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愛媛県新居浜市の企業で導入開始!IoTソリューション「CollaboView」で製造現場の安全と効率を実現【SCSK株式会社|事業紹介】

製造業において、従業員の安全管理や作業効率の向上は、多くの企業の課題となっている。愛媛県新居浜市でクレーンなどの荷役運搬設備用運転室の設計製造を手掛ける株式会社タステム.でも、熱中症対策や溶接作業の安全管理、部材の所在把握など、製造現場特有の課題を抱えていた。これらを解決すべく、SCSK株式会社は同社が提供するIoTソリューション「CollaboView」の導入をスタートした。


製造業の課題解決を支援する「CollaboView」とは

まず、「CollaboView」を提供するSCSK株式会社は、ITサービスからBPO(業務プロセスのアウトソーシング)まで幅広いサービスを展開し、過去50年以上にわたり8,000社を超えるクライアントの課題解決をサポートしてきた企業だ。今回、トライアングルエヒメにおいては、IoTソリューションを活用し、製造業の現場における課題解決に挑む。

「CollaboView」は、工場や製造現場の中に設置された通信装置を介して、さまざまなタグやセンサーのデータを一元管理し、可視化するシステム。収集された情報は、PCやスマートフォンから簡単にアクセスできる。これにより、例えば製造現場では従業員の位置情報や安全状況をリアルタイムで把握でき、また工具や機械などの設備の使用状況や場所も即座に確認することが可能となる。これまでにも、製造現場や倉庫における備品探しや異常状態の検知、棚卸作業の工数削減などに役立っている。

実装先企業 株式会社タステム.が解決したい課題

それでは今回の実装先である、株式会社タステム.が抱える課題を見ていきたい。同社は、新居浜市に本社を置き、主にクレーンなどの荷役運搬設備用運転室、機械室、電気室の設計製造を手掛ける。特に、荷役運搬設備用運転室の納入実績は国内トップクラスだ。その敷地は、20,600㎡の広さがある。

同社が抱える課題は、主に3つある。

課題①熱中症への対応

作業場は5棟に分かれており、それぞれに管理者が配置されている。しかし、現状では人員管理が十分に行き届いていない。特に課題を感じているのは、夏場の熱中症対策だ。管理者も熱中症への対応について経験不足であり、不安を抱えている。さらに、管理者不在時の対応の遅れも懸念事項となっている。症状は人によって異なるため、その都度適切な対応が必要だが、現状では迅速な判断が困難な状態だ。

課題②溶接ヒュームへの対応

溶接ヒュームとは、溶接作業の際に発生する金属の粒子であり、労働者に健康障害を及ぼす恐れがあるとして特定化学物質に指定されている。年に一度、工場の大気中の溶接ヒュームを測定しているものの、作業量や人数は日々変動し、作業環境も常に変化するなか、現状の換気対策の効果は目に見えにくく、不安を抱えている。

課題③部材管理の課題

同社では月3,000点以上の部材を扱い、その大半がオーダーメイド品という特徴がある。切断から仕上げまで複数の工程があり、その途中で部材が紛失することも珍しくない。どの工程でなくなったのか把握が困難で、時には新しく作り直さざるを得ない状況も発生している。

どうやって解決するのか

これらの課題に対し、SCSKは「CollaboView」というIoTソリューションを用いた解決策を提案している。

課題①熱中症への対応

作業場周辺に温度センサーを設置することで環境データをリアルタイムで可視化し、一定温度を超えた場合に管理者へアラート通知が届く仕組みを構築している。それにより、例えば熱中症の危険がある場合には30分に1回の休憩を指示するなど、データを基に具体的な指示を出せるようになる。また、実際に熱中症が発生した場合には、「痙攣しているか」「水が飲めるか」などの症状を入力すれば、対応手順を提示するシステムを提供し課題解決をはかる。

課題②溶接ヒュームへの対応

微粒子センサーによる常時モニタリングを実施し、換気効果を可視化することで、データに基づく適切な防具の着用と作業環境の整備を可能にする。例えば、溶接ヒュームの濃度が高い場合には溶接時間の変更 や換気の風量を増やすなど、環境に応じた適切な指示を出すことができる。

課題③部材管理の課題

部材を載せるパレットへのビーコン取り付けによる位置情報の把握や、工程間の移動を追跡可能なシステムを構築している。これらのデータは、ウェブブラウザやスマートフォンでも確認できる。それにより、業務のムダを省き、効率化を実現できる。

従業員の安全衛生管理における活用イメージ

実装先企業 株式会社タステム.の期待感

株式会社タステム.代表取締役社長 髙橋氏は、今回の導入に対する期待感を語った。

「CollaboView」の実装により、人間の感覚ではなく、根拠のあるデータによって適切な行動をとることができます。それにより、従業員の安全を確実に守れる体制を作りたいと考えています。また、熱中症や溶接ヒュームの対策をはかることにより、従業員一人ひとりの安全意識も高まります。部材管理がうまくいけば、紛失したものを探す時間、新たな部材をつくる時間も省くことができ、業務効率化およびコストカットにもつながります。それにより、結果的に品質向上も実現できると期待します。

DXを活用し、さまざまなことがリアルタイムに把握できる環境があれば、自ら気づき行動に移すことができます。それが、コミュニケーションの強化にもつながり、「信頼と尊敬を基調とし、新たな価値と人材を創造し、社会に貢献する」という企業理念の実現にもつながるでしょう。まずは従業員の健康と安全を守るためのシステムとして導入し、それを基盤として社内の信頼関係を構築していきたいと考えています。

株式会社タステム. 代表取締役社長 髙橋氏

SCSK株式会社の意気込み

SCSK株式会社 ソリューション事業グループ 貞広氏は、今回の導入への意気込みを語った。

今回のタステム.社への導入において、工場内で働く人、モノの状態や環境を可視化することで、業務効率化だけでなく、従業員のみなさんの健康や安心して働ける環境を整える一助になればと考えています。

製造現場でのデータ可視化は、非常に重要です。課題解決の計画を実行し、改善を進める際には、まずデータという基礎情報が必要不可欠だからです。現場と経営者の間で明確なKPIを設定し、それに基づいた継続的な改善活動を実現することを目指します。

2024年3月までにタステム.社での導入を成功させ、環境改善や業務効率アップの実績を作りたいと考えています。その成果を基に、愛媛県内の他の製造業へと展開を図り、さらなる課題解決を目指したいです。

SCSK株式会社 ソリューション事業グループ 貞広氏

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