見出し画像

『建設人材キャリア応援プロジェクト』の裏側を覗く~資格取得によって広がる可能性とは~

トライトのグループ会社である株式会社トライトエンジニアリングでは、スーパーゼネコン・大手ゼネコンを中心とした全国各地の取引先が担う建設現場に、施工管理を行う技術者(現場監督)の人材派遣・人材紹介事業を行っています。
 
今回ご紹介するのは、リスキリングによる建設人材の育成・輩出への貢献を目指す『建設人材キャリア応援プロジェクト』についてです。また、建設業界の就業において資格取得の意味合いや、取得により広がる可能性について、note編集部の鈴木がトライトエンジニアリングのメンバーに話を伺いました。



1.建設業界の現状

建設業界の就業者数は、2022年時点で平均479万人となり、ピーク時の1997年の平均685万人と比べ、約200万人減少しています※。この背景には、少子化による労働人口の減少や従事者の高齢化、いわゆる3K(きつい・きたない・危険)と呼ばれる業界イメージによって入職者の確保が難しいことなどが挙げられます。
また、2024年4月から建設業にも適用となった残業時間の上限規制により、人手不足は一段と深刻化しており、人材確保や人材定着に向けた対策がより一層必要となっているのです。
※参照:「建設業をめぐる現状と課題」国土交通省


* 時間外労働の上限規制 *
時間外労働の上限規制とは、「月45時間・年間360時間」と定められた時間外労働の上限のことで、2019年4月から大企業、2020年4月から中小企業、と順次施行されました。建設業では2024年3月まで適用が猶予されていたため、建設会社は36協定を結んでいれば時間外労働の上限を超えて残業をさせても労働基準法違反にはなりませんでした。しかし、2024年4月からは建設業にも適応範囲が広がったことで、臨時的・特別な事情がない限り時間外労働の上限枠を超えた残業はできなくなりました。
・参照:「建設業 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」厚生労働省



2.『建設人材キャリア応援プロジェクト』とは?

本プロジェクトは、人手不足が著しい建設業界において、リスキリングによる建設人材の育成・輩出への貢献を目指し、2024年6月3日より始動しました。eラーニングやオンライン授業を通じて、施工管理技士や建築物環境衛生管理技術者、消防設備士の資格取得が可能で、資格取得を目指すトライトエンジニアリングの技術者は誰でも受講することができます。
『建設人材キャリア応援プロジェクト』では、新しく専門チームを形成し、資格取得支援に加えて、派遣社員の中長期的なキャリアプランに向けた支援を推進しています。

▶詳しくはこちらをチェック:『建設人材キャリア応援プロジェクト』に関するプレスリリース


3.資格取得によって広がる可能性

―note編集部の鈴木が、プロジェクトの支援を行うメンバーである吉田さん、冨士原さん、須藤さんの3名に、建設業界においてリスキリングが担う役割を伺いました。
 
(鈴木)無資格・未経験でも現場の仕事に就くことは可能だと聞きました。ではなぜ『建設人材キャリア応援プロジェクト』としてリスキリングを推進しているのでしょうか?
 
(吉田)まず、資格取得によって建設業界で働く方々のキャリアアップを支援するためです。資格がなくても働くことはできますが、「正社員として働きたい」「年収を上げたい」「自分の能力を最大限発揮できる環境に転職したい」など建設業界従事者の皆さんの希望を叶えるには、どうしても資格は必要になります。また、資格があることで重要な役割を任せてもらえるなど裁量も増えるので、モチベーションの向上にもつながります。

細やかなサポートで技術者を支える吉田さん

(鈴木)働く上でモチベーションを維持していくことは重要な要素ですよね。働き手の流出を防ぐ手助けにもなりそうです。
 
(冨士原)労働人口を確保しなければならない状況ではあるものの、建設業界では資格を持っていなければできない仕事があります。このため、採用条件に資格の保持を掲げている建設会社が多く存在するのが現状です。つまり、資格取得をサポートすることは、建設従事者の就職先の可能性と、採用する建設会社の候補者の可能性の両方を広げることにつながるのです。人材派遣・人材紹介サービス業の視点から見ると、採用の選択肢が増えることで、マッチング精度の向上も期待できます。

建設現場を見ると「建物が建つのは技術者のおかげ」とやりがいを感じると話す冨士原さん

(須藤)資格取得と聞くと、若手の方が対象に思われるかもしれませんが、そうとは限りません。実際、キャリアを積まれたベテランの方から「次はこの資格を取りたいから、トライトさんでぜひサポートしてほしい」と相談をいただいたことがありました。すでに持っている資格で就業はできても、将来的に現場の第一線を退き保守点検など別の業務に就くとなれば、新たな資格が必要になるとのことでした。資格取得の支援が「建設業界で働き続ける」という選択肢の提供でもあるのだと思うと、業界にとって必要な意味のあるプロジェクトだと実感しました。

実際に足を運び、技術者との会話を欠かさない須藤さん

4.おわりに

建設業は生活する上で欠かせないインフラです。資格取得の推進によって、建設業界の方々の選択肢を広げることは、技術者と建設会社のマッチング増加や待遇の向上、そして、従事者一人一人が社会に提供する価値の最大化につながると分かりました。業界の課題解決に向けた今後の取組みに注目です!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?