竜とそばかすの姫を見ました

【はじめに】
なんとなく見たら想像以上に面白かったので感想を書いてみる
ちなみに、私は細田守監督の作品は見たことないです、富野監督と仲がいいぐらいの印象しかない

【物語の構造】
初見で把握した内容を大雑把に図にしてみた
竜の正体とかインターネットの闇とか枝葉末節ですね。
すずが母の死を乗り越えて心を開いてなすべきことをなす勇気を持つ、その過程が重要です。

竜とそばかすの姫

母親の死で心も閉ざして歌も歌えなくなったすずが、アスの「ベル」として自分の苦しみを歌い、「竜」と出会うことで「他人の痛みに寄り添う」歌を歌う。バーチャルの世界で他人の気持ちに目を向けるようになったすずは、やがて現実の世界でも他人の気持ちを意識するように変わっていく。そして、来るべき試練が訪れた時、バーチャルの世界の「ベル」と現実の世界の「すず」が「一体化」して「母親の死のトラウマを乗り越えた」、「生まれ変わったすず」になる。「生まれ変ったすず」は自分の心を閉ざして臆病だった姿はどこもなく、「体が傷ついても、心が傷ついても人としてなすべきことをなす」という勇敢な女の子になる、実に尊い!

【インターネットに憎しみを感じる?】
インターネットに憎しみを感じる、という意見があるみたいですが私はそう思わなかったな。確かに、妬み、僻み、無関心、誹謗中傷といったインターネットの負の側面を少々、オーバーに書いていました。ですが、そういう人間の負の感情というのはネットに限らず、誰でも心の奥底に持っているものじゃないんでしょうかね?負の感情の表現のツールとして使っているだけのように見えます。そしてね、インターネットの正の側面もちゃんと書いています。リアルな世界ではトラウマが酷くて歌を歌えなかったすずがバーチャルの世界で自分の気持ちを歌うことで、他者に関心を向けその心の痛みを目が向けられるようになる。そしてリアルの世界でも注目の的だった女の子が実は恋愛に奥手だったり、幼馴染の少年が自分のことをずっとみていたり、合唱グループのおばちゃん達が気にかけていたことに気がつく。バーチャルの世界で他者に関心を持ったことで、リアルでも他者に対して心を開くようになる、バーチャルとリアルはいい意味でも繋がっているだよ、ということを感じさせる! バーチャルとリアルが繋がっていることに気がついたすずはバーチャルの世界でも「オリジンを曝け出す」勇気を持つようになる。リアルでダメな部分も含めて自分を愛してくれる人がいるって知ることができたからバーチャルで自分自身を曝け出してももう怖くない!その思いがバーチャルの世界の人の心を動かしたんだよね、個人的にはベルに嫉妬心を抱いいてた女の子が「ベル歌え!」って叫んだのはちょっと感動的だったな。バーチャルもリアルと繋がっている!(二回目)

【なんかGレコに似ているなー】
いや、女の子を甘やかさないのがねGレコに似ていると思うんですよ
ラストで頭から血を流しているのにもかかわらず仁王立ちするすずがですね

で、自国の軍隊を壊滅させてね戦争を止めるためにその手で血を汚したアイーダに似ているんですよね。女の子も強い!というか、「なすべきことを成すために必要なことをするのに性別なんて関係ないぜ」って言い放つ細田監督、すごいなー。イケメンでクラスの女の子からもモテてスポーツもできて、おそらく学業も優秀で、気後したすずが碌に目を合わせられたなかった幼馴染に「すず、かっこよかったぜ」って尊敬の念を含んだ言葉をかけられるまでなったのは本当に感動だなー。その後に続く「これで見守る役から解放されて一人の女性として付き合える」という幼地味の言葉はバーチャルな世界で50億人もフォローがいるベルとしてではなく、「人として成すべきことをなした女性」としてのすずが好き、尊敬できる女性と付き合える男とのしての喜び、がこもっていて本当に尊い。このシーン、学業優秀でGセルフとかいう最強のガンダムに乗って戦場を縦横無尽に活躍するベルリがですね、リーダとしての資質を見せるアイーダに「姉さんすごいや」っていうのに似てるなー。本当に尊い

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