とら~ぬとくじ引き旅Ⅱ~鹿児島~

「とら~ぬ…現状考えたら流石にやめておいた方がいいと思うぞ。」

実はくじ引き旅は冒頭の1回、私の会社の都合で急に流れたことがある。

47都道府県をくじ引きでめぐる旅、今回はその記念すべき第1弾である鹿児島編の話をしていきたいと思う。


1.なぜ流れることになったのか

前述の伊豆半島1周旅行から数ヶ月(年末だったか)、再び川崎に集まったとら~ぬ一行は原則ルールを決めるのに昼食をとりながら議論をしていた。

とら「とりあえず伊豆半島一周旅行のルールが原則でいいよね?」

ほか二人「うむ。」

このほぼ二つ返事により以下三原則が決まった。

①くじで引いた都道府県に旅行する

②全員の希望地を最低一つ以上入れる

③1日1回は温泉に入る

これ以外にも実はいくつか存在し

・宿は原則1泊1万円前後(ほかの運賃や食費等も含めて予算と相談)

・大阪より西は飛行機

あたりがこれに該当する。

といいつつも記念すべき第1回は友人が引いた鹿児島県に決定した。

実は鹿児島県は全員行ったことがあったのだが(全員高校の修学旅行にて)、実は3人とも共通の心残りがあった。それは

霧島神宮に行っていない」こと。

霧島神宮のある霧島は鹿児島県の北部。行くとなれば鹿児島空港からレンタカーを借りて北上、そこで1泊するつもりでいかないとならない。とすればまずそれで1日。

どうせ行くなら2泊3日にしようと2日目の日程を決める。地図を探していると桜島を1周するとちょうどよさそうなことが分かったのでこれを2日目にする。3日目はこれも全員の希望、仙厳園に行くことで決定。日程も宿もすんなり決まり一安心していた。そんなときだった。



熊本県地震が発生。



鹿児島旅行は発生日から2週間後に決定していた。ゴールデンウィークなら全員日程が合わせやすかったためである。

そこに悪いことは重なるもの。当時私は本社管理部に在籍。旅行3日前に、連絡が付くよう、大型連休中の日程を全部提示しろ、ということになり馬鹿正直にすべて提示してしまったのである。

上司から呼び出される。

上司「お前、本当に行く気なのか?」

とら「一応すべて飛行機の状況から路面状況、余震の可能性等すべて調べました。大丈夫と判断しているので行くつもりです。必要であれば旅程・宿泊先・一緒に行く友人の連絡先もすべて提示します(実際に家で全部まとめてすべて提示した)」

こちらは行かない理由というか意味が分からなかったためにリスク管理等すべてちゃんとしていますよアピールもして課長は納得させた。しかしもうひと壁が越えられなかった。

仕方なく友人たちに事情を説明し、キャンセル料を3人分すべて支払い流れることに。

その後改めて日程を調整し、実際に行けたのは9月の3連休になってからだった。

2.鹿児島上陸から北上~霧島~

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2016年9月、羽田空港。久しぶりに集結した一行は一路鹿児島へ。レンタカーを借りてまず最初に向かったのが現存する日本最古の木造駅と呼ばれる「嘉例川駅」(かれいがわえき)。
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残暑厳しい9月の日差しを浴びるこの駅舎を見ると、急にとなりのトトロのような世界にタイムスリップしてきた気分になる。

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駅舎を通り線路に出てみる。真っ直ぐ抜けたこの線路を一日数本往復するのだという。

ちなみに写真に写っているご婦人一行もなんと静岡からだった。偶然とはあるものだとしばし談笑。

一行は再び北上し、次にやってきたのが和気神社。日本史を選択した人間であれば「和気清麻呂」という人物は聞いたことがあるだろう。その人物にゆかりがある神社であり、ならびに坂本龍馬夫妻が新婚旅行(記録上は日本初らしい)に訪れた場所でもある。

全員に剣道経験者かつ日本史好きとあればこれは立ち寄らないわけにはいかない。神道学部卒業の友人の指導も受けつつ参拝。神社に参拝するとやはり気持ちが引き締まるし、背筋も伸びる気がする。

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その後、この旅では必須としている温泉タイム。寂れているがなんとワンコインでお釣りがくる源泉掛け流しのアツアツ温泉。長丁場の運転の疲れもここで回復。

ちなみにこんなところで少しだけ飲泉。塩味が不思議と心地よい。

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身体も清めたところでこの日最大のメインイベントがこちら。

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霧島神宮である。上の写真を見ると分かるがこちらに着く頃にはやや曇り始めていた。山の天気は変わりやすいらしい。

参道を進むとやはり大雨。傘を持たない主義の私は御神籤コーナーで凌ぐ。

すると数分後…

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本堂ではこの天気。一瞬だけ晴れ、一瞬だけ虹が…!

