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中秋の名月はいつ?

いきなり脱線しますが、『中秋の名月』であって、『仲秋の名月』ではありません。

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それぞれの漢字の意味を調べてみると。。。

 仲秋・・・秋半ばの一か月。陰暦では八月。
 中秋・・・陰暦の八月十五日。

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仲秋が旧暦の八月のことなので、『仲秋の名月』でも誤りではないように思えますが、『名月』を満月とするかどうかがポイントです。
名月=満月とすると、『仲秋の名月』は「旧暦の八月の満月」となり、『中秋の名月』は「旧暦の八月十五日の満月」となります。
ですが、旧暦の八月十五日が満月ではなかった場合、「中秋の名月がない」ことになってしまいます。

そんなことがあるのか?
旧暦の15日は満月じゃないの?
だったら仲秋の名月の方がいいんじゃないか?
となりますよね。

答えを言うと、「中秋の名月」は旧暦の八月十五日の月を指していたので、『中秋の名月』がふさわしく、『旧暦の15日が満月とは限らない』となります。
つまり、中秋の名月は満月とは限らない。のです。

満月はいつか?というと『満月(望)は、地球から見て月が太陽と反対方向になった瞬間』となり、その瞬間を含む日が「満月の日」になります。
ですので、満月(望)の瞬間が午前1時の場合、日中に「今日は満月です」と言って、夜に月を見ると「満月をほぼ一日過ぎた月」が空で輝いていることになります。
(「今夜は〜」というと、今日の夜から明日の明け方までになり、カレンダーの満月の日とズレることもありますので、何時か?がポイントになります)

では、旧暦の15日はいつでしょうか?
旧暦(太陰太陽暦)では、新月(朔)の瞬間を含む日が、その月の朔日(ついたち)になります。
満月の時と同じで、新月(朔)の瞬間が午後11時の場合、旧暦の十五日は朔の瞬間から13日+1時間になります。
20時の場合で考えても朔の瞬間から14日余りしか経っていない為、満月ではありません。

と言うわけで、『旧暦の15日が満月とは限らない』となるのです。

では旧暦の8月はいつでしょうか?
(旧暦の月の詳しい話は長くなるので、別の機会にいたしましょう。)
旧暦の8月は「秋分を含む月」になります。
秋分は二十四節気の一つで、現代では、太陽が秋分点を通過した瞬間の太陽黄経が180度になったときで、9月23日ごろになります。
9月23日の直前の新月(朔)の日から旧暦の8月が始まりますので、2020年の場合は、9月17日が旧暦の8月の始まりであり、15日後の10月1日が「中秋の名月」となります。
(満月の瞬間は10月2日の午前6時5分なので、満月ではない中秋の名月になります。)

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