見出し画像

予防保全型調査アプリで劣化によるインフラ事故を未然に防ぐ!【パナソニック株式会社|事業紹介記事】

人々の暮らしに欠かせない街路灯やカーブミラーなどの道路施設は、ほとんどの場合、自治体が管理している。しかし、その数が膨大であることや、人員不足、適切な管理ツールが不足していることなどから、職員が全てを把握するのは困難な状況だ。台風などの自然災害や経年劣化に気づくのが遅れると、最悪の場合、支柱が折れるといった事故が発生する危険性もある。

こうした自治体の課題を解決するために、電気設備の事業を展開する「パナソニック株式会社エレクトリックワークス社(以下、パナソニック)」と、インフラ設備の点検・補修・メンテナンスのDX化をサポートする「アルビト株式会社(以下、アルビト)」が協力し、誰でも簡単に社会インフラの調査と管理ができる調査アプリの開発を進めている。

トライアングルエヒメの事業として、今年度は調査アプリのベータ版を作り、愛媛県八幡浜市と新居浜市で実証実験を行う。


調査アプリ「LD-Map」

「調査アプリ」のイメージ

パナソニックとアルビトが共同で開発中の調査アプリ「Lighting Digital MAP(LD-Map)」は、“誰でも簡単に点検・調査ができるアプリ”を目指している。
新居浜市で従来行っている調査方法は、紙ベースの報告書に必要事項を記入し、現場で撮影した対象物の写真を貼り付けて課内で修理交換が必要かを検討・判断するというものだ。しかし、管理する対象物(街路灯・カーブミラー)の劣化状況を全て把握できているわけではなく、データとして一覧で確認できるツールを有していないのが現状であった。

愛媛県新居浜市で実際に使用されている紙ベースの報告書と街路灯・カーブミラーの位置を示した地図

今回開発した「LD-Map」の調査アプリを用いると、
調査対象物に到着後は、アプリのナビゲーションに沿って名称・対象物・位置情報・備考を入力し、その後、撮影するだけで、容易にデジタルデータ化できる。そのデジタルデータはパナソニックの技術により劣化レベル判定に活用される。

慣れると、1つの対象物に対してわずか2分以内で完了する。操作が容易で、効率的な点が特徴。
また、アプリを導入することで以下のようなメリットがある。

(1)  紙ベースの地図が不要
→一度登録した対象物はデジタルデータ化され、手持ちのデバイスですぐに確認可能。

(2)紙ベースの報告書が不要
→ アプリ上で調査記録を完結できる。

(3)解析精度の高い画像処理技術の指標を利用可能
→ 部品の交換時期など、従来は人の目で判断していた部分を、アルビトの高精度画像処理技術が支援。

愛媛県八幡浜市・新居浜市で実証実験

「LD-Map」を使用した調査は、愛媛県八幡浜市と新居浜市で実施された。八幡浜市が管理する街路灯は350基、新居浜市では街路灯が937基あり、両市とも人手不足や管理ツール不足が課題となっていた。
2024年11月12日、13日に行われた実証実験では、八幡浜市で街路灯、新居浜市では街路灯とカーブミラーを対象に調査が行われた。今回は、新居浜市での調査の様子を紹介する。

新居浜市で行われた調査の様子

新居浜市建設部道路課の職員を対象に、パナソニックがアプリの操作方法を説明。その後、午前と午後に分かれて3班で調査を実施した。

アプリのガイドに従い必要な写真を撮影するだけで、スマホ操作に慣れている職員は、1箇所の調査を早ければ2分以内で完了できた。

調査中、サビが酷い街路灯やカーブミラーがいくつか確認された。画像判定による結果は、後日報告される

調査を終えた職員からは、「アプリの便利さは十分実感できた」「ぜひ実業務で使いたい」という声が多く聞かれた。一方で、改善点もいくつか挙げられた。

実際にアプリを使ってみての意見(一部抜粋)
・マップを作業者が見やすくなるよう改善してほしい
・選択できる街路灯やカーブミラーの種別を増やしてほしい
・カーブミラーの確認項目内容を追加してほしい

今後、現場から出た意見を参考に、アプリの改修を行う。

プロジェクトに対する意気込み

新居浜市建設部道路課 黒田さん
当課が管理する街路灯は937基、カーブミラーは約3,300基以上です。これまでは人手や管理ツールが不足しており、課題感を抱えていました。今回の調査アプリを活用することで、日々の業務が効率的になるだけではなく、画像処理技術による老朽化判定の優先順位付けが可能になり、市民の皆様の危険を未然に防ぐことができると、非常に期待しています。

パナソニック株式会社エレクトリックワークス社 鈴木さん
今回、新居浜市様、八幡浜市様とともに実証実験を行い、たくさんのご意見をいただきました。現場の皆様の意見を反映し、より使いやすいサービスを目指します。来年度には日々の業務でのトライアル運用、再来年度以降には本格導入を目指し、悲しい事故が起きない社会を実現したいと考えています。


トライアングルエメ広報事務局は、「LD-Map」を現場に導入することで、どのような成果が生まれるのか、引き続き追いかける。

■公式ホームページ
https://dx-ehime.jp/

\SNSもやっています/
■Instagram
https://www.instagram.com/tryangle_ehime/

■Facebook
https://www.facebook.com/tryangleehime

■X
https://twitter.com/tryangle_ehime

いいなと思ったら応援しよう!