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2-8.チューナーとメトロノーム、チューニング

ピッチを合わせる、ということ

吹奏楽の世界は取り憑かれているのかと思うくらいピッチ(=周波数)にこだわりを持ち、そして混乱しているように感じます。

もちろん、複数の奏者が奏でる音のピッチの誤差があればあるほど、その演奏を聴く人にも、演奏者本人にもストレスが生まれて「美しさ」からかけ離れます。ですから、ピッチは安定していたほうが良いのは当然です。

しかし、そのピッチを合わせる方法や考え方が問題です。多くの場合このように見えます。

「ピッチを合わせるためにピッチを合わせている」

チューナと対峙し、自分の出した音を正解か不正解かジャッジされているかのような使い方。合わないと安直な方法でピッチを捻じ曲げ、強引に正解に導こうとします。
これをすると「正しい発音原理」、要するに「トランペットとはどのように音を出す楽器なのか」という根底が崩れ、音色は悪くなり、コントロールは不自由になり、それでもなお続けていくとコンディションが悪化して吹き方そのものがわからなくなります。

安定したピッチを求めていて、調子を崩していたら本末転倒です。


物事は、その根っこや核になる部分がどこにあり、何なのか、そしてどうなっているのかを見抜くことが解決への糸口です。そして、望んだ結果に繋がるために何をどうすれば良いのかを地道な研究と実験を繰り返すことで見つけていくのです。
しかしこれをいちいち全部自分で行うのはとても大変なことですし、時間もかかります(私は20年かけて様々なことを見つけてきました)。そこでレッスンを受けたり、様々なところから情報を手にいれることになるわけで、この「技術本」はまさにそのデータバンクのような存在です。


ピッチの正しい合わせ方

では、具体的にどのようなアプローチでピッチを安定させれば良いのでしょうか。

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荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。