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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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2018年2月の記事一覧

基本のピュレスープ〈ニンジンのポタージュ〉

まだ寒いですが、春ニンジンが出回る時期はもうすぐ。というわけで今日はニンジンのポタージュを作ります。 まずニンジンですが基本的には皮ごと使うか、ピーラーで薄く剥いて使います。市販されている土がついていないニンジンは表面を削ってあるので、皮ごと使ってもまず問題なし。面取りをして使うこともありますが、美味しい部位を取りのぞいてしまうわけで避けたいところ。 ニンジンのポタージュ  ニンジン 150g  バター  12g  水    100cc  牛乳   200cc  塩   

道具コラム『電子レンジ』

数年前、電子レンジを使ったレシピを紹介した時、「身体に悪いのではないか」という意見を複数いただいた。庫内でなにが起きているのかわからないので、不安を抱く人が多いのだと思う。電子レンジの不幸は仕組みと名前が一致していないことだ。この名前は当時「電子」という言葉に高級な響きがある(たしかに電子機器なんて当時は高級品だ)という理由から命名されたらしい。 電子レンジは英語では「Microwave Oven」(マイクロ波オーブン)という。マグネトロンという真空管から24億5000万ヘ

エアポンプで泡料理

『空気を食べる〜ニンジンの泡の作り方〜』ではレシチンを使って泡(アイレ)をつくりました。スティックミキサーかミルクフォーマーの泡立てが時間が多少かかったので、今日は効率よく泡立てる裏技。エアポンプを使ったメソッドを試してみます。 必要な機材はエアポンプ、チューブ、エアーストーンです。参考までに使用した機材はこちら。『ジェックス e~AIR 1000SB』『ジェックス GXー72 ソフトチューブ白4.5m』(長いので適当な長さに切ります)『uxcell エアーストーン エアー

ハチミツのフィルム

最新調理テクニック紹介。『はちみつのキャビア』に続いてアガー(寒天)を使ったフィルムというテクニックです。 アガーは日本人にお馴染みの寒天のこと。ゲル化力が強く常温でも固まります。液体に対して0.05%でゲル化がはじまり、0.1%〜0.15%では半ゼリー状に、0.2%からほぼゼリー状になることを頭に入れておきましょう。90℃未満で溶けるのですが、いったん沸騰させることで状態が安定します。冷ますと70℃くらいからゲル化がはじまるので注意。 はちみつのフィルム  125cc

カリフラワーのリゾット

今日の料理は『choufleurisotto』日本語に訳すると『カリフラリゾット』みたい な感じでしょうか。オリジナルは野菜料理の巨匠、アランパッサール氏のレシピです。 カリフラワーのリゾット カリフラワー 200g(正味) 有塩バター 20g 牛乳 100cc パルメジャーノチーズ 適量 〈付け合わせ〉 マイクロトマト 適量 バター 10g シェリービネガー 大匙2分の1 タイム 適量 レシピは至ってシンプル。ところでカリフラワーのリゾット

レシチンのテクニック(泡を凍らせる)

家庭ではまったく役に立たない最新調理テクニックの紹介です。『空気を食べる〜ニンジンの泡の作り方〜』はレシチンを使ったFoam(スペインで言うところのアイレ)のテクニックでしたが、今日はその応用編。レシチンで泡をつくり、それを冷凍庫で固めます。 凍ったチョコレートの泡  ダークチョコレート 80g  水        200cc  レシチン      2g 写真のチョコレートはミルクチョコレートなのでちょっと色と風味が薄いです。 水を沸騰させ、チョコレートを溶かします。

空気を食べる〜ニンジンの泡の作り方〜

スペイン語で「アイレ」、 英語では「フォーム」、フランス語では「エキューム」と呼ばれる技法のご紹介。大豆レシチンを使ったテクニックはエルブジのシェフ、フェラン・アドリアのチームが開発したもの。 ニンジンのエアー  ニンジンジュース 200cc  大豆レシチン       3g 大豆レシチンはトレハロースやマルトデキストリンが添加されている粉末タイプを使います。レシチンは湿気やすいので、保管の際にはご注意を。ドラッグストアでサプリメントとして売られている顆粒タイプのものは溶