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【レポ】陰キャチー牛男がオタク街コンに行った結果、運営に金だけ取られて咽び泣く結果になった話

 オタク街コンをご存じだろうか。

 昨今では、2000年代前半の「オタクキモイ!」という風潮が薄れ始め、男女ともに多くの人々がアニメやゲームに熱中する時代となった。その時代の流れに沿うようにして合コンも形態を変え、「オタク」に焦点を当てた合コンも増え始めている。

 しかしながら、明るく華やかな人々がノリで親交を深めていく”合コン”と、どちらかというと個人主義で周囲に関心を持ちがたい”オタク”の掛け合わせというのはイマイチ良い結果をイメージできないのも事実ではないだろうか。


Google検索君も辛辣である

 今回、いわゆる「オタク街コン」というものに参加した結果、いくつかの発見が見られたため、参加に悩まれている方は参考にしてほしいと思う。


この記事の目的に関して

 オタク街コンの多くのレポ・コラムはどちらかというと女性主軸の記事が多い印象がある。私も、今回参加にあたっては多くの記事を読み込むことで雰囲気を掴もうと試みていた。

 上記の こと氏 の記事はオタク街コンの基本的な情報を全て網羅しているため、一読しておくべきだろう。本記事は女性視点での記載であるが、勿論男性であっても大いに参考になる。特に、今後参加する方へのアドバイスはもはや必読と言ってもいいだろう。

 男性視点の記事では、 中島みゆき氏 の上記の記事が最も明瞭に記載されている。参加者の雰囲気や話題についての記載は是非とも目を通してもらいたい。

 しかしながら、上記の記事を読んでいただくとわかる通り、お二方とも私の視点から見ると容姿端麗であり、コミュニケーションに長けている印象がある。
 そのため、私は記事を読んでいて (もっと他のパターンの記事も……できれば自分に近しいタイプの人間のレポを見たい……具体的にはコミュ障でブs……独特な顔立ちの人間の記事を読みたい) と思ってしまったのだ。
 
 いずれにしても、色んな視点/立場から見たオタク街コンに関する参考記事が増えれば、同じ悩みを抱える人間の問題解決に役立つかもしれないと思い、この記事を執筆している。

イベントの詳細に関して

 検索にて最も上位に出てきたサイトを経由し、予約をした。

20代限定アニメコン
男性:9,800円
女性:1,000円
料理数品・飲み放題付き

 敢えて出典を記載していないのは、記事タイトルにある通りの結末だからだ。私はあまり批判をすることは長けてはいないが、今回の場は運営に問題がある記載する必要があるため、率直に会社名を記載すると色々問題がある気がするのだ。
 (まあ、値段を見ればおおよそ察しがつくだろう。ジャンル最大手がこのレベルとは……)

何故、私は"オタク街コン"に参加したのか(省略可能)

 この項目は自分語りであるため、関心が無ければ読み飛ばしてもらっても問題ない。

基礎情報と趣味

氏名:望月誠
性別:男
年齢:26
身長:168cm (健康診断の度に1cmずつ縮んでいる……)
体重:70kg(ギリギリBMI標準……)
顔面:眼鏡を掛けるとチー……なので、当日はコンタクトをして誤魔化した。
   お世辞でも容姿を褒められたことが無いレベル
髪型:ソフトモヒカン
仕事:自動車メーカー総合職(日経225)
恋愛経験:皆無
コミュ力:皆無

基礎情報

 上記は基礎情報である。まさに悲惨としか言いようがない。

 

趣味:同人小説執筆(一次/百合ジャンル)、ドライブ、ツーリング、ランニング、ジム

趣味

 本当にこれは反省しているのだが、アニメコンにもかかわらず、私はアニメを殆ど見ていないのだ。そのため、出席者からは(こいつ帰れよ)と思われたことだろう。しかし、理由は後述するようにしっかり存在している。

出席目的について

 まず、大きな目的としては人生経験にある。趣味に記載があるが、私は同人小説を書くため、人と人のつながりというのは非常に重要である。しかも、私が書くのは百合(女性同士の恋愛)である

 基礎情報でも書いたが、この場合、私は男性であり、恋愛経験皆無という執筆ジャンルの対極に位置する存在となっている。
 もしも、妄想で全て完結するような、甘いラブラブ系の執筆ならば問題にはならないが、私が真に書きたいのは「痛みを伴う、繊細な心を引き裂きながら苦しみ悶え、赦しと安寧を追い求めて互いに心を寄り添いあい、依存と共に破滅へと溺れていくような物語」だ。

 その過程において、人生経験の不足は描写の重みを皆無へと追いやり、無価値な文章を生み出すことになる。そのため、誰かと時間を過ごし、衝突し、赦し合い、夢を語り合う時間が必要だったため、私は街コンに行くのだ。 (席上では絶対に言えない……重過ぎる、あまりにも重過ぎる!)

