最低限の会話で分かり合える」
なんて詭弁。
どんなに深い仲であっても、他人は他人。
相手の気持ちを100%理解する事など不可能。
最初から「人は分かり合えないもの」という正しい前提に立って考えていった方が健全。
自分の気持ちを分かってもらうためには、相手に「伝える」しかない。
しかし、誠心誠意説明しても、相手が聞く耳を持っていないのなら根本的な解決法はない。
理解しようとするかしないかは相手の問題。
強制的に理解させようとする事は不可能。
人事権という最強武器の怖さ
メンバーシップ型雇用の日本型経営企業は、“分かり合える”を前提にしてしまうので、強制的に理解させようとする【ダブルバインド】上司が横行してしまう。
人事権という最大の武器を持っているから(笑)
それで、部下は「意見しても損するだけ」という思いになって『見猿 聞か猿 言わ猿』化していく。
“同調圧力”をかける奴も気持ち悪いが、その“同調圧力”に従っていく奴の方がもっと気持ち悪い。
残念ながら、この“同調圧力”派は圧倒的多数なので、“異文化理解”派は、異端者として“村八分”になる理由がお分かり頂けるはず。
コミュニケーションは “分かり合えない” がスタートライン!
これを理解できない限り、
【ダブルバインド】上司は量産されていき、組織は崩壊の道を突き進む。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?