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視力2.0

本稿のタイトルは、何でもかんでも書名に「○○ 2.0」って付ければいいと思っている昨今の安直なビジネス本に触発された訳ではありません。ICL手術を受けて私が獲得した数値です。

「2.0」か「○○力」を付ければいいと思っている

2022年8月、視力矯正のICL手術を受けた際の備忘録をここに残します。これを投稿するためだけにnoteのアカウントを作りました。
何故そこまでするのかというと、皆さんにICLの素晴らしさを知ってもらいたいから……ではなく、この記事を読んで興味を持ったあなたがICL手術を受けた場合、あなたには3万円の割引が適用され、私には2万円の紹介料が入るからです。
私の手術費は50万だったので、25人を病院送りにするまでこの戦いは続く。何卒よろしくお願いします。

ICL手術とは

ICL(Implantable Contact Lens)手術とは、眼球内にコンタクトレンズを埋め込んで近視を矯正する治療法です。

https://eyeclinic-tokyo.jp/icl/#icl_direction

視力矯正手術といえばレーシックのほうが有名ですね。
ICLはレーシックと比較すると、ドライアイになるリスクや元の視力に戻ってしまう可能性が少なく、万が一白内障になってもレンズを取り出せば元の状態に戻せる点が優れています。私はスマホと同じくらい目薬が手放せないドライアイ持ちなのでレーシックには抵抗ありました。
逆にレーシックの優位性としては、歴史が長いので症例数が多く予後のデータが豊富なことと、何より費用が安いことです。後述しますが、レーシックはICLの半額くらいで受けられます。

手術のタイミング
私がICL手術に興味を持ったのは2015年のこと。メガネは死ぬほど似合わないし、日々のコンタクトは煩わしい。災害や紛争に巻き込まれて避難所生活になるかもしれないし、石化光線を浴びて数千年後の地球に送られるかもしれない。サイボーグ化への欲求は年々強まっていくばかりでした。
早めに受けるほど今後のコンタクト代などのランニングコストを削減できるので「早く受けて〜」と思いつつ、視力はずっと低下を続けていたので下げ止まるまでタイミングを窺っていました。
ICLを知ってから7年の歳月が過ぎた2022年7月。ここ3年ぐらいはコンタクトの度数を変えることがなかったため、頃合いと判断しました。

クリニック選び

私が選んだのは湘南美容クリニック(SBC)系列の「新宿近視クリニック」です。

筆者と同郷(鎌倉市)の相川佳之総括院長

美容外科医を“金の亡者”と決めつけ、『好きな言葉は情熱です』というCMが流れるたびにチャンネルを変えるほどSBCを毛嫌いする家庭に生まれ育った私が、SBC系列クリニックを選んだ理由は下記の通りです。

①執刀医の技術
当初は技術が確かそうな大学病院が良いな〜と考えましたが、手術費が高額なうえ白内障治療がメインで近視矯正手術の執刀数はあまり多くないようでした。
病院の規模よりも執刀医の技術・経験を重視し、ICL/レーシックに特化したクリニックでバンバン切りまくってる医師にしようと考えました。

②SBCグループの財力
美容医療法人の中で第1位の売上高を誇るSBCグループということで、その資本力に対する信頼もありました。最新の機器を揃えたり万一の時の保障であったり、お金があるに越したことはありません。例えそれがルッキズムを煽ってかき集めたお金だとしても……。

③トンズラの危険がない
新興のクリニックと異なり、自分が手術を受けた後に早々と閉院してしまい、その後のフォローアップが受けられない等のリスクもSBCグループなら限りなくゼロに近いと考えました。

(長々と書きましたが、ほとんど後付けです。知人がSBCで受けていたため、紹介割引を期待して安易に決めました。)

受診から手術まで

早速SBCの会員登録をして、無料の事前カウンセリングを予約しました。電話など使わずWebで完結できたのがとても楽。
目のコンディションを整えるため、受診の3日前からコンタクトを外すようにとの指示を受けました。
カウンセリング当日、視力検査や眼圧測定を済ましたあと、生まれて初めて「瞳孔を開く目薬」というものを点眼しました。散瞳薬と呼ぶらしい。余談ですが、「瞳孔が開く」って聞くと不死川実弥みたいなパキった四白眼を想像しませんか?

宇髄天元の次に好き

実際は下図の右側のように、黒目の中心にある黒い部分が大きくなることを指します。

https://medical.jiji.com/topics/amp/1875

散瞳薬の点眼後しばらくすると、目が老眼のような状態になり、近くのものにピントが合わなくなります。手元のスマホの画面が見れず、腕を目いっぱい伸ばしたり床にスマホを置いたりしていましたが、眼鏡を外してスマホを眼前に持ってくることで解決しました。 老眼の方の気持ちがよくわかりました。

その後、眼科医から手術のリスクや留意点などの説明があり、手術を受けるかどうかの意思確認が行われます。受診前から色々調べて覚悟を決めたうえで来院したので、迷わずGO。行けばわかるさ。

承諾書の記入と予約金の支払いを行い、手術日を決定します。レンズの在庫と執刀医のスケジュールにもよりますが、早ければ2週間後にでも受けれるようでした。私は大事なライブの後が良かったので、約1ヶ月後に設定。

