エレベータに乗って

レジスタンスの七人は
そのままエレベータに
乗り込んだ
他には誰も乗っていない
ここは一応二十階建てのようじゃな
階のボタンが二十個あるわい
博士はあてずっぽうに
色んな階のボタンを押した
上の階に行ったり
下の階へ行ったり
エレベータは
上下を繰り返した
博士
遊んでいる場合じゃないんだよ
ほほほ
楽しいのぉ
はぁ
呆れた
雑草の髪の少年が
ため息をつくと
あることに気がついた
博士
このエレベータというやつは
行きたい階へ行くものなんだよね
なんでさっきから
何処にも止まらないのさ
もしかして
閉じ込められちゃったのかしら
ミナミが不安そうに呟いた
きっと大丈夫さ
ワタヌキはミナミの肩を
ぎゅっと抱いた
坊主
初めて乗るにしては
なかなか勘がいいのぉ
ワシは遊んでいるつもりは無い
大マジじゃ
チーン
エレベータが
どこかへ着いた音がした
その後の沈黙は
やけに長く感じた
長い沈黙を切り裂くかのように
エレベータの扉が開いた

◆ 戦利品 ─【眼前の光景】

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