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正義と信じて “なんちゃってダイバーシティ” を行っている企業は気持ち悪い

『女性管理職比率数値目標を具体的に掲げ、社内登用だけでは足りない部分を積極的に外部から採用します。』

『これから深刻化する人手不足の「救世主」として期待されるは高齢者人材です。』

と企業スローガンに掲げている企業は、なぜか?“胡散臭い”と感じてしまう。


なんちゃって“ダイバーシティ”の気持ち悪さ


日本企業の多くが、男性の正社員を前提とした“就業規則”“会社のルール”が設定されていた。

定時に出社し、フルタイムで働き、残業をするのが当たり前でそれが美徳で、女性は結婚や育児で退職する前提で採用して、事務職や男性の補助的な仕事に従事する人が大多数だった。

こんな現状打破と少子高齢化による労働者不足もあって、政府は“女性の活躍推進”を声高に訴え出したのだろう。


企業が“ダイバーシティ”に取り組むそもそもの目的は?


個々の力が最大限に発揮されることで、より良い結果に結びつけること。

多様な人材が協力をして多様な視点から生産性を高めていくこと。

『有能な人材の発掘』 『斬新なアイデアの喚起』 『社会の多様ニーズ』 への対応。


“ダイバーシティ”とは、性別・人種・年齢・学歴といったカテゴリーでくくった多様性ではなく、・一人一人が違うことを認め合い、協力して豊かな創造性を生むことのできること。



すなわち個人を尊重することだ。


『政府が推奨しているので』
『社会的な常識なので』

といった“なんちゃって”理由で目標に掲げている企業は「ちょっと違うんじゃないの?」としか思えない。

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“高年齢者雇用安定法”の改正のポイントは?


2021年3年4月からの“高年齢者雇用安定法”が改正のポイントは、以下の2つ。

● 60歳未満の定年を禁止する
● 65歳までは「高年齢者雇用確保措置」を講じる

つまり、企業は従業員が65歳に達するまで、基本的に何らかの形で雇用を継続させる義務が生じる。

定年年齢を65歳未満と定める企業は、以下の3つ選択肢からいずれかの措置を講じなければならない。

① 定年年齢を65歳まで引き上げる
② 希望者に対し、65歳までの継続雇用制度を導入
③ 定年制を廃止する


私には、この改定が労使双方にとって“プラス要因”が思い浮かばない。

現状の65歳まで再雇用制度企業で、処遇低下や役割変化でモチベーションが下がったシニア社員の社内貢献度が高いだろうか?

絶対に高くない。働かないシニア社員と若手社員の軋轢は“マイナス要素”でしかないと思う。

これが70歳まで雇用延長するとなった場合、今までは再雇用する人の数が少なかったので対応できた会社でさえも、賃金や厚生年金の負担が増加し、従来型の人事制度では多くの問題が発生するのは明らかだ。

意識的に人材配置を変えない限り、従業員の高年齢化が組織に与える弊害だらけとしか思えない。

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代謝なくして創造なし


【老害】の本来の意味は?

「組織の指導的立場を高齢者が占め、若返りが行われない状態」

集団・組織の中心人物が高齢化しても実権を握り続ける状態のことだ。


会社経営における『新陳代謝』とは?

“事業” “業務” “組織” “人” を
【捨てる】 【やめる】 【入れ替える】


という至極当たり前のことだ。


コロナ禍の今こそ、業務棚卸を行って『無駄』を無くして、【赤字・低収益事業】から撤退し、【低生産性組織・人】を入れ替え、新たな創造にチャレンジしていく時代だ。

【新陳代謝】しなければ会社は“老化”していくだけだ。

生産性の低い “部署” “チーム”も同様に整理・統合・淘汰される。

組織再編に伴う人員整理が行われるのも“当たり前”のこと。

整理解雇を行わずに、配転、希望退職制度の実施、退職の勧奨等の方法を実施しているニュースを耳にする。

企業サイドとしては、雇用したいと思わない“余剰”人員を大量に抱えているだろう。

この“余剰”人員も、性別・人種・年齢・学歴・社歴といったカテゴリーでくくれるものではない。

従業員目線で考えると、自分の視点で物事を考え、発言していかないと、生き残れないということだ。


同調圧力をかける側も“気持ち悪い”が、同調圧力に従う人々が“もっと気持ち悪い”


従来の日本ムラ社会企業は、「周囲の空気を読むこと」「同質的であること」が大事にされて、それが“強み”とさえ言われてきた感がある。

そんな企業風土がある中に、多様な人材を採用したとしたら

「空気の読めない奴が入ってきた」

「何も分かっていない新参者が意見するとは“けしからん”」

といった“不協和音”が生まれるだけ。


性別・人種・年齢・学歴・社歴といったカテゴリーで考えのでなく、もっと個人の能力に目を向け、その人が持っている能力を最大限に生かせる“仕組み作り” “組織作り”を考えていかないと “なんちゃって”にすぎない。


『女性活躍推進法』には、企業が常時雇用している労働者の人数によって義務付けられているものの、罰則は規定されていない。

『高年齢者雇用安定法』は、努力目標ではなく、義務として課せられているので、高年齢者雇用確保措置の対策を行っていない企業は法律違反となる。

枠組みは必要だと思うが、枠組みがなければ実行出来ない企業は“気持ち悪い”。

この枠組みに従うことが“正義”と信じて、企業実態に合っていないにも関わらず同調圧力をかける経営サイドは“もっと気持ち悪い”。


私は日本企業の【創造性】が劣っているのではなく、【代謝】が不十分なので、停滞していると考えている。

テクノロジーの進展によって、AIやロボットに出来る仕事は移して

『人間がやるべきことは何か?』
『人間にしか出来ないものは何か?』

を改めて考え直して、“個の力”を最大限に発揮できる適材適所への人員配置ではないだろうか?


本質において一致 行動においては自由 全てにおいて信頼


私は、専門家・コンサルタントのコミュニティを運営しているが、男性だから、女性だから、中高年だから、若者だから、といった基準でビジネス相手を選んだことはない。

労使関係のような“ヒエラルキー”縦組織ではないフラットな“ボランタリーチェーン”的コミュニティなので、“個の力”が基準だ。

~ 本質において一致 行動においては自由 全てにおいて信頼 ~

これがコミュニティの大原則だ。


今までの経験で、『人を見誤り』『人を見抜けない』という自分の無能さから、何度も失敗してきたので、3カ月ほど私なりの様々な方法で【“本質”が一致できるか?】をマンウォッチングしながら確認した上で、コミュニティへの参加をお願いすることにしている。

あえて【参加をお願いしない基準】を箇条書きすると

① とにかく自分の話がしたい

② 相手の話に興味がない

③ 都合のいいようにすすめたい

④ 自分が正しいと思っている

⑤ 相手のことを軽んじている

⑥ 共感能力が低い

⑦ 過去の成功体験から離れられない


自分は特別な存在だと言う過剰な自信を持っている人 

自分のことを認めてもらいたいと言う欲求が強い人



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