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かんがえないこともある-13 12.3

12.3(月)

文章が思うようにかけなくて、落ち込む。

とうとうかんがえことは「12」で途絶えてしまうのか、1回くらい、まいっか、が発動したら最後、ほんとうに続かなくなっていくのは目に見えているので、少しかきかたを変えることで、何とか1回分を保ってみることにする。


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先週はとにかく忙しく、次から次へと止まることのない注文に追われていて、仕事を終えても頭は冬物のことばかり、ぽわぽわとかんがえことしている隙間は、なかった。


一日がおわり、また朝がきて。気がつくと、開店前の店の前で、つい先ほどまで催されていただろう誰かの祭りの後を、静かに片づけているのだった。


ふと、朝、おばあさんが落ち葉をほうきで丁寧に掃きならしている様子を思い出し、ごみが「ごみ」になるまでのことを思った。


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都会はどこまでも無機質で。PCに向き合っているだけでは、じぶんもどんどん心が四角くなっていくのが、わかる。

そんななか、この日はPCメールをはなれて、FAXでやりとりしたりなどしていた。

普段のメールならいらっとしてしまうような細かい指示も、手書きで書かれた返信は、おだやかに受け入れられるから不思議だった。「何度もすみません」の文字の横で、申し訳なさそうにする顔。


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ひさしぶりに、高級筆記具を、包んだ。

そこにいない誰かを見ながらのやりとりに、心はほぐれる。

本当はこれが、私のしごとのはずだったのだけれど。いつもこの場面で、忘れていたことを、思い出させられる。


「お姉さんなら、どれがうれしいです?」


ありがちな質問に、「これで一度帰ってまた戻ってきて ”これ、お姉さんへプレゼント” っていういまやドラマにもならないようなシチュエイション」を想像してみたりする。


とにかく、うれしくて、もうすこし磨いていたかった。


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頭のなかは冬物のことばかり。そして洋服の次はノート選び。物欲に支配されている。

しかし、ノート選びは、人生を左右する。なにかを始めるというとき、すべてはノートをさがすことから始まる。

サイズはA6。毎日持ち歩くにはB6でも少し大きい。文庫本と同じサイズで、収まりも良い。使い終わって棚に差したときのことを考えて、できればリングより背表紙があるものが良い。前からめくり、後ろからもめくり、書きすすめてノートが「出来上がっていく」過程を想像する。そしてシンプルで良い革のカバーがあれば、なお良い・・・

と、こだわりはじめたらきりがなく。


ただ、ひととおりイメージして行きついたのは、凝ったものよりも、潔くキャンパスノートをさらっと使いこんでいるひとがとてもかっこよく見えるということ。

初心にかえって、かんがえかたをシンプルに、ニュートラルに。


日記の文章も、日々も、おなじように・・・



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