ICL手術に不向きな人

問診票に「格闘技はしますか」という質問がありました。
眼内にレンズを入れるため、強い衝撃を受けるとズレてしまう可能性があるらしいです。そのため、格闘技やコンタクトプレーが発生するスポーツ(サッカー、ラグビー等)をガチでやってる人は、レーシックのほうが適しているようです。
言われてみれば、朝倉未来も本田圭佑もレーシックだったなあ。阪神の糸井が視力1.5あるのにレーシック受けて2.0にした話むちゃくちゃ好き。

費用

手術代は度数と乱視の有無で決まります。
私は両眼ともに−5以下の度数だったため、53万7千円(税込)となりました。
↓は新宿近視クリニックの料金表です。やはりレーシックに比べると倍くらいしますね。※2022年8月時点。自由診療のため変動します。

ICLの料金表
レーシックの料金表

手術代に追加して目薬代や診察代、術後の保護メガネ代を請求するクリニックもあるようですが、新宿近視クリニックではこれ以外は全く取られませんでした。明朗会計素晴らしい。

紹介割引

知人からの紹介で契約したので、紹介割引で3万円が引かれ、総額は50万7千円となりました。53万も50万も大差ないように思えますが、日々の暮らしからすると3万円は大金です。
ぜひ(私からの)紹介を活用いただき、3万円を結婚式のご祝儀にあてたり、AirPods Proを買ったり、熱海へ一泊旅行に行きましょう。
面識のない方でも、ここまで読んでくれたあなたはソウルメイトです。お気軽にコメント・Twitter等でご連絡ください!!

現金割引

手術代を現金一括で支払うと割引を受けれると聞き、パンパンの財布で向かいました。

しかし現金割引のサービスはすでに終了していました。その代わり、現金で支払うと5%程度のSBCポイントが貰えるとのこと。SBCポイントは脱毛や美容品の購入に使用できます。
なおSBCは楽天と提携しているため、楽天カードで支払うと2%ほどポイント還元されます。ケツ毛脱毛が頭をよぎりましたが、楽天ポイントを選んでカードで決済しました。

手術の流れ

事前準備:ICL手術は侵襲が少ないとはいえ、眼球を傷つける手術です。傷口からの感染症を防ぐため、手術の3日前から抗菌薬を1日4回点眼します。

受付(11:30)

そして迎えた当日。受付を済ますと待合室に通され、抗菌薬・散瞳薬を4度ほど点眼しました。

麻酔・診察(12:30)

受付から約1時間後、手術の準備開始です。
暗い個室に通され、高級そうなリクライニングソファに座り点眼麻酔を受けました。局所麻酔なので眠くなることはありません。
眼球の感覚がないものの瞼の感覚はあるので、瞬きすると空を切っているような不思議な感じでした。
そして次は医師の診察です。眼の状態を確認した後、「目に印をつけますね」と言われ、目を見開いたままペンのようなもので黒目に印を入れられました。「目印」という言葉はお馴染みですが、文字通り目に印を書かれるというのは初めての体験でした。

手術(12:50〜13:10頃)

個室に戻り先生方の準備が整うと、いよいよ手術室に通されました。瞳孔を広げていたため真っ白い手術室は一層眩しく感じられ、SF映画の宇宙船内のような光景でした。
リクライニング式の手術台に座り、ほぼ体が水平になるまで倒します。
そして瞼にシールを貼って、反射的に瞬きをしないよう固定されます。

『時計じかけのオレンジ』(1971)

また目以外の顔面を覆うように目抜きのシートを被ります。

※画像はイメージです。筆者の思想とは一切関係ありません。

眼球に消毒液が流し込まれ、瞼の周辺を殺菌シートで丹念に拭いてもらいました。

そして眼前に手術用の顕微鏡がやってきます。光が照射されるとあまりの眩しさに目を逸らしたくなってしまいますが、指示通り正面だけを向いて、できるだけ眼球を動かさないよう努めました。
ただあまりに視界が真っ白のためどこが正面なのかもわからない。また目の前で機械らしきものが動くとつい目で追ってしまいそうになります。
執刀医の技術よりも、自分の多動癖が発動して手術を台無しにしてしまうことのほうが心配でした。不安と緊張で鼓動は高まり、叫びたい衝動に駆られる。ゆっくり深く鼻で呼吸することで平静を保ちました。DEATH NOTEのミサみたいに拘束してほしかった。

まず眼球内にレンズを入れるために3mm程の切れ込みを入れます。レーザーメスにより、白と黄と黒と赤のマグマのような光景で視界が埋め尽くされます。
切開創から折り畳んだレンズを入れると中で開きます。

https://morii-ganka.jp/advanced/phakic_iol/

レンズの位置と黒目をピッタリ合わせるために目をグリグリされます。麻酔を受けているため痛みはないですが、意識は鮮明なので本能的な不快感はあります。
レンズを入れた後、津波のような消毒液を再度目に流し込まれ手術は終了です。

安静・退院(13:30〜14:00頃)

