ジャック・ロンドン「赤死病」#18
ムール貝はエドウィンの指千本分だったな。つまり四千はムール貝四十個分、そのくらいまで病原菌は拡大できたんだ、顕微鏡さえ使えばな。また時代が下れば、"動画"という方法で四千倍の病原菌をもう何千倍も大きくできるようになった。こうしてわしらは肉眼では見えないものの形を確認できたわけだ。砂粒をひとつ手にとってみなさい。それを十個に割って、そのうちの一つをまた手にとって、また十個に割ってみなさい。それをまた十個に割って、また十個に、また十個に、また十個に。ひがな一日、陽が沈むまでそれを