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人々が100歳まで“健康な脳”でいられる世界を目指して【BHQ株式会社|事業紹介】
日本の社会問題として少子高齢化が叫ばれて久しいが、この問題はなかなか解決の兆しが見えてきていない。老後の生活資金は国の社会保障、つまり公的年金制度が支えているが、このまま年金を負担する現役世代が減少する一方で年金を受け取る高齢者が増加していけば、年金給付の先細りが懸念される。今後、さらなる受給年齢の引き上げや給付水準の抑制などが視野に入ってくるなか、高齢者が自ら稼ぐ力を向上させることが求められている。
しかし、愛媛県では健康寿命が全国平均よりも低く、さらに、後期高齢者の一人当たりの医療費が全国平均を上回っている。健康・就労寿命の延伸に向けて、高齢者の健康行動を促進する必要があるのだ。
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健康寿命は全国平均よりも低く、47都道府県中男性は46位、女性は44位
(厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」、第16回健康日本21[第二次]推進専門委員会、令和3年12月20日)
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後期高齢者の一人当たり医療費は全国平均よりも高水準。入院医療費ランキングでは、生活習慣が発症や進行に関わる疾病(赤字)が上位を占める
(愛媛県後期高齢者医療広域連合「第2期 保健事業実施計画(データヘルス計画)」、2021年3月改訂版)
BHQ株式会社では、集団検診などで脳の健康(BHQ)の測定機会を増やし、脳に良い行動の情報提供や商品提供を後押しすることで、地域の健康・就労寿命の底上げを図ろうと活動している。
BHQとは?
BHQ(Brain Healthcare Quotient)は、MRIで撮影した脳の画像からその健康状態を解析し、IQのようにわかりやすく、血液検査のように多次元の数値として「見える化」した、脳の健康管理のための指標のこと。
実は、日本は100万人あたりのMRI設置数が世界トップ。世界に類を見ない脳ドックがある国だ。しかし現状、専門家以外には使えず、病気の診断以外には利用されていない。
そこでこのMRIの画像を活用して非専門家にもわかりやすい指標をと、内閣府のImPACT(革新的研究開発推進プログラム)にて、山川義徳京都大学特命教授を中心にBHQが考案された。この日本初の指標は、国連に所属する電気通信の国際標準化機関ITU-Tにも承認された。
年齢や生活習慣がBHQに影響する?
現在は、「GM-BHQ」と「FA-BHQ」という2つの指標の開発が進められている。
GM-BHQは脳の灰白質における神経細胞の健康状態(大脳皮質の容積)を指標化したもので、学習能力に関与していると考えられる。一方、FA-BHQは白質における神経線維の健康状態(大脳白質の神経線維の統合度)を指標化したもので、情報伝達に関与していると考えられる。
これまでの研究によって、BHQは年齢により低下すること、年齢に比して脳が若い人も老けている人もいるということ、認知症を患うと同年齢の健康な人と比べてBHQが大幅に低下することがわかっている。
また、BHQは生活習慣や生活環境によって大幅に低下することもあれば、維持・向上することもある。疲労やストレスなどの心理的状況や、食事・運動習慣、住環境などが影響しているのだ。
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脳の健康に効果的とされる行動や習慣を促すことで、BHQの低下ラインを底上げして脳の健康を保てば、健康・就労寿命を延ばせる可能性があるのだ。
BHQ株式会社×愛媛の自治体のプロジェクト始動
BHQ株式会社は、BHQ考案者の山川教授が創業し、国際標準活動を推進する川森雅仁慶應義塾大学特任教授が代表を務める企業で、BHQ改善にかかる知見も多く蓄積している。また、国際標準のMRIによるBHQ計測システム(BHQドック)を展開しており、生体情報等による簡易推定機器も開発。自治体と連携した複数のBHQ活用事業推進実績がある。
今回の「愛媛BHQプロジェクト」では、松前町・久万高原町を実装パートナーとし、自治体主催の集団検診等にBHQ計測を導入。同時に、BHQ計測データを蓄積するBHQデータプラットフォームのプロトタイプを構築し、自治体の健康施策の立案や評価に活用。さらには地元企業における関連製品やサービス開発にも活用できるようにする。
自治体と連携したBHQ測定・脳の健康セミナー実施
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2024年9月25日、松前町にあるスポーツクラブ・FITTAエミフルMASAKIにて、ジムを訪れた一般客を対象として無料測定会が行われた。パナソニックホールディングス株式会社 プロダクト解析センターが開発した顔映像によってBHQを推定する機器をフロント付近に設置し、訪れた人に声をかけてBHQとは何かを説明。測定後には結果とこれから心がけてほしい行動や生活習慣についてアドバイスを行った。
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測定は、画面に表示される顔と同じ表情を作るだけという簡単なもの。手軽に脳の健康状態を測定できると聞くと、ほとんどの人が興味を持って測定に参加してくれた。
測定結果は、50歳の標準値を100点とした点数で表され、現在の脳の健康年齢を示してくれる。健康年齢が実年齢よりも3歳以上若ければ「脳がとても健康」、3歳以上高ければ「脳健康が下がり気味」。そのほか、他者の考えを理解・共感する「社会性」、状況に応じて最適な選択をする「認知制御」、周囲の状況の変化を察知する「モニタリング」能力も数値で表れてくる。
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平日日中にスポーツクラブに通ってくる人々は、総じて健康に対する意識が高い。日常的に運動をしており、他の人と積極的にコミュニケーションを取っている人々と考えられる。脳の健康に良いとされる行動を自然と取っていると思われるが、この測定会でも、脳の健康年齢が実年齢と同じか、それより若いという結果を出す人が多かった。
また、測定会場では松前町内の「BHQ Actions」の紹介や町主催の「脳活トレーニング講座」などの案内チラシも配布された。
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「BHQ Actions」とは、脳の専門家が考えた「楽しく無理なく脳を健康にするための18の行動指針」のこと。
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これらに沿って、例えば「食事」としてナッツや果物が含まれているような松前町の珍味や栄養価が高い食品が手に入る産直市、「運動」や「環境」としては自然に触れながらエクササイズができる松前公園や塩屋海岸などのスポット、「健康管理」として体や脳の状態を知ることができる町総合健診などを紹介。身近なBHQ Actionsの例を出すことで、気軽に脳の健康に良い行動を実践してもらう狙いだ。
無料測定会に参加した人の声
脳の健康を簡単に測れるし、とても楽しそうなので参加してみました。
身体の健康はもちろん、脳の健康にも普段から気をつけています。運動をしたり人とおしゃべりしたりするのもそうですが、絵手紙やオカリナなどの習い事もしています。ひとり暮らしなので、なるべく長く自分で何でもできるようにこれからも意識していきたいですね。(70代女性)
そのほか、地域病院でのBHQドックの実施、地元企業と連携してのBHQ商品やレシピなどの開発支援なども実施予定だ。2024年度の実装結果に関しては次回のレポートにて紹介する。
プロジェクトに参加しての想い
BHQ株式会社では、「脳の健康」をテーマに、地域に住む方々の脳の健康増進に取り組んでいます。今回のプロジェクトでは、松前町や久万高原町をはじめ、地元の企業様にご協力いただきながら、自治体検診やスポーツ施設での脳の健康測定機会の提供ならびに、脳の健康に資するレシピや愛媛BHQ弁当の開発を進めています。このような取り組みによって、まずは愛媛に住む方々の脳の健康に貢献し、さらにはこの事例を愛媛県発のモデル事例として他県へ、さらには他国へ展開していくことで、世界中の皆様が人生100年時代、脳が健康に過ごせるよう貢献していきたいと考えています。
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