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第23回六甲縦走キャノンボールラン参戦記

皆さんと同じ様に、このコロナ禍の中レースの予定が尽く白紙になっていた2020年。
何か今の自分を測る為にもレースに出たいと探しているとあるではないか関西のトレイルランナーにはお馴染み六甲縦走キャノンボールランが。

六甲縦走キャノンボールランとは?
兵庫県を東西に走る六甲山系を東は宝塚、西は須磨浦公園まで約45kmをエンジン以外何でもあり。ルールは死なない事、自力で下山する事。人力、MTB、馬、ミニチュアポニー・ウィングスーツ、グライダー、スケボーなどなど、とにかく六甲縦走路を一番早くゴールした者が勝者な
お祭り的な草レースである(一部抜粋より)

それぞれ片道のSPEED、往復のPOWER、1.5往復のRAINBOWTEAMBUDDYと言った複数で走るなど結構なんでもあり。
自分は昨年春の初参戦のからの成長をみたくて
前回同様POWERの部(往復約112km)にエントリー。

そして迎えた当日

宝塚駅にて以前トモさんこと井原知一選手のイベントで仲良くさせて貰ったチェルさんに粉飴を届ける任務を完遂し、SNS上でお見かけした方々と初めましての挨拶していざスタート地点塩尾寺へ

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受付を済ませると皆さんゆるりとナイトスピードとの事でそれはそれで楽しい山旅になりそうでしたが、自分は前回と比べてどれくらいで走れる様になったのかを測るという目的もあったので後ろ髪を引かれつつ皆さんとお別れをしていざスタート。

明るさは正義

六甲縦走路は試走含めこれで5回目。コースプロファイルも何となく頭に入っているので、往路はメリハリをキッチリつけて、登りや後々脚にきそうな傾斜はパワーウォークで走り易い場面はしっかり走る。いかにして復路を落とさず脚を残して走れるか意識してペースを抑えることを心がけた。
補給もいつも悪い癖で感覚任せなことが多いのでしっかり時間管理して忘れず取る様に。

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装備に関しては試したくても中々機会がなかった上下2灯を実験投入へ。
頭部はコスパ最強でお馴染み
レッドレンザーのNEO10R
腰はちょっとお高い
ウルトラスパイアのルーメン600  3.0 。
結果的にこの組み合わせは最高でした。とにかく明るい。前回レッドレンザーのみで行った時は発熱防止のための光量低下に結構イライラしていたけどウルトラスパイアの広く安定した光がいい塩梅で補助してくれて最小光量でも十分、もちろんテクニカルな下りは光量アップで昼間の様な明るさ(笑)なにより精神的に楽になり集中力の持続にもつながった。

ダサいなんて言ってごめんなさい

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ウェアに関しても今回は新発見があった。当日の夕方まで雨の予報で風もあるとなると幾ら1000m に満たない山とはいえ10℃以下になる場面も出てくるだろうとの情報が。前回参加の春時は夜に雪が降り持ってきてたレインを着込んで寒さに震えながら走った記憶もあり秋の六甲山は如何なものかと思案していた。そこでやんわりとSNS上で相談してみると何名かの方から"アームカバー"というワードが出てきた。
たまたまロードバイクの冬用のアームカバーを持っていたのでドライレイヤー+シャツ+アームカバーで下は短パンで臨むことに。
正直アームカバーってなんか野暮ったいと言うか、ガチのロードランナーのアイテムってイメージがあってダセーぜなんて思ってる節がありましたが今回考えが大幅に変わりました。スミマセン
登りで暑くなれば手首でまとめて放熱し、風のある走れる区間は保温したりを簡単にこまめに調節出来た。お陰でオーバーヒートもせず寒さにやられる事もなく終始快適だった。
(↑は快適すぎて帰宅後直ぐ手に入れたラン用)

キャノンボールラン名物の賑やかエイド

往路は本当に順調だった。前回必死すぎて全てスルーしてしまったエイドにも今回何箇所か短い時間だが寄る余裕があった。

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キャノンボールのエイドはランナーやその家族・仲間の方がそれこそお祭りに参加する様に、とても楽しそうに振る舞ってくれるし元気になる。
流石に日本酒エイドは寄らなかったけど、今回は途中煮麺と豚汁を頂いたりした。本当は二上スパイスさんのカレーも食べたかったけど既に行列が出来ていてたのでスルーした(涙)

余力を残していざ折り返し

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このトンネルを見るとキャノンボールランに来たって感じかするのは僕だけか。六甲山を超え順調に進み市原あたりから21歳!?のナイトスピード参加の青年(自主100mileもしたことがある中々将来有望な子だった)と話しながらpowerの先行ランナーと途中何度かすれ違いふと気がつくと鉄拐山まで来ていた。そう、気がつくと。
この距離をここまで余裕持って走れたことがあったかな?と思うくらい調子が良かった。
ライトのおかげか補給が上手くいったのかあしラボからの走り方の改善が身を結んだのか(これは結構大きいと思ってる)何にせよ足に痛みも大きな疲労感もなく、無事須磨浦公園駅に到着。
名も知らぬ青年とはここでお別れし自販機で水分を補給するとすぐに復路へ出発した。

