otonarikaminari

ご自愛ください
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004 はじめまして

自己紹介は苦手だ。 順序というものはときに美しさを感じさせることがあるけれど、はじめましての自己紹介でわたしはそれを忘れてしまう。わたしのたった一つの小さな口か...

031  ひみつ

電灯もなく、町の明かりから離れた真っ暗闇の、いつどこで獣におそわれるかしれない藪道をおどおどしながら歩いて、だれもいない夜の海辺に立つ。そこはだれもが、わたしだ...

030  ひらく

坂道をくだる自転車は車輪を回転させながら大池のよこたわる公園へ向かって午後三時を颯爽と走り抜けてゆく。公園では、中学生たちがサッカーボールを天高く蹴り上げる。三...

029  閏日記

月日のゆくえにしたがって、わたしたちはもうすこしでねむりにつく。 ええ、わたしもそろそろ。 たよりになるやわらかい寝床の、その心地良さに思わずうずくまった朝も、...

028  しょんかね

午前中のほんの十分ほどでひろがった、こころのちっぽけな世界がある。 それは、音楽とことばがむすびつくふところ。そこでこそ身体にそなわる歌心は、菜の花畑の蝶のよう...

027  熊本県北へ

はじまり わたしはこの世と、どのようにつながっているのだろう。その問いをめぐって、わたしは旅行しているのかもしれない。 小国町へ行きたい、そう思ったのは昨年のこ...