5-1.リップスラー
ついに最終章第5章に入りました!
この章は「技術本(テクニックぼん)」のいわば中枢。トランペット特有の、実際に演奏上必要なテクニックについて解説していきます。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
それでは、第5章最初は「リップスラー」について。
リップスラーの概要
ある一つの音が鳴ると、その音以外に1オクターブ高い音やなど、高い音がいくつか聞こえることがあります。これらの音のグループを「倍音」と呼びますが、トランペットをはじめとする金管楽器は、この倍音をコントロールすることで音域変化をしています。
トランペットの音域はおよそ2オクターブ半ありますが、バルブを押さずに鳴らすことのできる倍音はB管の場合で、いわゆるHigh B音までの間に7つの音が存在します。
これらの音の中から特定の音を確実に当てることが金管楽器の難しさのひとつと言えます。
このテクニックを手に入れるためには、どのような方法(奏法)、どのようなコントロールが必要かを理論的、感覚的、音楽的に理解した上で正しく身に付けなければなりません。
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