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3-4.実践的!調と音階の理論

音階練習をする理由

みなさんは音階練習をしていますか?吹奏楽部では基礎練習のメニューにロングトーンというものを取り入れるところがが多く、そのほとんどが音階で構成されています。また、トランペットに限らず、どのような教則本を開いても音階練習メニューが必ずと言っていいほど書かれています。例えばピアノには「ハノン」という音階を徹底的に弾く教則本がありますし、音大受験には全ての楽器に音階を演奏させる課題が含まれています。

このようなことからも、音楽、特に奏者には音階を理解し、それを演奏できるスキルが絶対に必要であることもわかります。ではなぜそこまで音階を演奏しなければならないのでしょうか。
音階を理解しているのとしていないのとではどのような差が出るのでしょうか。今回は音階と音楽の関係について考えてみましょう。

その前に、今回は音階と調号の関係を理解されていることを前提としてお話を進めてまいります。もうひとつのブログ「ラッパの吹き方:Re」に音階の基本について詳しく解説しておりますので、ぜひそちらをご覧になった上で発展的に今回の記事を読まれることをお勧めします。


音階固有音

音階は7つの音によって構成されています。例えば調号がつかない調(実音C dur)の場合は、

これらの音を「音階固有音」と呼びます。音階固有音を様々な順番に並び替え、それにリズムを付けていくことでメロディが作られます。その最もシンプルなものが童謡や民謡といった種類の作品です。例えば「きらきら星」。

まさに木の幹だけで作品を作った、と言った感じでしょうか。シンプルで美しいメロディですが、音階固有音は7つしかないのでどうしても単調なものになりますし、限界もあります。そこで、枝や葉、花や実などを付けてみると、例えばこのようなことができます。

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