本。才能の正体

今日は本の話。『才能の正体』(坪田信貴、幻冬舎文庫)を読んだ。

「あの人は才能があるなぁ」と思ったり、「自分にはどんな才能があるんだろう」と思ったり。生きていく上で「才能」というものについて考えたことがある人は多いのではないかなと思う。

この本では「才能」とは何なのか。「才能」を見つける、出現させるにはどうしたらいいのかについて書いている。著者の名前は全然知らなかったが、あの『ビリギャル』の先生らしい。読んだことはないものの、ビリの成績だった子が何だか頭のいい大学に受かった話というくらいには知っている。その子は才能があったから、地頭が良かったから受かったのか?著者は「生まれた持ったものが優れていたから」ではなく、「努力や周りの人の協力のおかげ」だと書いている。

そもそも「才能」とは何なのか。著者曰く、『「能力」が高まって人よりも飛び出たり尖ったりした部分のこと』らしい。決して「持って生まれた、すぐれた能力」ではなく。生きていく上で能力を伸ばしていき他人よりも突出した部分を認めたとき、人はそれを「才能」と感じるらしい。

読んでいてなるほどなぁと思ったが、私たちの言う「才能」は結果ありきなのである。結果を出した人を見て「あの人は才能があるなぁ」と感じる。その人が影でどれだけ努力したのかとかを見ずに、ただ、結果が出ているから「この人は私たちと違ってこの才能を持っていたのだろう」と判断する。同じ努力をしても結果が出る人と出ない人はいるわけだから、その努力がその人に「合っていた」のは確かだが、そこには観察や練習や努力があるわけで、決して生まれ持ったものだけでそれを成し遂げたわけではない。

「才能」というと「選ばれた人だけが持っているすごいもの」というイメージがあるが、その影には必ず練習や努力や継続し続ける何かがついてくるのである。逆に言えば、やり方やそれを伸ばす術を知っていれば、誰でもある程度は伸ばせるものということにもなる。

そもそも人それぞれ興味や関心が違うわけで、誰にでも必ずどこかに「人よりも尖っている部分」があるのである。それを伸ばす術を知り、伸ばしていけば、それは「才能」になりうる。

正直、この本を読んだだけで「才能が開花する」なんてことは無いと思う。いろいろ実践方法を書いてくれているけれど、読んだからと言ってすんなり何事もなく実行できて結果が出るものではない。自分で実践しようとしても手探りだし試行錯誤が必要だなぁと思う。よくわからない部分も多い。けれど、自分の周りの才能を見つけよう、育てよう、という気持ちにはなれるのかなと思う。

まず必要なのは、きっかけ。物事の見方。今までとは違う「才能」の見方をすることが最初の一歩で、そのために読むには良い本なのかなぁと思った。

自分の家族の尖った部分、どんなものがあるのかなぁ。読んで数日、今までとは違った視点で見てみるものの。今のところ特に見つからないのである。「やりたい」と思ったことに丁寧に向き合えば、何かしら自然と尖ってくるのだろうか。


ではまた明日。