眼球の状態を確認したのち、別室のソファーにかけ20分間安静にするように指示を受けました。「できるだけ目は開かないでください」とのことだったので、じっと目を閉じて待っていました。
手術の緊張と興奮は冷めやらずとても長い時間に感じられましたが、BGMで流れていた「名もなき詩」のオルゴールが癒しでした。「あるがままの視力で生きられぬ弱さを~」と脳内の櫻井さんが歌っていた。

安静期間が終わったあと再度診察を受け、特に異常が認められなかったので「翌日の検診でまたお会いしましょう」と挨拶を交わしクリニックを後にしました。
外に出ると真夏の昼間ということもあり太陽が一層眩しく感じられました。まだ瞳孔が開いているためです。 帽子やサングラスなど直射日光を遮るものを用意すれば良かったと後悔。
吸血鬼さながら日陰や地下道を這うように進み、何とか駅にたどり着きました。
視界は白いモヤがかかっているようで、ぼやけて感じられるものの電車を乗り継いで帰るぶんには全く問題ありませんでした。 自転車や車の運転は絶対に避けましょう。
電車に乗ったのが14時頃。受付は11:30だったのでトータル2時間半ほどのスピーディーな施術でした。休日だともっと掛かるかも。

クリニックの感想

クリニックは清潔感があり、スタッフも皆さん親切で安心して手術を受けることができました。事前相談の際は手術をゴリ押しすることもなく、こちらの意志を尊重してくれた点も好印象でした。
肝心の手術ですが、幸運にも屈折矯正の本場・アメリカで修練を重ねた先生に執刀してもらえました。体感時間は長かったものの手術はあっという間に終了。手術時間が長いほど角膜へのダメージは蓄積し、将来の白内障のリスクが高まるためスピーディにやってもらえて一安心です。
紹介割引のためのポジショントークと思われても仕方ないですが、私自身は新宿近視クリニックさんを選んで良かった!と自信を持って言えます。

術後の様子

①手術当日

術後当日は異物感が強く視界も不明瞭なため、苦痛な時間でした。
「この感じが一生続いたらどうしよう」と不安に駆られますが、見えづらいのはこの日だけなので大丈夫です。
帰宅すると、抗生物質と痛み止めを飲み、まだ15時頃でしたが早々と床に就きました。
術後は本を読んだり映画を観たりして過ごそうと思っていましたが、視界がまだ白く濁っていてはっきりと物を見れないので諦めました。
目は痛むというか染みる感じで、目を開いているのがしんどいです。
目ヤニが赤く濁っていたので眼球を確認すると、赤くなっている箇所がありました。ここが切開創?

プライバシーを考慮して眉毛にボカシを入れています

②手術翌日

目覚めた瞬間に勝利を確信しました。
異物感ゼロ!視界良好!
翌日検診でも異常なし。視力を測ったら人生初の2.0を叩き出しました。
コンタクト時よりも視力が上がったため、世界の解像度が1080pから4Kに変わったような気分です。
ようやくこれで胸を張って人にオススメできます。

安静中のオススメの過ごし方

手術後は目を保護するために色んな制限が課されます。
①入浴:洗顔・洗髪は3日後からOK。デートは延期しましょう。肩から下だけなら、当日から入浴可能です。
②運動:ジョギング・ウォーキングなど低~中強度の運動なら1週間後からOK。プールは雑菌が入るリスクが高いため、1ヶ月空けるように言われました。
③外出:出かける際、術後1週間は↓の保護メガネを着用する必要があります。これはクリニックから貰えます。もっと作業用ゴーグルっぽいのかと思ったら普通のメガネでした。

少し頼りないくらい普通のメガネ


目に負担が掛かるため、当日は読書・映画・ネットサーフィンは控えた方がいいでしょう。
私は記憶が鮮明なうちに記録したいと考え、Google音声入力で手術の感想を口述していきました。このレポートの大部分は、横たわっている時の私の呻き声を下敷きにしています。
また折角の機会なので、これまで試したことのなかった「Audible」を体験してみることにしました。AudibleとはAmazonが提供するオーディオブックサービスで、イケボが本を読み上げてくれます。視覚が制限された状態にはもってこいの娯楽です。前から気になっていたジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』をチョイス!

……術後の疲労と心地よい美声のおかげで速攻で寝てしまいました。マオリ族がモリオリ族を食べちゃったところまでは覚えています。そもそも大学の授業もろくに聞いてこなかった人間がAudibleに向いているわけなかったので改めて本を買おうと思います。

手術を終えて

まだ一週間後検診を控えている身ですが、現時点では受けて良かったという感想に尽きます。
ただ術前から言われていた通り「ハロー・グレア現象」が少々やっかいです。

https://www.hirabari-ganka.com/lens/

濡れた眼鏡をしている時になるような、光の輪っかや放射線状の光線が見える現象です。夜間のヘッドライトなど、闇の中の光を見た際に特に顕著に現れます。
1~3ヶ月ほどで慣れると聞いていますので、もうしばらく様子をみてみます。

長らくお付き合いいただきありがとうございました。
興味を持った方はお気軽にご連絡ください。
共にサイボーグになりましょう。

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