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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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2020年9月の記事一覧

具なしパエリアの作り方

ISETANさんのサイトにパエリアのレシピを掲載していただきました。クックパッドに載っているレシピが炊き込みご飯ばかりだったので、正統派のパエリアの作り方を模索しています。 PVに貢献すべく読んでいただけるとうれしいのですが、この記事のパエリアは26cmのフライパンを使用することが前提です。このパエリア、色々と実験したのですがフライパンの表面積と火加減によって、水分が蒸発するスピードをコントロールすることが成功のポイントのよう。 このレシピも美味しいのですが、日本人的には

海塩が決め手のみかんのサラダ

ハウスみかんシリーズの続きです。試す場合はみかんが旬の時期に作ってみてください。 前回はこちら。今回はみかんをサラダに仕立てます。地中海圏に行くとオレンジのサラダがありますが、オレンジ→みかんに材料を変えただけです。味の決め手はマルドン塩。 マルドンはイギリス、エセックス地方でつくられている塩。結晶が大きく、サクサクした食感が特徴です。今では世界中のレストランで使われています。日本でも簡単に手に入ります。 みかんの頭とお尻を切り落とします。 皮を剥いていきます。この剥

ポークリエットを添えた長芋のステーキの作り方

最近、スーパーで使い切りの長芋が売っています。 長芋は切り口が酸化すると褐変してしまうのですが、小分けパックは脱酸素剤が入っているのでかなり長持ちするんですね。生で食べられる唯一のイモ類なのでおろしてとろろにするのが普通ですが、今日はステーキにします。 皮を剥いたほうが香ばしい面が増えておいしいのですが、生の長芋をさわると手が痒くなったりしてストレスになるので、皮付きのまま調理にします。ひげ根はガスコンロの直火で炙って、焼き切ってしまいましょう。その後、表面を水で洗ってか

焦がしバターと焦がしバターパウダー

料理において「乳化」というのはおいしさのベース。非常に重要なものですが、積極的に乳化を壊す料理法もあります。焦がしバターがその一つ。 バターを加熱していくと乳糖+タンパク質がメイラード反応を起こし、褐変色素と新たな香りがつきます。これが焦がしバターです。フランスでは中世から使われているソースで、マドレーヌみたいなお菓子にも風味付けに使われます。 ところで焦がしバターをつくると黒いつぶつぶが浮かびます。お菓子の職人は美的な見地からザルで濾してしまいますが、それを味見してみる