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【一問一答】愛犬の死

代表の橘が読者や社員からの悩み相談に答えていくコラムです。

仕事・プライベートにかかわらず社員のみなさんの悩みが少しでも解消され、みなさんのより良い人生と更なる成長につながることを願って定期的に綴っていきます。それではいただいたご相談に答えていきます。

【質問】

実家で飼っていた犬が死んで、何もやる気がでない。
とにかく悲しいし、仕事にやる気も出ない。どう受け止めればよいか、何かアドバイスください。(20代、女性社員)


【答え】

今は辛いかもしれませんが、時とともに和らいできます。

辛い時はそれが永遠に続くかのように錯覚しますが、この前辛いことがあった時のことを思い出してもらえば、しばらくすると和らいでいったことが分かるはずです。だからあまり心配せずに、時に委ねるといいと思います。ただ、辛い気持ちがずっと続くようでしたら、気分転換・リセットを心がけるといいと思います。

大きな不幸から立ち直る力をレジリエンスと言いますが、レジリエンスの心理学が勧めるリセット方法は、例えば、自分が好きな心が明るくなる動画や音楽を聴く、野外・自然の中に行く、呼吸法を行うなどです。環境や行動を変えて、辛い気持ちから別のものに意識をそらして、それを忘れるようにするのです。自分なりのリセット法を見つけてみましょう。

また、心の落ち着いた人と話すと、辛い感情が和らぐことがあり、理性的で合理的な考え方をしやすくなる場合があります。言葉で会話することは、脳の中の情緒ではなくて、理性を司る大脳新皮質を活性化させるものだからです。話しているうちに落ち着くことがあるのはこのためです(言葉にして表現せずに、自分の中に感情をため込んでいる状態は、情緒を司る部分(大脳辺辺縁系)が活動している状態です)。

ただし、他人に話すことで迷惑をかけると思われる場合もあるでしょう。その場合は、日記を書くことも似た効果があると言われています。そして、つらい気持ちを書いた後で、その後に、その辛がっている自分に対して、前向きになるような助言するようなつもりで、言葉を加えることができれば、更に良いと思います。

また、立ち直りが早い人は、多様な考え方ができる人だと言われています。不幸の裏や先には幸福があると言う考え方や、不幸の経験は自分の精神的な成長のために重要な価値を持つと言う考え方です。

一般論ですが、何かを失うことは、何かを得ることとセットです。
別れることは、新たな出会いの可能性を作ります。また、貴方が経験したことは、貴方だけの不幸ではなく、この世でペットを飼う多くの人が皆、経験する苦しみを経験したのです。

これは、人の世の苦しみを知る経験であり、今後は、自分と同じ苦しみにある人の気持ちを実体験を通して理解し、真に同情し、自分の経験に基づいて、苦しみを乗り越える術を助言できることもあると思います。こうして、人は苦しみの経験の分だけ、他人に優しくなれると言います。

その意味で、苦しみの体験は、尊い体験でもあって、あなたの人間としての幅や深み、価値を増すきっかけになります。そして、貴方が愛した犬は、貴方に懐いて、貴方を頼りにし、それを貴方は可愛がることで、気づかないうちに、その犬を通して自分の価値を感じていたのだと思います。これが愛着の心理の構造です。だとすれば、今苦しんでいる背景には、犬を失ったことで、気づかないうちに、自分の価値を失ったかのような錯覚をしている心理がある可能性があります。

しかし、実際には、先ほど述べたように、この経験を通して、貴方は以前より人間として成長し、その価値を増していく道があります。そして、そう考えて前向きに生きることが、犬の死を無駄にしないことであり、犬の魂を真に弔うことになるのではないでしょうか。だから、自分と犬の双方のために、貴方は前を向いて進みましょう。

頑張ってください。心から応援しています。

                      トランスアクト 代表 橘秀樹 

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