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ブロッコリーは茹でるのがベター?

寒い季節においしい野菜、ブロッコリー。さて、どのようにして調理するか。イギリスのシェフ、ヘストン・ブルメンタールは「ブロッコリーの風味化合物の多くは水溶性のため、茹でない方がおいしい」と説明しています。

この事実は簡単な実験で確かめることができます。ブロッコリーを茹でるとたしかに部屋にブロッコリーの香りが漂います。親水性の風味化合物が溶け、揮発しているからでしょう。一方、ブロッコリーを素揚げした後に残った油脂を観察し、少し味見をしてみると(おいしいものではありませんが)色素や風味が油脂に溶けているのがわかります。これは一体、どうしたものか?

カリフラワーやアスパラガスに代表される野菜は風味が水に溶けるので、茹でるよりも油脂を使って料理をするのがベターです。一方、テルペン類、エステル類、硫黄化合物などは疎水性なので水には溶けず、茹でてもOKな野菜(さやいんげん)もあります。ブロッコリーは中間的な性質なので、どちらの調理法も可能。蒸し焼きにするのがベストかもしれませんが、茹でるのもベターなのです。

その前にソースの材料と仕上げに振るパルメジャーノチーズを準備しておきます。

ベーコンのビネグレットソース
 ベーコン 2枚
 EVオリーブオイル 大匙2
 赤ワインビネガー  大匙1
 塩、胡椒 お好みで
パルメジャーノチーズ お好みで

ブロッコリーは外側の葉や軸の部分を切り落とします。この時、軸はなるべく長く残 すようにしてください。軸の部分まで包丁を入れて、後は手で割ります。

こんな感じ。今度はこれを二分の一にカット。

というわけで4分の一の大きさになりました。茹で上げブロッコリーは軸の歯ごたえ
のある触感と花蕾(ブロッコリーの緑の部分は花のつぼみです)のやわらかさのコン
トラストが命。

鉛筆を削るようにして軸の部分の皮を剥いておきます。皮が固いのは写真の白い部 分から右側。見ただけでわかります。

ボウルに水を張り、振り洗いをします。ブロッコリー、意外と土や埃が花蕾や茎に残 っていますのでこの工程は手抜きをしないように。流しの下で水をかける程度では汚 れは落ちません。また、ボウルの水ごとザルにあげる行為は厳禁。ボウルの底にたまった埃や土が表面に再び付着してしまいますから。

余談ですが、軸の部分は外側の繊維質の部分をとって、輪切りにします。ブロッコリーの繊維は縦に走っているので、それを断ち切ることで軸も柔らかく食べることができるからです。

さて、料理に戻ります。鍋に水1.5Lを沸かしました。水の量は鍋の大きさによって変 わりますが、ちゃんと計りましょう。というのもこのあと加える塩の量がわからなくなるからです。塩は水の1%重量。今回は15g加えます。この塩気でブロッコリーに味をつけます。慣れれば味見をするだけでも 塩の量の見当はつくんですけどね。

並行してソースの準備を進めます。フライパンに細かく切ったベーコンとオリーブオ イルを入れて、中火にかけます。少しふつふつとしてきたら、ブロッコリーを茹で始 めましょう。

この大きさだとブロッコリーの茹で時間は2分が目安。タイマーで計ります。

二分経ったら引き上げ、ここからは時間との勝負です。決して冷水にとらずにキッチンペーパーを敷いたバットに逆さまに置いて、水気を切ります。

水を切っているあいだに、いい香りが出てきたベーコンの鍋にビネガーを加えます。

火を止めて鍋を揺らします。味見をして必要なら塩を足します。胡椒はお好みですが、ベーコンの塩気があるので塩はいらないかもしれません。

熱々のブロッコリーを温めておいた皿に盛りつけ、熱いソースをかけます。そこにパルメジャーノチーズをすりおろします。

できあがり。急いでテーブルに運び、温かいうちに召し上がっていただきます。茹で上げブロッコリーには卵黄やオランデーズソースを添えてもいいですが、ベーコンの塩気だけのほうがブロッコリーの味が生きるような気もしますね。

今回は手軽なベーコンを使いましたが、ブロッコリーはムール貝やハマグリなどの貝類との相性もいいので、ソースを工夫するのもいいかもしれません。熱々の状態で提供すると食べてくれる人もおいしいといってくれるはずです。余談ですが最近のレストランは盛り付けに時間をかけているせいか、ぬるい料理が多すぎませんか?

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!