荘厳な雰囲気に尚似合う、そんな旅の1日だった。

ここでのお守りが実は私麻雀お守りシリーズ第1弾だった(詳しくはとら~ぬと麻雀の記事に書きたいと思う)。

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そして一行はこのホテルにて1泊。宿に着くなり全員で天気予報を確認。


この時、着実にあるものが忍び寄ってきていたのである。


2.桜島~市内へ

2日目。朝起きると曇り空。その後も天気が晴れたり降ったりと気まぐれな天気が続く。

そんな中、酒を飲まない2人を「通り道だから」と説き伏せて寄ったのがここ。

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そう、あの超高級焼酎でお馴染み、森伊蔵の蔵元である。

前夜ホテルでも焼酎バーがあり、一杯呑むぞと立ち寄ったのだが、他のが一杯300円から精々750円くらいだったのに対し、森伊蔵は2,000円。思わず値札を二度見したのを覚えている。

というのも生産能力に限界があり、購入についても「抽選」なのだそうだ。そもそもの出回る本数が少ないのである。

車を駐めさせていただいた土産屋の主人曰く、「二年ちょっと抽選に応募し続けてやっと一本当たったことがある」とのこと。

公式サイトで抽選を受けられるので、鹿児島南部まで取りに行けるという人は挑戦してみてほしい。市場価格よりかなり安く手に入る。

そこからさらに15分ほど南下すると、
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鹿児島のシンボル、桜島である。2日目はここを一周しようという計画になっていた。

桜島へは橋で乗り込むことが出きるようになっており、また比較的一本道なので走りやすい。少し進むと名所の1つが。

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簡単に言うと「火山灰で埋まった鳥居」である。火山活動が盛んな桜島とはいえ勝での大噴火でこれだけの火山灰が積もったかと思うと複雑な思いがある。

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ドライブも中腹まで差し掛かり、途中で車を駐めて10分ほど歩くとこの看板。島全体が国立公園だということをこの看板で知った一行。同時に周囲の溶岩石の雰囲気からやはりこの活火山のすごさを知る。

その後1時間ほどドライブし、島を後にする。

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写真のフェリーの運賃が電車賃ばりだったのも十分に驚いた。そのまま車を走らせ続くのが「天璋院篤姫」の舞台にもなった鶴丸城。

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現在は記念館が立っている程度だが、石垣等は当時のものを残している。

そのまま車を走らせ西南戦争最後の地、城山へ。

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桜島も眺めながら西郷隆盛に思いをはせる。

そのあと友人の希望で訪れたのがここ。

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コンビニで良く売っている「南極白くま」の「本店」。

鹿児島中央駅付近の商店街の中にある。20分ほど並んで購入したがこれは残暑厳しい折には非常に体にしみた。

ここまで満喫したところで鹿児島中央駅付近のリゾートホテルに宿泊。

翌日も順調に進む・・・はずだった。

3.衝撃の事実~3日目の仙厳園~


この時天気予報には衝撃の事実が流れていた。


鹿児島県への台風直撃である。


これを見て搭乗予定の飛行機を1本はやめるか迷った結果、結局同時刻にて搭乗することを決定。今考えれば結構無茶はしている。

というわけで3日目。訪れたのは薩摩藩を語る上では外せないもう1つの場所、仙厳園である。

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中は今でも庭園として整備されており、江戸時代の面影も数多く残されている。

中を散策していると、

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この木刀を見てお分かりの方は中々の日本史マニア。薩摩藩が誇る剣術、示現流である。示現流の修行方法として、このほぼ木の棒とも言って良い木刀(持った感覚からして800g~1㎏ほどだろうか)で息が切れるまで全力で叩ききる。その強さを鍛えるためにこの木材の束をしっかりと振り下ろして打ち付けるのだ。

私も体験。調子に乗って連打し友人に止められる。

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中は1時間半もあればゆっくり探索できる広さ。所々に「天璋院篤姫」のロケ地として使われていたことが示唆されている。

一通り探索したところで併設のある工房へ。

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中央の様子を見ると分かりやすい。薩摩切子の工房である。写真で言うと左側に炉があり、中央で形を整えながら成型。固まったら隣室のグラインダーであの模様を付けて完成となる。つい工場の衛生管理の観点から見てしまうのはやはり職業病なのか(暑熱職場だろうから)。

1通り満喫したところで、飛行機前によったのがこのジョイフル。

関東圏の方には馴染みがないだろうが西日本ではココスばりの強さのあるファミレスである。当然全員初体験。

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最後は車を走らせ空港へ。ひとまず飛行機が飛ぶことを確認しひと安心。この後の飛行機は結局飛ばなかったのでスレスレだったのである。

こうして第一弾が終わった。

以来少しずつペースを保ちながらこのくじ引き旅は続いている。

とら~ぬとくじ引き旅Ⅲへ続く

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