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【連載】ディズニーランド紀行 〜『創造の狂気』・Uボート・メタボリズム | 2/4 本編より面白くて当然なスターツアーズ

東京ディズニーランドのフィールドワーク的紀行の第2回です。

今回は、スターツアーズの感想とこのアトラクションの存在価値について述べて参ります。ディズニーランドに足を運んだ動機がスターツアーズなので、基本は「いい!」に理屈をつけただけですけどね。お楽しみください。

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スターツアーズとは...を改めて考える

スターツアーズは、スターウォーズの世界に旅行客として飛び込んで作中の星を遊覧したり(そこまで優雅なものではない)、戦いに巻き込まれる形で戦闘したりする、そういうシナリオのアトラクションです。メインシナリオは映像で展開され、それに合わせて座席が暴れ動くので、形式は今でこそよくある4DXに近い。

行った理由は、最新作「スカイウォーカーの夜明け」に合わせたシナリオが新規描き下ろしされていて、期間限定でそれを楽しめるからなんですけどね。最新作で主人公たちが旅した星に行ったり、最終決戦に加わったりできるんですけど、本編以上に楽しいし胸が熱くなったんです(2回目の搭乗でスパイ指名されたからっていうのもあるんですけども。分かる人には分かる)。

映画作品は娯楽性を追求したものではないし、そもそもスターツアーズはアトラクションだからそんな感想なのは当然なのですが。アトラクションのシナリオ構成を冷静に考えると、その理由がわかるんです。

スターツアーズの構成は

①SW本編にも登場した星をツアーという形で見る。

②ツアー中に救援要請が入り、ツアー客を乗せた船がSW作中の戦闘に参戦する。

という二部構成になっています。

①では、ファンは「こういう場所あったなぁ」という記憶の喚起をすると共に、「映画では描かれなかったけど、ここはこういう舞台になっていたのか」という発見ができるようになっています。舞台のセットを別の角度や高さから眺めることができるイメージです。映画のカメラワークから解放され、スターウォーズ世界の別視点を自分のものとして得ることができるのです。

②の工程では、劇中の戦闘に参戦することで、劇中の登場人物の思いとリンクすることができます。しかし映画のシーンの焼き直しではなく、同じ戦場の一部で戦うというシナリオになっています。つまり何が起こるかというと、「彼ら(登場人物)がした戦闘のどこか一部分を自分が担っていた」という誇りにも似た感情を覚えられるのです。

①→②の流れによってファンはどうなるか。本編に対する愛着が更に湧く、それだけでなく、ヒーローの一人になれるのです。ファンはスターウォーズを映画本編とは異なる形で楽しむと共に、映画の一部になれる。この章の冒頭で少し言及した「スパイ指名」っていうのも、その効果を担っています。

これ、ディズニーランドの設計思想と同じなんです。

スターツアーズのシナリオは、来場客を作品の一部として振る舞わせられるようにデザインされた夢の国の在り方と完全に一致している。スターツアーズは、それを他のディズニーアトラクションのようなリアルマテリアル中心の演出とは異なり、映像を基本としてやっているというのが特殊ですけどね。

だから本編以上にエモーショナルなのは当然なんです。作品の記録と自分の記憶が合わさるようになってますから。

↑ちなみにリアルマテリアル中心でのスターウォーズアトラクションがあるのがアナハイムのディズニーランド。とても行きたい。

3/4へつづく


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