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ズッキーニの60分焼き

夏野菜のズッキーニ。皮をよく焼くとおいしい、という記事を前回書きました。

今回は久しぶりにまったく参考にならない調理法紹介。1時間焼くことで、ズッキーニの持ち味を引き出します。アルページュのアラン・パッサールの火入れ方法に習いました。

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走りの時期のズッキーニはやわらかいので、輪切りにするよりも縦に切るのが美味。

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縦に半分に切ります。

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オリーブオイルを少量敷いたフライパンで加熱を開始。火加減は弱火です。静かに火を入れていきます。お店だとプラック(鉄板)にオーブンペーパーを敷き、その上で加熱しますが、フライパンでもまったく問題なし。

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30分経過しました。この状態だとまだまだ。ズッキーニ自身が持つ糖分でキャラメリゼする感覚で火入れを続けます。

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途中でバターを足します。このときのバターは有塩です。加熱に有塩バターを使うとほのかな塩味がついてよいのです。もちろん、無塩でもかまいませんが、その場合は少量の塩を振ります。

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45分経過。これくらいまでカラメリゼできればOK。ほとんど焦げているのでは、というくらいまで焼いても大丈夫です。裏返して15分間、皮目もしっかりと焼きます。

アルページュの料理に焼いたズッキーニとバナナを組み合わせた料理がありますが(パンデピスというスパイスが利いたお菓子を角切りにして一緒に加えます)、このズッキーニも見た目はちょっと焼きバナナのようです。

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付け合せ兼ソースをつくります。新玉ねぎをバターで炒めたところにグリーンピースを加えて、、、

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少なめの水を加えて煮詰めます。仕上げにグレープフルーツがあれば実を小さく切って加えてください。バターが入っているので煮汁がとろりと乳化するはずです。塩で味を整え、白胡椒で香りをつけます。

ここにうなぎの燻製を刻んだものも一緒に入れた料理もあり、それも美味です。日本ではうなぎの燻製は手に入らない(資源的にもこうした料理で食べるべきではないでしょう)ので、ベーコンで代用する形になるか、と思います。

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皿に移してからフルール・ド・セルで味付け。粒が大きい塩を溶け切らないうちに提供するのがポイントです。1時間焼いたズッキーニは表面は香ばしく中はとろけるような食感。低温で長時間加熱することで、ズッキーニから違った個性が引き出せます。

野菜を焦がすというのがポイントですが、内側に水分は保った状態にする必要があります。そのために皮が重要な役割を果たします。皮がついていることで水分の蒸発を防ぎつつ、身側をキャラメリゼできるのです。必要なのは忍耐力だけ。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!