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2019年5月の記事一覧
バーン・トゥ・シンダー! 4
「――なんのつもりだよ」
管制室の扉を開く直前で、巧は不意に振り向いた。
「おやぁ、お久しぶりのご対面なのに随分な物言いですね、たっくん?」
――愉快そうに漏れ出る含み笑いに同調するように、光源と物理法則を無視して己の影が立ち上がる。それは次第に巧の像としての形すら歪め、気づけば彼のものではなくなった影は色素の薄い紫色の髪を伸ばした、無貌の少女の像を取っていた。
――。
――特異点Fを
ばぁん・とぅ・しんだぁす 2
カルデアは静まり返っていた。どこかへ顔を出せば厄介で賑やかな面々が必ず居合わせた頃が、まるで夢のよう。
「どうすっかな」
あてもなく管制室を出たものの、どこへと足を運んだものか。
――ふと耳に入る、騒がしい電子音。
(あれは確か……)
――。
「なんだ、お前かよ」
「あ……マスター」
レクリエーションルーム。
本来、マスター候補生やスタッフらが職務の合間に憩うための設備だったと
Burn to Cinders ジャンクション
――さあ、どこへ行こう。
1.世界を包む炎の消え失せたエントランスから、獣の遠吠えが聞こえた。
2.もはや誰もいるはずのない一室、光と音がこぼれている。
3.通りがかった自室の前で不意に立ち止まる。まさかとは思うが。
4.突然背後から漂う気配に振り返ると、己の影が不自然に伸びている……。
5.“瞳を開け“と告げる声を聞いた。
Burn to Cinders 微睡み
――玉座を残して神殿は崩壊した。もはや獣の兆しはない。
「コフィンからの覚醒に一時間ほどかかったし、筋肉疲労、魔術回路の消耗、細かな外傷は山ほどある……が、キミは無事このカルデアに帰還した」
レフ・ライノールの手で屠られた二〇〇余名のスタッフ、今もなおコフィンでまどろむ四十七人の凍結されたマスターたち、熾烈な最終決戦にその身を投じたメンバーの中でただ一人生じた未帰還者、そして――。
彼……