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ひとり出版社をつくる⑭「社名」

さて、2020年4月21日に神戸地方法務局に登記資料を提出し、設立手続きは完了したはずのひとり出版社の社名をお伝えします。

スタブロブックス株式会社

です。

簡易的な公式サイト(スタブロブックス)も立ち上げました。改めて、ちゃんとしたサイトをつくり直す予定です。※今回法人(co.jp)ドメインを取得し直したこともあり、まだ検索サイトには正しく認識されていません。

この「スタブロブックス」という社名。陸上をしていた人は「あ」と思うでしょうし、していない人は「?」だと思います。陸上やスポーツの本を率先して出していこうというわけではないのですが、、、社名に対する思いはのちほど。

それにしても。

長いことかけて準備してきた出版社の立ち上げが、どうしてこんな時期になってしまったんだと。考えても仕方のないことをやっぱり考えてしまいます。

それでも考えた結果、3つの前向きな答えを見出しました。

●1つ目は、今後何年経っても、設立時期は絶対に忘れない

ということです。

仮にスタブロブックスがこの先10年、20年、30年と続いたとして、いつ設立時を振り返っても「あのときはコロナで大変だった」「そんなときでも思いを持って立ち上げたんだ」と思い出すことができます。ただそれだけの話ですが、思い出すたびに初心に帰れると思うのです。

●2つ目は、社会の公器の在り方にたどり着いた

ということです。

先に結論を言ってしまうと、

本の売り上げの1%を今後、毎年恒常的に寄付する

ことに決めました。

「何を青臭いことを」と思われるかもしれませんし、「1%なんてけち臭い」と思われるかもしれません。どう思われてもいいのですが、コロナ禍のさなかに産声を上げてしまった企業としての(勝手な)責任として、利益と社会貢献を両立できる経営をめざそうと考えました。

ウィズコロナ、アフターコロナの時代はただ利益を求めるだけの企業は消費者に見透かされるような気がするからです。

コロナの混乱のなか、とくに医療体制がひっ迫する状況のなか、自社の経営資源を活かして動いている人たちを見てうらやましいと思いました。事業を興すことで、今後何かあったときに、あるいは何もない平時のときにも、困っている人に僅かでも力になれるのではないか、と思ったのです。

急いで付け加えたいのは、いたずらに社会貢献を押し出したくはないということです。利益をきっちり追求する。しっかり稼いで家族に美味しいものを食べさせる。

それでも1%の寄付と決めたのは、「本をお買い求めいただけるほど誰かのお役に立てる」からです。正直、1%でなくてもいいかもしれません。寄付じゃなくてもいいかもしれません。

利益をあげるだけでなく、社会に貢献するだけでなく。その両方をバランスよく追求できるのではないかというのが意図です。自己満足かもしれませんが。

もしスタブロブックスが長く続かなければ、それは社会に求められていなかったからだとあきらめもつきます。

●3つ目は、奇しくもコロナによって地方が注目されている

ということです。

スタブロブックスは兵庫県加東市という超田舎を所在地として立ち上げました。地方発の出版社として、地方にしか出せない本づくりも大切にしたいと思っています。

これについてはずいぶん前から考えていたことであり、たまたまコロナによって地方が改めてクローズアップされることになりました。この地方発の本づくりの話は追ってまとめたいと思います。

***

長くなってしまいましたが、最後にスタブロブックスという社名に対する思いを。

「スタブロ」というのは、陸上のスプリント競技で使う「スターティングブロック」の略です。短距離選手はスタート時にスタブロをけり、走り出します。オリンピックの100メートル走なんかを見ていると、スタート前に各選手がガチャガチャと調整している器具がありますね。あれです。

あのスタブロのように、読者の皆さんの一歩を後押しできる本をつくっていきたい、そんな思いからこの社名にしました。まあこの社名も青臭いですね。いいんです。

ちなみに、すでに出版予定の本が2冊あります。ただ、コロナの影響で著者さんとの打ち合わせを見合わせています。状況は刻々と変わっているので、もうしばらく様子を見ながら本づくりを本格化していきたいと思っています。

本日は以上です。

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