 しかし、それでは"オタク街コン"に出る理由にはならない。
 何故オタクでなければならないのか。それは"創作者"がオタクに多いからだ。

 私は同人イベントにも一般参加し、一次創作をチェックすることもある。その際は、インスピレーションを活発にするため、関心あるものすべてに手を出してみる。百合だけではない。ヘテロ、薔薇、全年齢、成人向け(叡智)、成人向け(グロテスク)。なんでもありだ。

 そのため、本棚にこれらの本がある時、ドン引きする程度で済ませてもらうには、同じ感性の創作者でなければならない気がしたのだ。

 恐らく、普通の人であれば"同人"の時点で「えっち!しけぇ!」となり、言い訳の猶予も貰えずに、偏見と共に縁を切られるだろう……。

事前準備と服装

 上記に紹介した記事にもある通り、容姿というものは非常に重要であることが分かった。
 

"Manners maketh man", do you know what that means?

映画『キングスマン』より

 服装は、ルッキズムに関する事項というよりも、礼節に近い気がする。
 元々、私は容姿に自信がないため服装に対して無頓着であったが、態々ご出席いただく面々を思えば、青髭に汚れたポロシャツで行くわけにはいかないと思い、服を新調した。
 写真が無くて恐縮だが、下記に当日の服装を記載する。

・明るい雰囲気の上着
 (鏡を見ると、何故か南米の鳥を思い浮かべる……)
・白の無地半そでシャツ
・黒のタイトスラックス
・白黒のエアジョーダン1  MID
・トランプ形状のネックレス
・コーチのティアドロップサングラス
 (残念ながら似合わないようで引かれてしまった……)
・スマートウォッチ

服装

 やはり、根暗な印象を払拭するためには、明るい雰囲気が必要だろう。
 そう思ってセレクトショップで服の調達を頑張ってみたつもりだが、どうやら若干空回っているようだった。やはり、シンプルな服装が一番良いかもしれない。

 また、体型に関しても非常に気を使った。
 基礎情報にもあるが、私はぎりぎり標準体型である。しかし、高校卒業から1年前までは100kg寸前で、スタイルは壊滅していた。

 もちろん、女性でも、大柄な男性を好む方や容姿を気にしない方もいらっしゃるだろうが、少なくとも私には清潔感や容姿を捨てても有り余る魅力が存在しないため、1年かけて25kgを落として街コンに参加することを決めたのだ。

他出席者に関する情報

 ここに非常に問題であった。
 決して、出席者に問題があるわけではない。後述するが、出席者の面々は想像よりも遥かに魅力的な人たちであった。

 問題は男女比率だ。
 2:6。圧倒的な女性不足だ。

狂気のオタク過剰供給

 男女比の崩壊によって起きる問題は後述する"問題点"に記載するとして、ここでは出席者の方々の情報を記載したいと思う。

男性陣

 男性①
 鉄道関係のお仕事をされている細身で爽やかな青年。
 センター分けの髪の毛が魅力的で会話も上手く、女性からしたら魅力的に映る印象があった。Apex等のゲームや様々なアニメを見られているようだ。
 スニーカーも興味があったようで、ナイキのエアフォース1を履いていた。そのため、所謂「オタク!」という印象は全くなかった。
 (酔った勢いで手隙の時間にずっと話しかけてしまった……。申し訳ないことをしたと猛反)

 男性②
 SEをされている眼鏡を掛けた細身の青年。
 業務リーダーを任されているらしく、お仕事に関して優秀なようだ。
 誠実そうな見た目で、席上では聞き手に回ることが多かったが、女性①とのアニメ(ブルーロック)の話題の際は盛り上がっているようだ。

 男性③ 
 製造業に従事されている男性。刈り上げたサイドヘアーがオシャレ。
 席が近ければ、仕事に関して話もできれば面白そうであった。

 男性④⑤
 席が遠くて話ができず。一人は笑顔が素敵な大柄な方。柔道経験がありそうな雰囲気。

女性陣

 女性①
 倉庫にてお仕事をされている落ち着いた雰囲気の女性。
 インドア系が趣味らしく、動画制作、3Dモデル、およびぬいぐるみ作成など幅広い領域の趣味を持っていらっしゃった。アニメの話題をするために今回は出席されたようだ。そのため、アニメに精通していない私は無難な話しか振れず……。女性②との席交換後は、どうやら会話を楽しまれているようだった。

 女性②
 工場関係に従事している明るい雰囲気の女性。
 会話まわしが上手く、飲み会の席に慣れているようだ。特に、全員に話題を投げかけるような気づかいをしているため、会話を進めやすかった。
 (逆に、気を使わせすぎてしまっているような気もしたが……)

