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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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2019年8月の記事一覧

三つ星級の卵料理『アルページュ・エッグ』

卵料理には様々な加熱方法がありますが、今日は個人的に気に入っている三ツ星レストラン「アルページュ」のシェフ、アラン・パッサールさんの卵料理をご紹介します。「卵のショーフロワ キャトルエピスとメープルシロップ風味」という料理です。冷たいクリームと温かい卵黄という組み合わせの料理です。 この料理、現在は『アルページュ・エッグ』という名前で世界中のレストランでオマージュされています。例えば同じ三ツ星レストラン「Manresa」のシェフ、デヴィッド・キンチさんはカルフォルニアのレモ

ペアリング用ノンアルコールドリンクを考える その6『ルバーブ フローラル』

ノンアルコールペアリングシリーズです。実際問題として、ノンアルコールを提供する場合は仕込みがネックになります。というのもアルコールやソフトドリンクは極端な話、買ってくるだけ(もちろん、そんなに単純な話ではないってことはわかってますよ!)ですが、例えば果物をベースにノンアルコールをつくるとすると事前の準備や保存などがネックになってきます。 そこで活用していきたいのはジャムなどの保存食。 今回はルバーブのジャムをベースにロゼワイン風のドリンクをつくります。 ルバーブ フロー

ごうしゅいも(源平いも)の塩煮

日本で食べられている野菜は大きく「F1種」と「在来種」の2つ。F1はFilial 1 hybridの略で、異なる品種を交配するとその一世代は形質が安定する(小学校で習うメンデルの優性(顕性)の法則を思い出してください)性質を利用したもの。F1種は品質や収穫時期を揃えたり、病気への耐性がある品種を交雑させることもできるので、一気に普及しました。 一方の「在来種」(固定種とも言います)は地域で育てられてきた作物。こちらは地域で何世代も受け継がれていくなかで、人間にとって都合のい

ノンアルコールペアリング研究その5「麹を活用した日本酒風ドリンク」

さて、ノンアルコールペアリング研究第五弾です。前回まではワインをノンアルコールに置きかえるアプローチをとりましたが、今回は日本酒です。日本酒のなかの糖度、粘度、甘さや酸味をノンアルコールの材料で置き換えていく形です。 味の土台になるのは甘酒です。麹を活用したノンアルコールは以前、Grisというお店で当時ソムリエをしていた外山さんという方が考案されたドリンクで、このレシピはそれがベースになっています。 甘酒は米のデンプンを麹によって糖化させたもの。この状態では酵母が介在しな

ネクタリンとスナップえんどうのサラダ

ネクタリンとスナップえんどうを使ったサラダです。その前にリクエストがあったフレンチドレッシングのレシピをご紹介します。これ、僕が研修していたお店で常備していたドレッシングで、ここにアンチョビやパセリのみじん切りなどを加えて変化をつけていました。お店使用のレシピのため分量は多め。あくまで参考として受け止めてください。 白ワイン 50cc→煮詰めて20cc 白ワインビネガー 20cc 塩        10g 玉ねぎのみじん切り 20g サラダ油     160cc 基本のド