“オープンイノベーション”が中小企業の生き残り策(その6) ~“よそ者”は“よそ者”でなければならない~
イノベーションの源泉の1つは「“知”と“知”の組み合せ」である。
自社の既存のビジネスモデルという「“知”」に、“よそ者”が別事業で使っていた「別の“知”」を組み合わせて、新しいビジネスモデルや商品・サービスを生み出すのが手っ取り早いはずだ。
しかし、企業にはそれぞれの企業文化・風土があって“よそ者”が簡単に入り込めるものでない【空気】が存在している。
この【空気】によって、組織・チーム・職場の“モチベーション”を左右される。
ここで経営者が陥りがちな“やってはいけない事例”
メイバンクなどの金融機関出身者の“よそ者”オッサンを受け入れて、反って社内の【空気】が悪くなってしまう事例は多い。
“よそ者”が、顧問や相談役といった社内ポストについた瞬間に、経営者と“よそ者”の関係は他社員と同じ“上下関係”となる。
他社員にとって“よそ者”オッサンは、同じ社内の人で“同僚”にすぎない。
他社員の立場になって考えたら簡単なこと。
突然やってきた老齢化した“同僚”が、現場の実態も知らないのに、高給取りで偉そうだったら、成果が出ない限り、協力するはずがない。
ここで【(その5) ~経営者と“よそ者”の関係性~】に書いた
経営者は“よそ者”の関係性を思い出して欲しい。
● お互いの“強み”を尊重して“弱み”を補える共存関係にならなければならない。
● 同じ目的に向かって、それぞれが自発的に行動できる“対等な関係”であること
この関係性だけは、維持しなければならない。
イノベーションの主役は社員であって、“よそ者”は“キッカケ作り”を行う“指南役”にすぎない。
“よそ者”が社員に受け入れられなければ、絶対に失敗する。
経営者は、それが分かったら、即刻“よそ者”を辞めさせなければならない。
それ故に 『“よそ者”は“よそ者”の立場で、業務委託契約の“成功報酬型”』のコンサルタントを選ぶべきだ。
パフォーマンスがいまひとつという厳しい現実
は、動かせない事実なのだから、原因が何であれ、それは“よそ者”の能力の無さ。
愚かな“よそ者”は、その事実を認めたくないので、自分を正当化するため、周囲をこき下ろすしかなくなる。
他己評価を聞かずに自己評価だけで自分を良く見せてしまうようになった“邪魔者”になっている。
“モチベーション”とは動機を意味する言葉。
動機とは?
1 人が意志を決めたり、行動を起こしたりする直接の原因。
2 心理学で、人間や動物に行動を引き起こし、その行動に持続性を与える内的原因。
3 倫理学で、行為をなすべく意志する際、その意志を規定する根拠。
人が何らかのアクションを起こす際の要因となるものを指す言葉だ。
人は、何か目的・目標とするものがあって、それに向かって行動を起こしている のだから、
逆に、目的・目標が無いものに対して、“モチベーション”は起こらないと言える。
人は『何のために』という意味がわからなければ、頑張ることはできない。
そして『何処に向かって』という方向性が理解できなければ、頑張れない。
『何のために』 頑張るかを明らかにするのが 【ミッション】
『何処に向かって』 頑張るかを明らかにするのが 【ビジョン】
『何を大切にしたいのか?しなければならないのか?』 という“共通の価値観”が 【 バリュー 】
コロナ禍の今は、自社の“存在意義”と“未来の姿”と“共通の価値観”を、社員が改めて考え直す良い機会だ。
人というものは、基本的に、自分を実力以上に高く評価しがちなので、自己評価と他己評価の乖離が生まれる。
他己評価は、客観的に自分は
① どんな感じで見えているのか?
② 強みと弱みは何と見ているのか?
会社・組織・チームも同じで、この2点を認めなければ問題点は見えてこない。
“自社の現状認識”した上で、“危機管理”の考え方を浸透させて、力強い組織・仕組み作りがスタートできる。
社員の気持ちの盛り上がりを感じた時に、間髪おかずに、
経営者は社員に向けて
【ミッション】 【ビジョン】 【バリュー】を語り、今後の方向性を発表する。
そして“具体的な改革施策”の説明に繋げていく。
“オープンイノベーション”は?
『自社や組織内にとどまらず、他社や異業種の企業・個人と連携をはかり、自社だけでは生み出せない価値を生み出し、自社の業績や社会に貢献すること』
自社社員だけではイノベーションできないので、“よそ者”の“オープンイノベーション“の道を選んだはず。
“よそ者”が社員となった途端に、“よそ者”は“よそ者”ではなくなる。
ここは肝のひとつ。
経営者は”クール”でなければならない。
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