見出し画像

暮らしと収納

設計にて収納を考えるときに思う事。


『収納は最小限のもう少し小さめにすべし』


本当は施主の生活を観察して収納量を決めるのがいいと思われる。

それが施主の満足につながるからだ。


しかし、収納量はあればあるほど詰め込むものだ。

収納の量だけ人はものを増やす。

それは生活に余裕がある無しに全く関係ない。コレクションが趣味であるかは関係ない。趣味が何であるかは関係ない。ファッション、インテリアに興味があるかは関係ない。

この事はこれまで、数十年と施主と向き合い住宅の建築に携わってきたからの経験でもある事も確かな検証である。


スペースがあればモノを捨てないのが本質にある。

スペースがなければモノを吟味しなければならないからだ。



そして収納は思い出に変わる。

思い出の詰まった収納部分には毎年、固定資産税が掛かってくる。思い出を保管していることにより税金を支払う義務になっている。こう考えると収納は面白い。



今の時代とても便利になってきている物の不自由を感じる事はない。

また、価格もとても安価になってきている。とても便利なもので100円均一のショップなどで十分にモノを購入出きる。手軽にモノが増える仕組みになっている。便利グッズなど新しい商品もどんどん開発される。暮らしがどんどん安価に快適になっていく。

かつてモノが無く、大事に大事に使っていた頃とは実情が違っている。現在の70歳以上の世代のものへの考え方と40代、20代とは考え方が全く違う。


もちろん。モノが人に幸せを与えてくれる事は否定しない。それがある事により心が穏やかになれるのであればそれで十分である。

モノにより人生を豊かにできる事は素晴らしい事である。


一方、暮らしにおいては社会からの完全なる孤立は望ましくない。できるだけ、外との関わりも必要であると考える。その点においては、暮らしは外との交流の場にもなる。その時、収納量より人との交流の量が多い方が暮らしを豊かにしてくれるのもと思う。


収納という『モノ』をいかに暮らしに取り組むべきかを考えた時に、暮らしと外との交流をベースに検討してみる事もお勧めします。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?