あるトランペット吹きの告白
次の演奏会の譜面が手元に届き、ワクワクしながら吹いてみたところ、
む、難しくて吹けないところだらけだったんです。
よしそれではと、メトロノームを前に置き、ゆっくりなテンポからひたすら繰り返し練習しました。
その日の練習時間のほとんどすべてを使い、たった4小節のメロディを練習していました。確かに練習時間が終わる頃になってちょっと吹けるようになった気はするけど、同じようにできない箇所は他にいくつもあるのに、こんなペースじゃあ本番に間に合わない!
…結局納得できないところは納得できないままに本番が終わってしまった。
こんなんじゃダメだ!日頃から基礎練習で技術力を高めるぞ!
と気合を入れてお店で分厚い教則本を買いました。
意気揚々と冒頭から吹いてみたのですが、最初の数ページで萎えまして...。いや、だって、どこまでできればOKなのか、次に進んでいいものなのか、そもそも「できる」って何だわからないし。
上手になってる実感もないし。
こんなだったらますます時間が足りなくなるから、次の本番の曲を吹いていたほうが良い気がする。
そんな結論に達してからというもの、その分厚い教則本は本棚に置かれたままになり、気づけば何年が経っただろうか…。
先日、合奏で指揮者の先生から「その部分はアクセントで」と言われ、よしアクセントだと気合いを入れて演奏したのに、次の瞬間「だからアクセントで演奏して!」と言われてしまいました。
少し悔しくなって、つい、
「…や、やってます!」
と言ってしまったんです。
その後のことは…ほとんど記憶が無くて…
ぼんやりと覚えているのは指揮者の先生の真っ赤な顔と何かとても大きな声で怒鳴っていたことだけです…。
自分では指示通り、楽譜通り演奏しているはずなのに、指揮者はわかってくれない。でもちゃんとやってるのに!なんで?!どうすればいいの?!
これ全部、技術力(テクニック)不足なのです。
テクニックを手に入れるためには、そのテクニックが必要です。
来年1月から公開する「技術本」は、教本の使い方から楽譜に書かれている表現を聴く人に伝える力など、演奏技術について様々な角度から毎回ピンポイントなテーマで解説をしてまいります。
教則本のための教則本「技術本」、来年1月より開始。
ぜひご覧ください!
(よくあるCM風でした)
荻原明(おぎわらあきら)
荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。