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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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2019年1月の記事一覧

ほうれん草とヘーゼルナッツのプラリネ

冬に甘みが増すほうれん草。というか、この時期以外のほうれん草を無理に食べる必要はないのかも、よいう感じ。冬以外の時期にほうれん草を食べるなら冷凍品の方がおいしいくらいです。 今日はほうれん草をバターソテーし、ヘーゼルナッツのプラリネを添えます。オリジナルはアラン・パッサールのレシピ。まずはほうれん草の下処理から。 ほうれん草は葉を軸から外します。この時、葉脈を持って引っ張るようにすると硬いスジがとれます。ソテーには葉だけを使い、軸は別の料理に使います。 たっぷりの水で洗

ピクルス液活用法1『ブールブランソースに転用する』

以前、紹介した『赤玉ねぎのピクルス』をつくるとピクルス液があまります。野菜のエキスが出ている関係で、酸が薄くなっているので、そう何度も野菜を漬けることもできません。 このピクルス液、活用法はいくつかあるのですが、今回は魚料理のソースにします。 ピクルス液を使ったブールブランソース ピクルス液 100cc バター   30g ブールブランソースはすでに紹介済みですが、基本的にエシャロット+白ワインビネガー+バターでつくるソース。人によってはそこに白ワインや野菜のブイヨンを

肉料理にあうハイビスカスソース

今日はハイビスカスソースのレシピです。一般家庭ではあまり使い道がないかもしれません。肉料理とタイトルに書きましたが、ビーツなどの野菜にもよくあいます。オリジナルはアルページュのアラン・パッサールのレシピ。 通常のソースは赤ワインなどのアルコールを煮詰め、そこにフォンを足し、バターで 仕上げますし、果実を使ったソースは砂糖とビネガーを焦がし(ガストリック)、そこ に果物のジュースとフォンを加えて煮詰めてつくります。このハイビスカスソースの作り方はそうしたフランス料理の基本のソ

塩の味はみんな同じは本当か?

昨日はピースオブケイク本社でイベントに登壇しました。関係者、及びご来場者の方にまず感謝を。 イベントタイトルはマガジンハウスより1月17日に刊行される『新しい料理の教科書』の発売にちなんで『新しい料理の考えかた』でした。POC代表の加藤さんとの対談した内容については別途、記事になるようなので、その時はまたご報告しますね。 さて、今回のテーマはちょっとこの本とは関係のない内容でして、会場では来場者の方に協力していただいた簡単な実験についてのnoteです。 塩の味はみんな同

目指せフォアグラ、鶏レバーのパルフェの作り方

前回、ご紹介した鶏レバーペーストの別バージョンという感じの『鶏レバーのパルフェ』の作り方です。パルフェというのは聞き慣れない言葉か、と思いますが、デザートのパフェと同じでふんわりとしたクリーミーな感じをあらわす名前です。一時期、こういうデザートの仕立てを料理にするのが流行った時期があったんですが、その名残です。昔、僕が青山にあるお店で研修していたとき、フォアグラのテリーヌを裏ごしして、泡立てた生クリームをあわせた〈フォアグラのパルフェ〉をよく作っていました。(材料がすべて出来

マッシュルームは洗ってはいけない?

料理本にはよく『マッシュルームは洗わず、濡れ布巾などで拭いて使いましょう』と書いてあります。その理由として挙げられているのは「きのこはスポンジのように水を吸ってしまい、香りがなくなってしまうので、洗うのはやめましょう」というもの。 マッシュルームには黒い土のようなものがついているので、洗い落としたら楽なのにな、と思いませんか? この黒い土の正体はポートモスや人工堆肥(コスト的に安価な馬糞を堆肥化させたもので栽培されたマッシュルームも味がいいことでも知られています)で、それぞ