トレイルランニングランニングハイ

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順調過ぎてどこかで必ずボロが出ると思っていると案の定菊水山辺りからパワーがどんどん出なくなってきた。筋疲労とかではなくエネルギーが生み出せない様な感覚。
ここからはしばらく我慢と体の対話が始まった。
登りでは強く力を出せそうな部分を探して腸腰筋で上げてみたりハムストリングで押してみたり‥呼吸はどうか?自分は疲労してくると息が浅くなる見たいなので強く長く吐いて、直ぐに吸うを繰り返し心拍を下げられないか試した。
高取山辺りで夜が明け初める。
人間不思議なもので朝日を浴び出すと少し元気が戻って来た。これなら行ける。
少し息を吹き返しトゥエンティクロスまで一気に進むがここで徐々に朝日ブーストが切れ始めた笑
摩耶山まで何とか登り切った後はしばらくロードの多い六甲山パート
ここで再び足に力が戻りだす。
「あーこれは知ってるやつだ」
そう、この感覚は何度か味わってるやつ
50km以上の距離を走る時、後半途中辺りからググッと体力が回復して急に楽になってくる不思議な感覚。ランニングハイならぬトレイルランニングハイと勝手に呼んでる。

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六甲山の頂上付近ではではすっかり明るくなっていた。少しペースも上がってロードもほぼ歩かず走り続けたおかげか往路ですれ違った何名かのランナーを抜いて行った。
ここでGPSウォッチを確認するとあと後10キロほどで経過時間は13時間を、越えようとしていた。
これは15時間切れるのではないか?そんな考えが頭をよぎり出した。

クダリクダリ詐欺と勘違い

脚はまだ残っているし、キツい登り以外はまだ走れる。14時間台でゴール出来れば往路、復路とも7時間台でまとめられる事になる。ロングの強い方はペースが安定していると感じていて、今回も復路をいかに落とさないかは課題の一つだった。

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意識から突然始まった時間との戦い。
ここを降れば一気にゴール!と思うとまた登り、しばらく走るとまた降り始め、、、おやおや?
そう、往路では感じなかったけど時間が迫ってるとこの登ったり降ったりが凄くもどかしい(笑)
太平山を越えた所でついに標高が下がり出した。
まだ間に合う!とペースを上げる。
塩尾寺が見えた!後は舗装された坂を降りればギリギリ行ける!時計は14時間55分!!
叩きつける様に駆け降りる。チラッと見えるスタート地点。あれ?なんか変だぞ?
違和感を感じつつも取り敢えず広場まで駆け込み時計を止めた。人が誰も居ない、、、、
時間は14時間58分だったけど、、、まさか、、、
そう、そのまさかだった。
ゴールは宝塚駅近くの湯本台広場だったのだ。
前回春キャノンが須磨浦⇆塩尾寺だったのでてっきりスタートゴールは同じだと思っていたが、確かに宝塚(塩尾寺下の広場)から須磨浦公園。須磨浦から宝塚(湯本台広場)と明記されてた。
なんてこった。勘違いかーい。
湯本台広場の場所わからんぞ(汗)
脚が終わるつもりで駆け降りたのでエキセントリック収縮によるダメージでもはや棒状態。
取り敢えずトボトボと宝塚駅方面へ向かいだす。
キョロキョロしながら歩きに等しい速度で走っていると後ろから大きな声で

『真っ直ぐ行って!!』

ビクッとして後ろを振り返ると猛ダッシュしてくるランナーが。どうやらSPEEDの部の方のようだ

『もう少しなんで一緒にいきましょう!!』

物凄い勢いで抜いていくと曲がり角付近で大きく右を指差しながら交差点を右に消えていった。
そこを曲がって少しいくと息を切らした先程のランナーを発見。ここがゴールか!!
こうして僕の第23回六甲縦走キャノンボールランPOWERの部(約100km累積約5000m)はゴールを迎えました。

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今回はレースとしてしっかり走りたい気持ちで参加しましたが、この鬱屈した雰囲気の中それを吹き飛ばす様にエイドではキャノンボールランでしか食べられない物が出ていたり、すれ違う方々の楽しそうな雰囲気は西日本最大級の草レースにふさわしいとても盛り上がったものとなりました。自分としては久々の六甲縦走路でGPSのデータは入れて行ったのですがレースとしてマーキングしてあるわけでないので何度かロストもしました(笑)がとにかく楽しかった!!タイムと距離考えても多少は成長を感じられたしとにかく最高でした!!!


六甲山最高!!

おわり

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