製造業としてのテレビ局、という考察

これを読んでいて一つの気づきがありました。「テレビ局も、何気に映像を作成して配信する『製造業』としての側面がある」という事。

私が観ているフジテレビの番組は二つだけです。
「めざましテレビ」(平日5時50分~6時20分頃迄。子供の希望による)
「奇跡体験アンビリバボー」(木曜日8時から。時々気まぐれで観る)

今までは観ていて「?」と思うところは「放送業界の慣例(ある意味傲慢)」と思っていたのですが、製造業としての縛りがあるのでは?と考えることである程度裏側の想像をしてみました。そうすると、相当という以上に同情できる側面があるのかなと推測しています。

1.めざましテレビの裏側を想像する

朝6時…一般的なニュース(特に軽犯罪ではあるが、モラル的に?の録画映像が多め)

  • 不特定多数に配信する映像であるため、特定の人に見せなければならない映像とは異なり名人芸的な技術=意外と属人的な映像編集作業が多いと思われる。特定社員が毎日時間に追われながら作成

朝6時10分頃…スポーツニュース

  • これも毎日時間の制約があっての「名人芸的な作業」。バドミントンや卓球のペアが「オグシオから、もう何十年も前から名前2文字ずつのつなぎ合わせ」なのも、別に流行らせようとしているわけではなく、制約の中で「手慣れていて社内の通りが良い手法」を使わざるを得ないだけの話。

朝6時15分頃…大谷翔平関連

  • 正直、作り手も毎日の繰り返しに飽きているが、そこそこ注目されており視聴率もよいため新しい仕掛けができない状態。毎日毎日「大谷の活躍」「大谷の良い人ぶり」にとにかくフォーカスを当てる映像作り作業(作業だが、決して簡単ではない)の繰り返し。上層部からは「この時間帯の視聴率」について色々な意見が降ってくるが、どう変えてよいのかなど具体的な戦略は何もないため、担当者としては「大体同じコンテンツ」を毎朝流さざるを得ない。

2.奇跡体験アンビリバボーの裏側を想像する

割と話題になる「日本では知られていない海外の事件」関係。海外から映像を買っているのかと想像していたら日本で撮影しているとの事。その裏側はおそらく下記の通り。

  • 日本在住の外国人(もしくは日本人だが外国人的な容姿の方々)俳優は意外と多い。彼らは一般に知られておらず、金額を抑えての出演依頼が可能。

  • あえて吹き替えする理由…セリフがないがゆえに、演技の難易度は格段に下がる。撮り直しは最小限として撮影を終了させられる。不足分があればかなりの程度ナレーションで補填できる。

  • 撮影した映像をもとに、声優(実力はあっても知名度が低いため、上記同様金額を抑えての出演依頼が可能)でのスタジオ収録を実施する。

  • 最期にまとめてのナレ―ションを収録。

  • スタジオ側出演者の撮影を実施する。アンビリバボーにおける収録スタイルを観察すると「極論すれば撮影した映像を観なかったとしても、放送作家の作った台詞を『役』として演技してもらい撮影することで、極めて短い時間での収録が可能」という事に気づく。(以前までモノローグの未収録していたビートたけし氏の場合、リテイクもおそらくなく数分で収録可能と思われる)

上記全部「ただの私の想像」です。
でも、私は確信してます。「映像作る人も大変だな。特に予算がないと本当に制約だらけなんだな。毎日毎日の仕事に追われて、とても自分の思う『表現』を出すことなんて無理だろうな。結果的に、フジテレビは沈んでいく、という訳だ」

…何と言うか「ギョーカイ人の『手慣れた手法』による傲慢」だと思い込んでた時の方がマシだなと思いました。うーん。誰もハッピーじゃなさそう。

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