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【回想記】卒業以来の訪問〜母校の中学校吹奏楽部(2017年11月)

私は中学・高校と吹奏楽部に所属していました。今はジャズを演奏していますが、音楽の礎はこの時に教わりました。
2017年。母校中学の吹奏楽部に講師として招いて頂けました。講演での訪問なので、懐かしがる前にその「務め」を果たすことに尽力。それでも、やっぱり皆さんから教わる事が沢山でした。今も強く記憶に残る「母校の温かさ・後輩達の素晴らしさ」とは・・



こんな日が来るとは。思い出の音楽室へ

2017年11月。
学校と民間団体合同の企画のおかげにより、なんと30年ぶりに母校吹奏楽部を訪問できることに。
後輩達へ向けた講義と、ジャズワークショップを行うためです。

懐かしい校庭に校舎、そして音楽室。匂いも変わらず。

午前10時、そこには吹奏楽部のみんなが待ってくれていました。

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刺激的だったジャズワークショップ

まずは挨拶から始まり、ソロ演奏。
皆さんの表情と拍手、嬉しかったです。

そして、いまの演奏は即興で展開されていたことをお伝え。

そのまま、パソコンで作ってきた伴奏を使いながら「アドリブってどうなってんの?」をレクチャー。 
さぁ、ジャズワークショップの始まりです!

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一方通行ではジャズではありませんね。
なので、次は「みんなでやってみようコーナー!」

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みんな入れ替わり立ち代り…、コーラスの流れを身体で感じながら、実際に音で会話。

基本となる音階はありますが、それにあまり縛られ過ぎずに「周りを聴きながらであれば何をしてもいいです」 ということだけを意識しての自由なセッション! 

凄いのが、みんな臆することなく参加してくるんですね。
「トライが大事!」そう伝えたのですが早速実践。
それだけでも凄いのに、コーラスを重ねる毎にみんな味をしめてきた感じで(笑)、セッションはどんどん熱気を帯びていきました。

迷いつつも楽しくアドリブをとり続け、いいところで他の人に振ったり、リズムに乗って手拍子も生き生きと心地よく、まさに自由なジャズセッション。

教えてないのにブルーノートで渋いフレーズかます子も。
ひとつの音に絞りリズムで表現する子も。
目を閉じサウンドイメージに集中している子も。

それが全ていきなりのアドリブでの様子ですからね、みんなすごいチャレンジ性とイマジネーションの持ち主!とても柔軟です。
自分達の頃からしたら、こんなに自由にしていいなんて羨ましいぞ!


講義~その時の私なりにお伝えできたこと

セッション後、少し休憩を挟んで。講義の時間に。

私が在籍していたころの学校の様子や当時の部活についての気持ちをまずはお話して。

特に優等生でもなく、むしろちょくちょく職員室に呼び出される種類の生徒だったのを白状。
でも部活には打ちこんでいて、いまも日々を鮮明に覚えてることをお伝えしました。

そして卒業後どういう道を歩んで現在に至っているのか。その間に起きた事と、その時その時でどういう気持ちだったか、をお話。

一度サラリーマンをやっていますから、脱サラ前後の気持ちや生活の変化、フリーランスとしての覚悟、縁の有難み、親切は"しっぱなし"位でちょうどいい、などなど。

この日の時点で後輩たちに伝えられることは、できる限りお伝えしたつもりです。
軸としては、当時中学生だった自分にもし会えたら伝えてみたいことを話す、というイメージ。

この講義が後輩たちの今後の何かのヒントになったり役に立つことに繋がるならば、こうして訪問した甲斐があると思いますし、嬉しいです。

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ひとつだけのリクエスト

さて、ワークショップと講義も、共に楽しむくらいの勢いで進んでいきました。
その後の質問コーナーもユーモアや夢のあるやりとりが多く、時間は笑顔で満たされ、そして「残りあと数分」に。

この日にあたり、私は、ひとつだけ「お願いしたいこと」を決めていました。

立場としては「講師」ですのでその務めを果たすことが最優先でありますが、「OB」でもあるので、ひとつだけ、「リクエスト」。

それは、

「校歌吹奏!」

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在籍当時、私は2ndや3rdを吹いてて、そのパートを、現役の部員みんなの中に混ざり、30年ぶりにこの思い出の場所で校歌を吹きました。

ちゃんと自分のパートは覚えているものですね。
一音目の瞬間から、それはもう、感動でした。染み渡りましたよ。ほんと、この上なく幸せな、宝物のような合奏でした。

音楽は記憶を呼び起こし感情を蘇らせます。
後輩たちとの、時を超えるかのような有意義な瞬間、当時の仲間の顔、それが一気に心を巡りました。
みなさん、リクエストを受けてくれて、本当にありがとうございます!


終わってからも素晴らしい光景が

二時間のお時間を頂いてましたが、あっという間でした。
こんな形で母校の吹奏楽部を訪れることができるとは思ってもなかっただけに、今も感謝でいっぱいです。 様子は地元メディアでも紹介していただけました。

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企画くださった実行委員皆様、お世話頂いた先生や職員の方々、そして素晴らしい後輩たち。本当に、ありがとうございます!


そして最後にもうひとつ。
講演も終わり、機材撤収作業をし、大人達は校長室に移動。
関係者皆さんとしばし談笑して、ではそろそろ、とあらためて御礼をお伝えし帰路につこうと正面玄関を出ると、 、

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なんとそこには後輩たちが。

音楽室は別校舎の最上階端なんです。校舎を移動し一番端にある下駄箱で靴に履き替え正面玄関にくるのは、とても大変なのです。

いつ帰路につくかも分からない私にこうしてもう一度挨拶をするためにここまでやって来てくれていました。
そういえば校長室にいる時に廊下が賑やかだったなぁ。まさかこのためだったとは。

これ、先生の指導ではないそうです。
自発的な心遣いが出来るこの子たち。
私はこの素晴らしい後輩たちを見習わないといけないです。

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ほんとうに立派。自慢の大後輩です!

みんながんばって!
あれからもう三年経ってますけど、今も後輩達の人生を心から応援しています!!

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これ、嬉しかった。ありがとう!

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