見出し画像

各国間の往来再開はどう進むか-ワクチンより検査が鍵に

 しばらくnoteでのコラムが滞ってしまいました。最近、特に欧州では感染拡大の波が押し寄せてきてしまい「ロックダウン」が再開されるという話になって誠に残念な限りです。(※Photo by Raghav Bhasin on Unsplash

 ただ、ロックダウンといっても学校は閉鎖されず経済活動もなるべく継続するなど、春に逆戻りするわけではありません。また、米国でもここにきて1日あたりの新規感染者数が過去最高となるなどコロナの状況は厳しいものの、例えばユナイテッド航空は感染者が増えても新規予約は変わらず入ってくるようになったといい、またジェットブルー航空も間際化していた予約から旅行までの期間が長くなっている、つまり感染拡大に関係なく旅行するという消費者が増えていることを報告しています。

 また、シンガポールは「ワクチンを待っていてはグローバルハブとしての地位を失う」という強い危機感のもと、香港とレジャー目的を含めて往来を再開させるなど積極的な緩和方針をとっているところです。

 私のメールサービス内でもコメントしましたが、重要なのは直近の欧州の状況などを見聞きして「また振り出しに戻ってしまった」と絶望や焦燥にとらわれないことです。一般メディアはなるべくセンセーショナルに書きたがりますし、一方で業界メディアは物事のポジティブな面にスポットライトを当てようとします。その両方を把握したうえで、なるべく正確に状況を把握することが必要です。

 世界の大きな流れとして、検査で陽性者の大半を網にかけることで(14日間の)隔離を廃止もしくは短縮すること、これは世界各国で同時多発的に報じられており、この方向に進んでいくことは間違いないように感じられます。迅速に結果が出る抗原検査なのかPCR検査なのか、旅行前に受けるのか出発空港または到着空港で受けるのか、などバリエーションはありますが、諸々の負担軽減や検査から現地到着までの間の感染リスクを考えると、到着空港での迅速検査に収斂されていくのではないかと思います。

 ちなみにこれと並行して、デスティネーションや航空会社、ホテルなどによる独自のコロナ保険や、陰性を証明するアプリの開発などの話題も続いていますが、今のところこれが本命と言い切れるような情報は届いていません。

 また、空港での「コロナ探知犬」というアイディアもあり、これが有効であれば一番な気がしますが、今のところ記事を目にしたのはドバイとフィンランドだけです。

 これは私見ですが、上述の米国の動向などを見ていると、旅行への欲求というものはもしかするとこのコロナ程度の生命の危機(他人を含めて)であれば抑えきれないほど強いのかもしれないと思えてきています。そしてこれも根拠はあまりありませんが、ひとたびレジャーを含めて往来が再開されれば堰を切ったように需要が顕在化するだろうと予測しています。(松本)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?