共通事項

 特に「Wow!」となる方はいらっしゃらない。どちらかというと私がしゃべりすぎて申し訳ない点以外は、皆、コミュニケーションに問題はなく、見た目も気を使っている印象であった。
 もしも服装に悩んだ場合でも、セレクトショップのマネキンをそのまま移植してくれば問題なさそうだ。

進行と席上の話題に関して

 まず、席に案内された後はプロフィールシートを書かされる。

  • 名前

  • 職業

  • 年齢

  • 各オタクジャンルの深度

  • 具体的に好きな作品

  • その他の趣味

 主にこの会社の街コンで検索すると、女性用のシートの写真はネットに出回っているが、男性用も差異はなかった。男性だから年収を書く、なんてこともなし。

 そこからは簡単に自己紹介をした後に、酒と料理が運ばれて延々とトークをする。男女比が1対1の場合は記憶に頼りきれない為、プロフィールシートを確認することが重要だが、今回はシートを見るよりも会話を暗記してその話題を振る方が多く、そもそもシートを見る機会がほとんどなかった……。 
 (いや、私が男性側のプロフィールに興味津々だったので、ある意味では目的がすっかり移ってしまっていた)

 逆に女性側は男性の人数が多かったため、女性②に関してはシートを確認しながら会話を進めていた。と言っても共通した話題も多くない為、普通の話題に帰着していく。仕事の関連や趣味の話になると、徐々にただの飲み会みたいに思えてくる。

 そのため、気合を入れてプロフィールシートを書いただけの価値がそこまでなかったような印象があった……。
 
 時間が来ればマッチングシートなるものを書かされる。気に入った相手を指名し、連絡先を交換する機会を貰うアレだ。
 私の場合は、女性二人とも悪い印象はなかったが、逆に私の趣味が趣味なだけに、もう少し感性が似ていない限り後が続かないと判断し、無記名で運営にシートを手渡した。
 また、男女比の問題で公的な二次会は開催されなかった。

運営に関する問題点に関して

 全ての問題は男女比にある。
 
 これは、私の男性的な視点で言うと、会話の合う人間を探すために高い金を払っているのだから、その母数が集まらなかったら中止をするべきだと言いたいのだ

 実は、女性が一人ドタキャンしたため、この比率になった……というのはあるものの、それでも3:6で決行するつもりである時点でこちらは運営に舐められているような印象がある
 (つーか、1週間前からキャンセル不可にしておいて、人数がこんなことになるとも聞かされないまま、帰れない段階で公示するって詐欺だろ。マジで)

 それに、当然ながら、人数が少なければ男性は会話待ちの時間が発生する
 
 マナーとして、私が延々喋って他の男性を遮るような真似はよろしくない。そのため、他の男性が数少ない女性に話をしているのを聞き続ける時間が発生する。

 その間、その男性の話題を持って行かないように相槌を打ち、気を使いながら話の区切りがつくのを待つのだが、これを10,000円払ってやっていると考えると涙が止まらなくなる

 女性も非常に可哀そうだ。目の前を見れば、3人同時に視線が向いているため、相当気を使いながら全員に会話しなければならない。残り二人の様子が気になって、一人の男性と個別の話がしたくても、気を使って話を汎用的なものに戻さなければならない。それが、まるで接待させられている様に思えて、互いに全くいい気持ちにはならない。

 参加者は悪くないのに、運営のやり方に問題がありすぎていい印象は全くない会であった。

補足:そもそも論として、オタク街コンっている?

 どこか別の記事で見た記憶があるが、そこにはオタク街コンと言っても、相手とジャンルが違い過ぎてオタク会話が広がらないとあった。

 これは完全に事実であり、いつの間にか会話は、仕事関連やオタク関係ではない趣味の方向に飛んでいる。これなら、人が集まりやすい普通の街コンに出た方が良かったのではないだろうか

 それに、趣味が同じであっても、そこから"推し"の違いや考え方の違い等で変に拗れていくリスクもあると考えると、いっそ、怪しげな趣味を隠して表向きの話題だけを見せて、小出しで内面を露出させる方が得策な気がしてくる。

 しかも、高い。高すぎる。普通の街コンよりも高いくせにこのザマだ。
 同じ金でセール品のエアフォース1 MIDを買えばよかった。本当に。

まとめ

 正直に言うと、これはどんな相手が出てくるか不明な運だめしな気がする。私みたいにクソ運営の貧乏くじを引けば、誰も幸せになれないクソ会となり、運が良ければこんな目に合わずに目的を果たすことが出来た可能性がある。
 ただ、この運試しが1回1万円と考えると笑えない。アラブの富豪ではなくただの貧乏エンジニアである私には、そんな高級な遊びを嗜む余裕がない。

 少なくとも、2回目はないだろう。いや、寧ろ、あえて参加して、逆に楽しむのも手なのかもしれない気がしてきたぞ……。はぁ。

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